2022/12/06 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にロブームさんが現れました。
■ロブーム > ヤルダバオートの中心から少し外れた所に、古い教会がある。
長年使われず、最早廃墟になったそこは、宗教施設特有のしんとした粛然さを保ちながらも、褪せた建材や荒れた庭の植物が、何処か物悲しげであった。
その教会の敷地の境界線である門扉の前に、男が一人立っている。
その男は、フードの付いたローブを着ていて、そしてとても太っている。
「さて、そろそろ此処に修道女が運び込まれる頃合いだな」
修道女が運び込まれる。
それを聞いた者は、何となくではあるがその不吉さを肌で感じ取るかもしれない。
つまりは、奴隷の取引だ。地下の売春組織に堕ちた修道女の内幾らかを此処に集め、そして売る。
売り先は、取引相手は知らないが――魔族の国。
「さて。とはいえ、それなりに派手に動いた。
ここらで、冒険者なりなんなりが動く事もあるだろうが……まあ」
その時は、私が相手すれば良いだけの事。
そう独り言ち、取引の時を待つ。
ご案内:「」にロブームさんが現れました。
ご案内:「」からロブームさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にロブームさんが現れました。
■ロブーム > 乾いた車軸の音が聞こえ、ロブームがそちらに顔を向ける。
そして、屈強な男が場所の中から降りて、同じく馬車の中にいた意識を失った修道女を担ぎ上げた。
ロブームはそれを見ると、やや顔を顰める。
「棺とは言わんが、箱か何かに入れて来るという訳にはいかなかったのかね。
これでは、馬車の中を見られたり、積み降ろしを見られたら簡単に事が露見するではないか」
そう言うと、屈強な男の方は、『うるせえ。どうせ誰も見ちゃいねえし、見られたから何だって言うんだ』と鬱陶しげに言い返した。
ロブームは嘆息した。バレる事自体は別に構わないが、こうまで杜撰な方法では、彼らを雇った自分の格が下がる。
事をわざと露見させる場合もあるが、その場合でも、目立たず、露出は最小限にするのが美学だ。
『業者』を選んだ配下には、後で𠮟責せねばならんなと思いつつ、
「……まあ、良い。それよりさっさと運び込み給え。
教会の客室に大きなベッドがあるから、そこに丁寧に横たえさせ給えよ」
修道女を連れてきた男は、「へえ」と言って、彼女達を運び込み始めた。
一人ずつ運ぶとして、残り二人。
運び込みの時間は十分から十五分と言った所。
魔術で運び込むという手もあるが……屋外で魔術を使い、それを見られる方がかえって厄介だ。
「(この現場を見られて露見するなどという、間抜けな事にならねばいいのだが……)」
男としては珍しくうんざりした気分で、積み降ろしの現場を眺めていた。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にクリステルさんが現れました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からロブームさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からクリステルさんが去りました。