2023/07/18 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にサウロさんが現れました。
サウロ > (────神聖都市。
 主神の名を都市の名にすることで都市全体が宗教的雰囲気を持っており、教会や聖堂といった建物が多い。
 ここへ訪れる機会は過去にも片手で数えるほど。それも滞在は短期であり、都市について詳しくはない。
 敬虔な信者、とも言い難いが、食前の祈りは毎度忘れぬ程度には主教に馴染みがある。
 とは言え、こうも立派で荘厳な歴史的価値のある都市を歩くのは、圧倒されてしまう。)

「……と、任務を忘れないようにしないと」

(こちらの都市を担当する自由騎士団の隊の救援要請を受けて、サウロが所属する隊から半数、他の隊からも少しずつ。
 合流し、事情を聞けばどうやらならず者たちによって"地下街"に攫われる者がおり、自由騎士の中にも被害が出ているのだとか。
 その調査と救出作戦の為に、サウロ達は都市内の巡回を強化するという任務だ。
 やることは王都の時と変わらない。
 怪しい者がいれば声を掛ける。とは言え、サウロにとってこの都市の入り組んだ道は詳しくはなく、
 体力を奪う日差しもあり、汗を滲ませながら上がる体温に色白い肌にほんのりと熱で赤みがさす。
 日陰に入り、水筒から水分を補給しながら、小さく息を吐いて聳える白亜の大聖堂を見上げて。)

「この都市の聖堂は、どうしてこう神秘的なんだろう……教会とはまた違った雰囲気だな」

(似て非なる建造物だが、細かい事に詳しいわけでもなく。
 修道院なども含めれば、何がどう違うのだろう、とぽつりと疑問を零す。)

サウロ > (観光名所にもなるだろうけれど、今この国は他国と大規模とまではいかない小競り合いを続けている。
 前王時代から今に至るまで、ハテグの主戦場では国の正規軍や傭兵も入り混じった兵が戦いを続け、
 この都市もその主戦場から近いことから傭兵や軍人たちが慰安に訪れるという。
 慰安というのはまさしくそう言う意味で。
 サウロも実物を見たことはないが、"地下街"というヤルダバオートの地下にある売春宿などを指しているのだとか。)

「…………」

(地面に視線を落とす。この下で、戦争で身よりをなくした子や夫を亡くし食い扶持を無くした寡婦が。
 身を売り働かされているのだと思うと、痛ましい思いだ。
 かと言って、サウロに何が出来るというわけでもなく。
 ここよりももっと欲望と悪意に溢れた都市もあるとなれば、表情も憂うものとなり。)

サウロ > (気を取り直し、巡回を再開する。
 そうそうに来ることもない都市ともなれば、流石に観光気分というわけにもいかないが厳かな建造物を見て回るいい機会にもなった。
 とはいえ、昼間から修道女に狼藉を働く者は諫め、怪しい人物には声を掛けてということを繰り返していけば、時間もあっという間に過ぎていくもので。

 ────そうして日が暮れる頃には巡回も終えて、どうやら件の作戦も成功したと報告が上がり。
 仲間と共に安堵したが、これから王都に戻るには深夜になってしまうとのことで、滞在することが決まった。
 炎天下の中で歩き回っていた半日は長く、汗だくになったインナーなども着替えたはいいものの、
 用意して貰った替えの服が司祭が着るようなカソックローブであった。
 どうやら押収品らしいが、これを着ていていいのだろうか?
 それしかないの、と言われてしまえば、全裸で過ごすわけにもいかないので諦めて、とってもらった宿へと向かって歩いていく。
 夜は夜で街燈が灯されて、聖堂や寺院などもまた雰囲気や印象が変わるなあと見上げては昼間よりはゆっくりと眺めることも出来て。)

サウロ > 「────ふぁ……」

(その後とくに飲みに行くということもなく、声を掛けられることもなく。
 ただ荘厳さを持つ神聖都市の神秘的な上辺だけを見て、この都市の地下に潜む闇に触れぬままに宿へたどり着き、
 半日の疲れを落とすように心地いいベッドの上に寝転がって。
 そのまま少し早いけれど、欠伸を零しながら眠りへとついてしまった──。)

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からサウロさんが去りました。