2023/04/18 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にオウルさんが現れました。
オウル > 滞在二日目である。
退廃と腐敗に満ちた神聖都市ヤルダバオートの大通りを歩いている。

時間的には夜、天気は星空が眩い晴れ。
月の明かりすら眩しくて、夜空を見上げては眼を細める。

さて今夜は飴玉の残りをどうするか、である。
当然ながら昨晩の内に手紙を書き終えて、皮袋も磨いてピカピカにしてそれなりになったが、ターゲットをどうすべきかで悩んでいた。

教会に孤児院にエトセトラ。
投げ込む先は幾つもあるので、その辺りは問題にならない。
なるとすれば、間違って優良顧客の息のかかった場所に投げ込んでしまわないか、否かだ。

ある程度はギルドからの事前情報で察する事はできるが、結局ドコもカシコも腐りすぎていて鼻もききやしない。
だからうかつに投げ込めないんだよね……。

ギルドとどこかの組織との抗争も面倒。
元々堕ちているところに飴を与えても効果は薄い。
ともすれば、通りかかりに押し付けてがベターだと思う。

目の前で食べてくれれば更に良し。
効果の程をメモに残せば報酬に僅かながら上乗せが期待できるから。

「だが、残念だけども……誰もいないんだなこれが。」

いないのである。
祈りの時間が良い子が寝る時間か――ああ悪い子が『寝る』時間だったか、王都や港湾都市と違って人通りが寂しくて、今夜も飴玉を持て余しそうである。

「明日には王都に帰らなくちゃならんのに……。」
と小さな声でボヤくと足を止めて、周囲を見渡してみるのだった。

オウル > 周囲を見渡してみても結果は変わらない。
稀に騎士?衛兵?表向き治安を維持する為に行動していると思われる軽装ではあるけど武装した兵士が居るくらい。
まさかそんな相手に飴玉どうぞ、何て自らの首を差し出す真似なんて出来ない。

「分の悪い賭けは嫌いじゃないんだけどさ……。
 そうじゃねぇよなぁーそうはならんよな……。」

常日頃から浮かべ続けている笑みも流石に曇る。
足を止めて、近くの外灯に背中を預けて一旦休憩。
慌てたところで結果は変わらないし?ダメでもメインの仕事は終わってるから、諦めて切り上げるのもありだ。

しかし、少しでも金は欲しい。
金は幾らあっても困らない。

――…でも、金も時間もイコールなんだよな。
無駄にしてもよい事はない、か……王都で配っちゃおうか?

時間を無駄にするよりはマシかという結論に至れば今宵の宿へと再び歩き始めるのだった。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からオウルさんが去りました。