2023/06/18 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にシアンさんが現れました。
シアン >  
「さて……」

修道女、神父、巡礼者、宣教師、等々、等々――
商人や旅人に街人にと行き交う人々の割合に多く信仰を生業とする者が交じるのはこの都市ならでは。
王都から神聖都市へと渡る隊商護衛依頼を終えて道中を共にした彼等と挨拶を済ませ、
異国情緒すら溢れる人々や幾つも立ち並ぶ寺院に教会にとある町並みを眺めながら歩く。

「一週間かぁ……」

一週間後、此処より王都へと渡る隊商への護衛依頼が待っている。
そのあいだ暇を持て余す、どころか結構な忙しさ、なんせ此処で失せ人探しだ。
何処ぞ商家の娘が行方不明になったそうだがそれがこの神聖都市に修道女で見掛けた、
何て話から出てきた捜索依頼を指名されてしまったから街中駆けずり回らなければ。

勿論というか。正直時間がまるでないしそも失せ人探しなんて見つからないのが当たり前だ、『見つかりませんでした』と報告するのに気が重いわけではないが見つかりませんでしたと言うなら言うだけはあちこち回るのが筋というものだろう。……面倒臭ぇ、とは思うので溜息は出るし何なら独り言も溢れるが。

シアン >  
「まずぁ、教会からだよな。いや……教会だけでどんだけあんだよ……」

娘の特徴は聞き及んでいるし依頼主が作らせた似顔絵もある。
伝手と土地勘がないから聞き込みと観察を足で地道に続けていくしかないが……
あーほんとなんでこんなん指名されるかな、とぼやきながら町並みへ向かって歩き出した。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からシアンさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にエヴィータさんが現れました。
エヴィータ >  
それは、今から十分ほど前のこと。

地下に香炉を運び入れるよう命じられ、見事な装飾を施された、壺状の香炉を渡された。
未だ火はついていないから大丈夫だ、と言われ、念のためそっと顔を近づけて、
着火前であることを確かめてから、恭しく頭を垂れて応じ。

もう潜り慣れた感のある隠し扉を潜り、幅の狭い階段を下りて、
地下のフロアへ降り立った瞬間、微かに鼻腔を擽る香り。
まずい、と眉根を寄せ、出来るだけ早く指示された部屋へ香炉を届け、
さっさと空気の綺麗な地上へ戻ろうと思ったのだが―――――

指示されたその部屋の中に、恐らく随分前から焚かれていたのだろう香炉があり、
騙されたのだと気づく間も無く、四肢の力が抜けてゆく。
甘ったるく纏いつく香りの中、低い掠れ声で先刻の司祭を詰りながら、
香炉と共に床へ倒れ伏して―――――暗転。

部屋の大きさに比して、やけにベッドの大きさが目立つ部屋。
こんな所で寝転がっていたら、客を呼ばれてしまうのでは、と思うけれど。
カラダが動かないばかりか、意識すら朦朧とし始めている。
そして焚かれた媚香の効果は、意識を喪失する寸前のこの身にも、
じわじわと染み渡りつつあった。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にコルボさんが現れました。
コルボ > 貴女とは別口、別の依頼、それこそ王都とは別系統のつてで調査に入った男。
地下の売春施設は暗黙の了解となっているが、
そこを利用して反体制が潜伏、特に魔族絡みの調査として紛れ込んでいて。

淫魔の類が相手でも、多少の相手なら”真正面”から相手が出来る男は、
上客として案内されるままに部屋に案内される。

「さってと……、シスター相手は久しぶりだが……、って、どうした?」

床に倒れ伏したまま、逃れようとしても敵わず客を案内された貴女へと近づいて抱き起して、顔を見て

「……エヴィータ? お前何やってんだ、つか、誘い込まれたのかお前手…?」

おそらくはこの媚香を吸ったせいだろう、呼吸が荒くなっている貴女の顔を覗き込んで。

以前、吸血鬼と犠牲者の体で肌を重ねた相手と、あの時と同じいでたちで

エヴィータ >  
扉の開く音を、誰かの足音を、ひどく遠いもののように聞いた。
ええい畜生、来るなら来やがれ、などと雑な啖呵を切る気力も無く、
ぐったりと倒れ伏した体を、誰かの腕が抱き起こす。
男の眼に映る己の顔は、どこか苦しげに歪められているものの、
頬は不自然に赤らみ、半開きの唇は熱っぽい吐息に濡れ、
恐らく、確と抱き寄せれば、カラダそのものが火照っていると知れるだろう。

名を呼ばれて、閉じていた瞼が微かに震え、ぎこちなく擡げられる。
潤み翳んだ眼差しが、危うげに揺らぎながら、男の顔を映して。

「―――――… な、ところ、で…… なに、してる、……… っ、」

扉の向こうで誰か、聞き耳を立てていないとも限らない。
だから問い返す声は、限界まで押し殺したもの。
けれど腹に力を込めてしまって、語尾に、なんとも悩ましげな喘ぎが混じる。

コルボ > 「お前がいるって話聞いてないから別口だ。
 知り合いから魔族潜伏の調査頼まれてな。

 ……どうする? ここでヤッちまうと後々客取らされるんじゃないのか?」

 相手をしてもいいが、そうなれば別の意味で狙われる懸念を口にする、
 女の扱いに長けた男。
 今は極力刺激しないように肩や腰を抱いて、胸などには触れないようにする気遣い。
 ……それが逆に、顔見知りと言う事もあって心の制動がかからなくなるかもしれないが。

「……抜け出すだけなら、貸しになるが一晩お前を外で買う動きも取れるぞ」

 仕事の腕前を信頼している相手に、敬意を見せる男。
 だが、身を委ねてしまえば、堕ちてしまえば、男は貴女の蝕まれた体を貪って”くれる”だろう。

エヴィータ >  
「―――――… なん、だ…… 仕事、なの、か……。
 おまえも、バチ、あたり、も……んの、仲間、入りかと、思っ――――― は、」

修道女を女として、雌として玩ぶために、どうにかして潜り込んだのかと、
一瞬、相手を軽蔑しかけたことを、笑い交じりに暴露する。
男が触れ方、抱き方に気を付けているのも、一応は理解していたが、

「香、……… この、香が、 は、ぁッ――――…、」

女の身にだけ害をなす香なのか、男がそういうものに耐性を持っているのか。
しかしとにかく、今の己の窮状と、差し迫った危険とを伝える間にも、
ひとりでに、びくん、びくん、とカラダが跳ねてしまう。
せめて、と両腕で己が身を抱き締めようとしたけれど、もう、僅かな身動ぎさえ、毒になる状態。

「ど、ぉでも、 ぃ、ぃ………、 ぃ、から、コル、ボ、」

『助けろ』

―――――そんな、不遜ともとれる台詞を、辛うじて。
そろそろ、考えて喋るのは限界だった。
細かいことは男に任せる、とにかく、この身を鎮めてくれ、と―――――。

コルボ > 「修道女の処女奪うなんて罰当たり出来るかよ」

 内心でごめん後ろの孔は散々開発したと懺悔しながら。
 一応、体を支える中で、貴女の手が介抱から零れ落ちて、男のズボンに当たれば、
 完全とは言わないにしても勃ち始めている。

 男が語らない、まだプライベートを知り合う仲ではない過去に薬物への耐性が潜んでいるが、
 それ以上に”目の前の発情した魅力的な女”に反応してしまっていて。

 今まさに男が飢え始めていることを、元は男であったなら意識してしまうだろうか。

「どうでもいいとは……、しゃあねえな。」

 ……正直、ここで人に聞かれながらするのも自分は構わないが、

「……一つ貸し、だからな」

 耳元で囁いて、胸を鷲掴みにする。貸しは、すぐに返してもらうのだと。

「おい、おいそこのお前。こいつは気に入ったが場所が気に食わん。
 こいつは今日は私が遣わせてもらうが構わんな」

 扉越しに不遜な物言いを演じて、予想通り慌てて入って来た神官を一瞥して、
 物憂げに金貨が入った袋をなげ放る。

「後これは貴様の取り分だ。……無為に人の後を尾行するような行いをすれば、
 貴様より上の者に書状を送る。いいな?」

 その袋を受け取って尚、何かしらの天秤を測っている神官の手に、更に数枚金貨を握らせる。

「ほら、行くぞ貴様。」

 そう言うと貴女に肩を貸し、その場を早々に立ち去ってしまうだろう。

「……もう少しの辛抱だから踏ん張れよ」

 等と言いながら、拠点にしている富裕層向けのホテルに向かうだろう。

エヴィータ >  
「……後家さん、の、修道女、なら?」

処女でなければ遠慮なく手を出すのでは、などと。
戯言を返すのも、もう、ここまでといった風情。
なにかの拍子で触れた男の下半身が、それなりの反応を示しつつあると悟れば、
知らず、己は喉を鳴らしてしまう。

「貸し、じゃ、ないだろ……、
 おまえの、……も、しっかり、キてるじゃ、―――――― ん、ぁっ!」

媚香が効いているにしろ、何かほかの理由があるにしろ、
男のほうだって、さほど余裕があるとも思えない。
ここは持ちつ持たれつ、相見互いであろうと言いかけたが、
男がいきなり胸を鷲掴みにしたものだから、一瞬で思考が弾けて飛んだ。
先刻、男の股間を掠めた方の手が、ほとんど反射的に振りあげられ、
男の腿のあたりをぺちりと叩きにゆくだろう。
股間を攻撃しなかっただけ、褒めて欲しいくらいだ。

しかし――――――交渉ごとに口を出せるほどのゆとりは無く、
連れ出して貰えるのなら、それなりの芝居で協力するのもやぶさかではない。
そんなわけで、男に腕を引っ張られ、連れ出される段には、
せいぜい、哀れっぽく表情を歪ませて、

「ぁ、あぁ、どうか、どう、か、旦那様……、
 どうか、お、慈悲を、わ、たくし、わたくし、どうか…… ぁ、はぁ、んっ…、」

強引に連れ出される、可哀想な修道女のふりである。
当然のごとく、男の交渉相手には冷たく見放されるであろうし、
男が支払った金は、十二分に効果を発揮するだろう。

余計な芝居などしたものだから、ますます追い詰められて、
宿につく頃には性的な意味で、息も絶え絶えになっていたかも知れないが、
―――――その後の顛末を知るのは、己と、己を連れだした男だけである。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からエヴィータさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からコルボさんが去りました。