2023/05/28 のログ
エヴィータ >  
―――――遊びたくないと仰っているかたに、なにも、
無理矢理遊んで頂かなくても良いのではないでしょうか。

そんな己の内心を、斟酌してくれる人物は残念ながら皆無のよう。
急ぎ足で近づいてくる修道士が、あちらの方をお部屋へ、などと言い出す前に、
くるりと踵を返し華麗な脱兎を決め―――――られれば良かったのだが。
逃げるタイミングを窺っている気配を悟られたか、いつの間にか背後には、
本当にあなた修道士ですか、と詰め寄りたくなるような、巨躯の修道士が迫ってきていた。
分厚い掌が双肩に置かれ、というよりがっちりと掴まれ、後退りたがる背中を小突くように押されて、

「え、いえ、あの、わ、わたくし、は、ですね、……いやっ、あの、本当に、っ、」

しどろもどろになりながら、最後の抵抗を試みる己だったが。
結局のところ、多勢に無勢というやつだ。
案内役を免じられた新米修道女は、燕尾服姿の男に伴われ、というより、
巨体の修道士の手で、客人のために用意された部屋へ押し込められることになる。

『くれぐれも、粗相のないように』

そんなドスの利いたひと言と共に、背後で閉まる扉。
あとには『不調法な修道女』と、それを選んだ物好きな客人が残され―――――。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からエヴィータさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からルヴィエラさんが去りました。