2021/09/07 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にベルナデッタさんが現れました。
ベルナデッタ > 神聖都市に聳えるとある聖堂の入り口近く、一人の女司祭が寄りかかって本を読んでいる。
人気の神学者が著した最新の神学書を、彼女は真剣な眼差しで読んでいた。
すると、聖堂の中のほうで、騒々しい音がして、扉が開かれた。

現れたのは、異端審問庁の紋章を身に着けた神聖都市の衛兵たち。
そして、手を縛られ連行される高位の司教たち。
まぁ、すぐに元司教となるだろう。
彼らは腐敗し私欲の限りを尽くし魔族とまで繋がっていた背教者である。

「……!」

騒動に目もくれずに本に目を通していた女だったが、ふと視線に気付く。
連行される司教の一人が、慈悲を願うような泣き顔を向ける。
このまま彼らは審問所に連れていかれる。十中八九、待っているのは破門と、火刑だろう。

「…善き旅を」

顔を上げた女は、彼らを告発した異端審問官はにこりと笑って言った。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にコルボさんが現れました。
コルボ > 白昼堂々と、晒し者のように連行されていく司教達。
彼らが行く先を歩く男は、一団が近づいてくると道を開け、衛兵に頭を下げて見送る。

髪を後方にまとめ、香油で整えたそれなりに身なりの良い男は、
聖堂に近づいていくと、貴女を認め、近づいてくる。

視線は、貴女を、というより耳飾りを見据えている。

「すみません。お届け物にあがったのですが」

そう言って男はとある司祭の名を口にする。
異端審問官の諜報担当、表向きは好々爺として知られる”執行官”の名を。

「……貴女でしたら、荷物を改めていただいてもかまいませんが」

ベルナデッタ > 罪人の一団を見送ると、入れ違いに近づいてくる一人の男。
整ってはいるが見るからに聖職者ではない。
その男はベルナデッタも良く知る人物の名を口にし、届け物があると言う。

「あの方の使いですか。では、そうですね…」

ベルナデッタは本を閉じると周囲を見渡し、一つの建物を指し示す。
この街に出入りする世俗の商人や役人、旅人も利用する食堂付きの宿である。

「あちらでお話しましょうか」

そう言って、ベルナデッタはそちらへ歩いて行く。

コルボ > 「これはご丁寧に。ありがとうございます。」

 微笑む男は、これまで何人も修道女や衛兵を素通りして貴女を、審問官に接触した男は微笑んで後に連なるだろう。

「……すみませんね、非番でしょうに。」

 ぽつりと、人気がないところで少し詫びるように言葉を投げかけて。

ベルナデッタ > 「いえ、あの方からの贈り物でしたら、私の休日より価値はあるでしょうし」

ベルナデッタは目当ての宿に到着すると、1階の食堂の扉を開ける。
中にはまばらに客がいるが、聖職者と世俗の人間の話し合いの場にはよく使われているため、
ベルナデッタとコルボに疑問の目を向ける者はいない。
彼女は隅の方のテーブルに案内し、男の対面に腰掛けた。

「まずは何か頼みますか」

店員を呼び、ミルクコーヒーを注文する。