2015/10/20 のログ
■ロト > 『では 伝書鳩に致そう。色は灰色だから間違えてくれるなよ?』
『昨日はな…山賊に襲われていた冒険者を助けたのでな』
昨日の冒険者というか傭兵だろうか分らんが 山賊に襲われていたので加勢したまでだ。結果は上々に終わったのは黙っておこう。
そもそもその冒険者との手合せは近いし。彼女との手合せの際にそれも会話の種になればと思う。
『我の首は安くないぞ 寧ろ呪われるぞ』
『そうか、では 気を付けて帰るがよい さらばじゃ。』
狼をそっと撫でると わふっと一鳴き後 てってってと小走りにその場を狼に乗って去って行った
ご案内:「ハテグの主戦場」からロトさんが去りました。
■ルーキ > 「あぁ。灰色だな。――相分かった」
「山賊か。……まぁ、わたしにはあまり関係ないことか」
特別興味も無さそうに頷いてみせる。よもやその冒険者が知り合いとは思わない。
手合わせの際、何かしら話を聞ければそれは幸いでもある。
「……あぁ、また。其方も気をつけて」
呪われるとの言葉に小さく笑って、去り行く一者一匹を見送る。
暫し立ち尽くしていたが、やがてかぶりを振ると――踵を返し、王都へと去る。
ご案内:「ハテグの主戦場」からルーキさんが去りました。
ご案内:「ハテグの主戦場」にアサヒさんが現れました。
ご案内:「ハテグの主戦場」にヨゾラさんが現れました。
■ヨゾラ > (昼間。大量虐殺だって御遊戯。
暇になったから、或いは殺したくなったから殺しに来た。
何でも、魔族と言うは、ここでおおっぴらに人間をぶっ殺しているらしい。
別段人間と魔族の争いの行方になど、これっぽっちも興味はない。
ただただ、己の破壊衝動と、殺戮欲求を満たすためにやってきた。…のだが。)
…つまらない。
(魔族の国から出てきて帯びる魔力を露呈させれば、人間の見た目であれ分かる奴には分かるのだろう。
その上この女の見た目。男が寄って来ないわけがない。人間って下衆だ。魔族も変わらないが。
殺して殺して殺しまくった。最初は刃物で斬って斬って斬りまくった。
人間の思考中枢は低俗だ。0.03秒以下の攻撃には反応できない様に出来ている。
猛々しい兵士の断末魔が呻くが、どうにも今一ぐっとこない。
一刀にて人体の肉を断絶するのが手に伝わるのは快感だが、
人間にしろ魔族にしろこうやって女を犯そうとする兵士は往々にして顔も声も醜いのが相場だ。
結局飽きたので刃物はやめて、兵士集団を一気に魔法で断絶した。
それはもう、処刑場かと見紛うくらいの手際の良さで。人間の抵抗を一切認めずに。
許容もなく、慈悲もなく。バラバラに。
勿論、これだけ殺したって兵さえ補充すれば戦線に影響は出ないだろう。
それで良い。目立つことは嫌いだ。その辺の凶悪な魔族の一人として、数えられもせず忘れられるくらいが丁度良い。
どいつもこいつも所謂屈強な男の兵士ばかりで、どうにも興がのって来ない。
袈裟にぶった切った呻く兵士の残骸の血肉を踏みしめながら、少し不機嫌そうな形相で、あたりを見まわした。)
■アサヒ > 「んー...なんか今日、ゴミが少ない...かな?」
合法で人を殺戮出来る。この不文律に惹かれて戦場を蹂躙して回っている。
何時ものように殺戮を繰り返しているが、何かが物足りない。
「誰かが...私のオモチャ、取ってるのかなぁ...?」
戦場を駆け巡る。何か面白い物を探すかのように。
そうして、築かれた死体の山の上にいる女を見つけたのだ。
「お...おー?ふふ...ふふふふふっ!」
強者こそ正義、をかかげる私の一族。
強い者が入れば戦いを挑むのは、もはや本能のようなものだ。
「貴女...強いのね?そうだよねぇっ!」
転がる肉塊を踏み躙りながら土埃を巻き起こして突進する。
まずは、腕でも飛ばそうか?
文字にすると「ごうっ」、だろうか。
通常の人間ではあり得ないような音。
その心地よさを耳にしながら拳を振り落とす。
■ヨゾラ > (死屍累々。血の匂い。人間は首と体が千切れるだけで死ぬから脆い。
そうでなくても、血なんていう不便なものを流動させているから脆い。
その脆いものを、丁寧に丁寧に壊していくのも一興だけれど、
この豚とゴボウを足して2で割った様な鎧の兵士が呻く声を聞いて、果たして昂ぶる者がいるか?
答えはいいえ。つまらない。「あ゛ー!!」とかいう、何処から出しているのか分からん声を聞いたところで、
昂ぶるどころか逆に冷める。なので、声帯をぶった切って殺した。)
…あら?
(さて。現れた少女。目が合った気がした。
さて、すっげー、既視感あるんだが。気のせいだろうか?
いけない、昔の事は多くは忘れてしまったのだが、大分と記憶に残っている様な。
…それよりも。)
お褒めに与り至極光栄。
けれど強いか弱いかじゃなくて、龍と肉の関係よ。
(爆風の音。それは魔法でも何でもなく。馬鹿力だ。
血肉をないもの同様に踏み拉いて、真っ直ぐ飛んでくる。
ただ、少しは興が出てきた。最初から言った様に、魔族とか人間とか、正直どうでも良い。
楽しければいい。面倒くさくなければいい。
着弾の幾らか前に、女の姿がその時間軸から消えて無くなった。)
■アサヒ > 「なんだよもー!『お前も肉塊にしてやろう』って事かー?」
女とは言え、私も誇り高き鬼人の一人だ。
「そこらへんの肉人形と一緒にしないでよねっ!」
彼女が薙ぎ倒した死体を踏み躙りながら、そう叫ぶ。
ごうっ、と言う音と共に振り下ろされた拳。
その拳は、確かに当たったものを壊した。
その音に違わず粉々に。
予想していなかったのは砕けたのが彼女では無く、地面だったと言う事で。
勢いよく地面に突っ込み、支える為に思わず手をついてしまう。
その勢いのままバネのように身体を跳ね、体制を整える。
状況を整理してみようか。
高速移動、ではないだろう。それ位なら気配でわかる。
時間停止、でもないのだろう。停止した時にこっちに攻撃を加えるはずだ。
となると...まるで時空を超えて、未来に移動したようではないか?
突拍子もない発想だが、これならつじつまが合う。
「ふーん...あの人みたいな能力、使うんだねえ...」
何処か恍惚とした表情でつぶやく。
■ヨゾラ > ううん。あれは、やばいわね。…なにあれ。
(地面が砕けた。当然地震みたいなものが起こるし、戦場も吹き飛ぶ。
といっても、ここら一帯の師団はもう全部ぶっ殺してるので、幾等音を立てても、そう目立つことはない。
だがまぁ、ご覧の通り地面が壊れて砕けた。
この、嘗て丘であった場所が、地形を抉り飛ばされた。
これくらい普通の魔族でもできようものだが、猪突猛進とばかり真っ直ぐ突っ込んでくるそれ、
どうにも既視感がある。揺れた余震で駐屯地だったものが崩れた。地面に横たわった人間だったものが躍った。
取り敢えずと言う事で、時間も空間も切り取って、最初に彼女が経っていた場所へと移り変わった。)
ただ、何となく面白いわ。肉人形じゃなくて肉べ…あぁ…。
まぁ、良いわ。取り敢えず、ちょっとだけ遊んであげようかしら。
…なぁんか、見たことあるんだけれど…ねぇ…?
(いつの間にやら日傘の様なものを手に携えてる。
蛇の目の白黒に紫紺の桜があしらわれた、豪勢な作りの日傘。
和装の姿をじろじろ見る。これの所為だろうか。…魔族、妖怪?…同郷の者だったか?
不便な記憶だったものだが、どうにもその既視感がぬぐえない。)
■アサヒ > 瓦解する建物。だけど私は知ったこっちゃない。
跳ねる人形。これも私は意に介する必要はない。
いや...少しだけ、利用させて貰おうか。
「吹きとべ、この雑魚どもぉ!精々私の役に立ってよね!」
そう宣いながら死体を彼女の方向へ蹴り飛ばす。
デタラメな威力で蹴り飛ばされた肉塊。四散しながら彼女に向かっていく。
確か...「しょっとがん」だっけ?異界のあの武器と原理は一緒だ。
吹き飛ばせるとは思っていないが、目眩し程度にはなるだろう。
「ふっふー...あの人みたいなのが沢山いたら、楽し...ん、んんん」
何故か視線をキョロキョロさせながら、そう戸惑うアサヒ。
そのせいか、自分の着ている衣装と、相手が着ている衣装。
とても類似していることに、気づいてはいない。
■ヨゾラ > (散る血肉。何するかと思ったら横たわる肉塊を蹴りつけて来るという手段。)
…ふふ。飛び道具は私には効かないわよ。残念でした。
(日傘を虚空に向ける。空間が捻じれる。斬れる。繋がる。
長方形の黒紫色の穴が開く。そこにある筈もなく、あってはならない禁忌の穴が。
入口《こっち》と出口《あっち》を繋げる魔法だ。
肉の塊となった人間は、空間の破れ目に飲まれて、まるっきり同じ威力で、
且つバラバラになり、その肉塊の大きさを小さくしながらも彼女の背中から顕れる。)
…だぁれだったかしらあれ。…あーん、全く思い出せないわねぇ…。
(鬼神とか言われればすぐに思い出せようが、
今のところただの馬鹿力を持った小娘であるとしか分からない。
顎元に人差し指を曲げて置き。首と頭を捻ってクエスチョンマークを浮かべる。
さて、何時もなら間髪入れず虐めようと思うのだが、これまた何故かそういう気分にならない。
…あれは誰だっただろうか。)
■アサヒ > 亜空間?に吸い込まれる私の攻撃。
ダメージにならないとは思っていたが、ここまで手ごたえがないとは思わなかった。
どんな選択肢を選んでも対処されるだろう。そんな絶望感。
あぁ...楽しい。やはり、強者との戦いは面白い。
「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁっ!」
後ろから襲い来る自分の攻撃。
ある物は拳で、ある物は蹴りで迎撃する。
「...むぅ」
小さくて、迎撃を諦めた肉塊。
その一つが、自分の腕を掠める。
「この『鬼神』アサヒ!これくらいの攻撃で諦めると思わないでよねっ!」
そう叫び、また突進する。
馬鹿の一つ覚え、とも思うだろう。
やはり、高火力で叩き潰す。これは強者相手でも変わらない。
「ぶっ飛びなぁっ!」
先程数多の肉塊を迎撃した拳。
あの時の乱打を、今度は彼女の身体にぶちこんでやる。
■ヨゾラ > (ぐっちゃぐちゃだった。肉塊が殴られて蹴られて本当に人間だったものになっていた。
小さい肉の欠片、別に狙ったわけでもないが、僥倖な事にダメージが入ったらしい。)
ええ?ちょ、今鬼神アサヒって…。
(で、今思いだした、と。全く変わってないじゃないか。
それを言うと自分もなのだが、いや、自分は変わった。
見た目こそ前まで通りだが、もうこの見た目もただのカモフラージュ。
そんな事はさておき。)
―――。
(戦闘で一瞬たりとも余計な思考に耽った。当然の結果が待ち受けている。
あ、こいつ。と思い出してアハ体験に浸っている間などなかった。
乱れ打ち、その威力はどうあれど、あの潰れた肉塊と同じ様な運命をたどることは想像に難くない。
違う点をあげるとするなら、その肉塊が気味の悪い虹色であること、血が出ないこと。
内蔵器の一つとして漏れだすこともないこと。悲鳴の一切も上がらないこと。それから―――)
変わらないわねぇ、アサヒ。私よ、わ・た・し。死神のヨゾラ。
ああ、それともサディストのクソ女って言った方が分かりやすいかしら?
誰かと思えば、懐かしい顔ねえ。何処ほっつき歩いてたのよ。
殺しにでも飢えた?残念だったけれどここら一帯は人間も魔族も全部一人残らずぶっ殺したわよ。
あんまり楽しくなかったわね、もっと向こうに行ったら殺して楽しい奴がいるかしら。
(―――その四散した肉塊が、集まったり肥大化したりして、また同じ形を作ること。
変幻自在の肉塊が、再び、その着物や日傘まで完全に再現して。もとからあったように立っていた。
一人で勝手に話を進めて、また一人で勝手に再開を懐かしみ。そして勝手に悦に浸っている。)
■アサヒ > 「無駄無駄無駄無駄無駄無駄...」
ラッシュを叩き込みながら、不審がる。
まるで水を殴っているような感覚。
抉れた肉の中身の色。一滴たりとも流れでない血。
先程の時空移動といい、これではまるで「あの人」みたいではないか。
その疑問は、すぐに本人の口から出た言葉で氷解する。
「...ふぇ?えー...えええええっ!?!?御主z...じゃない、ヨゾラちゃんっ!?」
そう、予想通りというべきか、「あの人」であった。
一度出した技を止めるのは、私のプライドに反するし...。
何よりも、ヨゾラであればダメージにもならないだろう。
ラッシュを続けながら、返答する。
「だって...だってぇ...ヨゾラちゃん、急にいなくなっちゃうし...」
「私の『全力』に耐えられる人も居ないから、こうやって散歩してたんだよ?」
■ヨゾラ > そうよ、ヨゾラよ。
…あー…悪かったわねぇ、暇だったのよ。それで、何か面白そうな国見つけたから入っちゃったのよ。
後でたっぷりかわいがってあげるから許して頂戴な。
(ラッシュでまた潰れた。目玉が抉れ飛ぼうが、横っ腹がえぐり取られようが、腹部に風穴が開こうが、
歯が抜けようが、言葉は続く。例え首から上を吹っ飛ばされたって、喋っている。
口が無くなろうが、何処からともなく話を続ける。音の魔法。口から喋っているんじゃない。
ウインクをしようと思ったが残念ながら体の部位が残っていないので出来なかった。
いつもの嗜虐性のある笑みも、残念ながら出来ない。)
で、あの。いつまで続けているのかしら。
あ、もっと頑張ってもいいのよ。
(にっこり笑って撫でようと思ったが右腕が吹っ飛んでいた。これがギャグで済むのは、あくまでこれがこの化け物だからだ。
ご覧の通りというか、普通の肉質なら否応なく抉れ飛ぶ。スポンジみたいに。)
そう。…"全力"ねぇ。
この国は色々と面白いわよ。何でも沢山魔王様がいるんですって。
あと、人間ね。…まぁ、我々神妖の敵ではないでしょうけれど、
少なくとも、こんな紙製の玩具よりは、頑丈で楽しいのが一杯いるわよ。
(「こんな」という言葉に合わせて残った左足が、先程ヨゾラが切り殺した人間の下半身を鋼鉄製の鎧ごと踏み抜いた。
言葉通り、紙みたいに軽々と。)
■アサヒ > 「あぅ...あ...えへへ.........///」
言われた瞬間、どんなことをして貰えるのか想像する。
思わず破顔してしまうのも仕方がないことだった。
「無駄無駄無駄...無、駄、無、駄ぁっ!」
フィニッシュの1撃目で胴体を断裂させ、2撃目の蹴りをぶちこむ。
ここで文字通り空の彼方へ吹き飛ばすのが黄金パターン...のはずだった。
件の彼女は、雑談をする余裕すらあるが。
「魔王様...ねぇ。何秒耐えるか、賭けてみるのも面白いねっ!」
「うー...我慢出来なかったら、ヨゾラちゃんが相手してね?」
彼女が踏み抜いた死体を一瞥する。
私なら地面ごと壊せるもん、と変な対抗心を抱きながら。
■ヨゾラ > …あらあら。なぁにを想像しているのかしらね、この子ったら。
(千切れ飛んだからだが虹色に煌めいて、また顔や体が元通り。
横槍を入れる様に唇をつんと突っつけば意地悪く笑って。)
あぁん。
(そしてまた、胴体がばらける。肉片が蹴りつけられれば、
ゴルフボールみたいに虹色の肉塊が吹っ飛んだ。)
ちょっとちょっと、流石にそれはえげつないんじゃない?
(また、例の空間断絶が行われる。空に黒紫色の穴が開いて。
地面へと向きを変えて出口を開けば、ベチャッ、と肉塊が音を立てて。
彼女の後ろで、また黒髪の嗜虐性を含んだ笑みを浮かべる女が笑う。)
あ、じゃあ0秒に4000ゴルドね。ああ…貴方魔法は使えなかったかしら。
なら2秒で。
(現実味のない時間に、意外とリアリティのある金額だった。
思い上がりも甚だしい言葉だが、この腕力。人間も魔王も変わらない。紙ごみと同じだ。)
はいはい、分かってる分かってる。
しっぽりしっかり、気持ち良くなれるまで相手してあ、げ、る。
…ああら。
(人間の死体には脂肪や血液や内蔵物がある、それに足を突っ込んだのだから、汚い。
鎧の鉄片や骨は不思議と一切その浅黒い異形の足には突き刺さることはなく。ただ、汚れた。それだけ。
汚れに汚れた下駄を履いたその足を見て、思わず苦笑い。)
んふ、綺麗にしてくれる?なぁんてね。
(その死体を軽々蹴って退ければ、冗談半分にくすくす袖で口元を隠しながら囁いた。)
■アサヒ > 「だって...その...暫く...ご無沙汰だったし...ひゃぅ」
と、若干拗ねた様子でそっぽを向くアサヒ。
消沈していた所に突然敏感な部分を触られて、思わず声が出てしまう。
殴り続けていなければ、普通の恋人のやり取りなのだが...。
「ま、魔法ぐらい使えるもん!」
身体強化だけなんだけども。
唱える時間使って、殴りかかった方が早いしね。
「き、気持ちよく...?」
「!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?///////」
さながら100面相の様に、コロコロと表情を変える。
確かにさっきのセリフは、そういった意味に取られても仕方がない。
連打も終え、疲れた素振りも見せずに後ろから現れたヨゾラに抱きつく。
カラクリにさえ気付けば、亜空間は怖くない。
そんなことを思いながら抱き締めるが。
「あ...ぅ」
雑魚どもの血が付いた、彫刻のように精巧な足を見る。
この血を舐めとりたい。でも雑魚の血が口に着くのは嫌。
それでも、「御主人様」の足にクズの血が染み着くのはもっと嫌。
期待を込めた視線で、足と、顔と交互に見つめる。
■ヨゾラ > んっふふ。そうねぇ、以来どれくらい経ったか、もう忘れてしまったわ。
…ま、元気なようで何より、といっておこうかしら。貴方が元気でない姿なんか、想像できないけれど。
お久しぶりね、アサヒ。
(ニマニマとまた意地悪い笑顔。わざとやっているのだと言外に。
今更ながら再開の御挨拶。殴られながら。体が千切れ飛びながら。)
貴方ロクに使える魔法持ってないでしょう?
そんなんだからいつまでたっても不死身や不定形の奴が殺せないのよ。
(もやん、と気色悪い色が光ったかと思えばまたまた体は元通り。
概ね彼女の手札は知っている。というかもう殆ど思い出した。
パワーを上げて上げて上げて殴る。ただそれだけ。腕力で右に出るものは居ない。
けれど、腕力だけじゃどうにもならない事もある。現に、こうしてどうにもなっていないのだし。)
はぁいはい。落ちつきなさい。
全く、ウブなんだから。そういう顔されると、虐めたくなってしまうわ。
(嗜虐的に、粘る血液の泥濘の様な、異質な赤黒い目が弧を描いた。)
ああ、もう。甘えん坊さんなんだから。
変わらないわねぇ、貴方も。本当に。殴ったかと思ったら照れて抱きついて。
(といって、別に拒むわけでもなかった。旧知の知り合い。
破壊と殺戮を好む神妖の悪友の一人なのだから。仕方ないわねと言いながらも、楽しそうだ。)
で。どうしたい?どうしてくれるかしら。
(舐めろなんて言ってないけれど。洗い流してくれてもいいのだけれど。
それに、冗談とも言った風な雰囲気だけれど。何を期待しているのだろうかと、
内心分かりきった事を思いながら。貴方の好きにしなさいと目を足元に遣る。)
けれどもう、私ここには用は無いのよ。長居したら目立つでしょう?
二個中隊壊滅させたんだけれど。もうこれ飽きたわ。
見て御覧なさいよ、もう何人殺したか覚えていないわ、何故か今日はくっさくて醜い男しかいなかったのよねえ、
残念だったわぁ…アッハッハッハ!!
(軍の数え方があっているかはともかく、少なくとも手の指と足の指では数えられないくらい、余裕で斬り伏せていた。
どいつもこいつも鎧や魔法防御ばかりに頼っているが、空間ごと直接斬られたら死ぬしかない。
死屍累々の惨状を見れば、しかしわずかばかり達成感がこみ上げて、ついつい笑えてくる。
大量虐殺は遊びだ。あるじゃないか、子供が蛙を捕まえて残虐に虐めるの。あれと同じだ。
間違って魔族も多少殺した気がするが、どうでも良い。こんな所に居るのが悪い。死を司る化け物の前に出るのが悪い。
ヨゾラは異界の者で、この世界の魔族に同胞という観念など持っていない。
日傘を腕に挟み込み、さぞ面白そうに、酷く歪んだ性癖に乗せて、甲高く笑った。)
■アサヒ > 「私は、元気なのが取り柄だもんねー!ひゃっほーい!」
「えへへぇ...お久しぶり、ヨゾラちゃんっ!」
もし、文字に起こしていたら語尾には全部感嘆符がつくだろう。
少なくとも「ヨゾラちゃん」が相手の時であれば。
「色々使えるもん!攻撃力倍加とか!アンリミットブーストとか!パワードスーツとか!」
...つまりは、身体強化だけ。ということだ。
力任せに地面を叩き、地割れを起こすようなこともできる。
結局は力技だ。
ヨゾラの体格は180と、女性にしては高身長だ。
女性...かどうかは置いておくが、今は女性の形をとっているので、女性とする。
対したアサヒは、150。
アサヒがヨゾラに抱きつくと、自然に胸に顔を埋める形になる。
「あぅ...私に、その...その穢れた血を舐めさせ...あ...」
「お家帰ろっ!ねっ?ねぇっ?」
いくら人がいないとは言え、ここは外だ。
家の中でないと、お互い「やりたい事」も出来ないであろう。
お互いが遊びに遊んだおもちゃを吹き飛ばすために、地面に拳を向ける。
「掃除」をして、帰ろうか。
■ヨゾラ > 元気すぎるのもどうかと思うんだけれど、ま、可愛いと言う事にしておこうかしら。
(凄く撫でやすいので、なでなでしておく。小動物みたいだ。
その正体は、乾坤一擲たる一撃を起こす鬼神だが。)
あの…ああ。うん。
そうねぇ、私みたいに「空間断絶」でも使えたら便利だと思うけれどね。
(次々と述べられる攻撃力上昇系統の魔法に何かを察した顔をした。
一応提案する。魔族であり、神妖の類だから、持ってる魔力は少なくない…というか、多い筈なのだが。
如何せん猪突猛進とばかり殴るだけなので、どうにもと思う。
「空間断絶」さえあれば、割と生きていけるというのは、彼女の持論だ。腹が減ったら盗めるし。
因みに、着痩せするが胸は大きい。
それなりに長身な女と小柄で可愛らしい少女、この体格差である。)
あらあら。それはそれは。気が利いているわね。
んもう、待ちなさい。そう急かさないでってば。今私、家、なくて。困ったわねぇ…どうしようかしら。
…いえ、ちょっと待ってほしいのだけれど、まさかあっちに帰るつもりはないわよ。
(何せあの世界はそれなりに平和だが暇なのだ。言い出されたら敵わないので先に釘を刺しておく。
かといってこちらに定住箇所は無い。その理由は簡単で、この化け物は衣食住の必要がなく、
睡眠というものも必要ないから。あと、単純に毎日毎日家に帰るのが面倒くさいから。
性悪な笑みを浮かべる。概ねこれからこの道を"通りやすく"してくれるんだろう。
取り敢えず、行く宛は無いが、魔族の国にでも行けばいいのだろうか。
いや、逆に人間の国でもいいか。さてどうしよう。そもそもここって主戦場のどの辺だ。
こうして、また化け物は道に迷った。)
■アサヒ > 「んっ...んふー、わんわんっ!」
ぎゅーぅぅぅぅうううぅぅぅうと、思い切り抱きしめてみる。
なお、通常の人間であれば致命傷になる痛みである事を、ここに添えておく。
「魔力をたくさん注ぎ込めば、その分たっくさん攻撃力あがるよ?」
一般の「攻撃力倍加」は、魔力を数値化すると30消費して、攻撃力を2倍にする。
アサヒの「攻撃力倍加」は、魔力を300注ぎ込み、攻撃力を30倍にする。
本人が他の魔法を習得する気がないので、この化け物量のパワーアップにとどまるが。
「あぅ...はぁ...」
その豊満な胸に埋めながら、自分の胸と見比べる。
身長の割にはあるだろう。この年の割にはあるだろう。
ただ、どうしても目の前の果実と比べると、見劣りしてしまう。
「ひゃっはー!『地鳴らし』!」
何のひねりもない技名を叫びながら、地面を叩く。
その衝撃波で数々の死体が飛び散らばる。
見る限り、視界の中のおもちゃは片付け終わったか。
「どっか...こう...宿でも借りて.......」
といいかけたところで、「昔」にやっていた記憶を思い出す。
あんな声を、不特定多数の人に聞かせるのは、お互いのためによくないだろう。
「どうしよっかなぁ.........?」
住むための家屋もだが、それ以上に今からやるための行為の場所だ。
■ヨゾラ > もう、分かったから。ふふ…。
(小動物だわ、やっぱり。現在は普通の人間の肉塊なので、圧縮されてしまうのだが。
やっぱり苦しそうではない。)
いやまぁ。…攻撃力だけじゃあどうにもならない事って、結構あるのよ。
掛け方に依っちゃ、効率を良くすると累乗倍とか指数関数的に増えるし、
是非やってみると良いわ。
(何を言っても結局そうである。魔法タイプに変わる気がないのは、昔のまんま。)
…大は小を兼ねないらしいけれど。どうなのかしらねぇ…。
っていうか、あれよ。私、体好き勝手弄れるから。こういうの大きくも小さくも出来るのよね。
(とは言え別にやらないが。)
随分と綺麗になったわね。
さて、と、別に行く宛もないけれど、行きましょうか。
(さっさと退けた残り物を切り分けて歩きはじめた。
目の前で超越的なパワーが振りかざされたが、見慣れた光景。)
もう、あ・せ・ら・な・い。
…お預けにしようかしらねぇ。何だか、この頃めっきり気が乗らないのよ。私ほら、結構優しくなったし?
宿借りてまでってわけにもいかないし、…そうねぇ。やっぱり、北方の国にでも行こうかしら。
(あれだけ惨殺しておいて優しいも糸瓜もないだろうが。
宛ら小動物を扱うかのような、待てのサインであった。
最近面倒くさがりの化け物は益々面倒くさがりになっていた。退屈に退屈が嵩んだせいだろう。
それに、何よりこの化け物、破天荒なまでに気紛れだった。
気が向いたからというだけの理由でこうして大量殺戮するし、気が向いたからというだけの理由で拉致監禁もする。
そして気が向かなくなったら何処でともなくほっつき歩いて「暇」だの「つまらない」だの「飽きた」だのと漏らす。
取り敢えず同郷の悪友…というか、半ば奉仕してくれる子に会えたし、居住する所くらいは紹介するのが情けだ。
地図を考えるに、主戦場から魔族領域って、大分遠いが。そこは転移すれば万事解決。)
■アサヒ > 「地割れが起きないようにするの、苦労したんだよ?歩きにくくなっちゃうからね!」
そう言いながら、血塗られた大地を二人で歩く。
もっと効率のいい身体強化は出来ないか。
もっと大きい胸にする事は出来るか。
そんな他愛も無い話をしながら戦場を後にする。
拳ひとつで、文字通り地割れを起こせるのだ。
寧ろ手加減を加えないと行けない程の暴力を宿す存在。
そんな少女は、同胞の化け物に甘える普通の少女のように見えた。
この「求愛」が、「狂愛」になるのは、また次のお話である。
ご案内:「ハテグの主戦場」からアサヒさんが去りました。
ご案内:「ハテグの主戦場」からヨゾラさんが去りました。