2021/05/29 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にビデラ・フォーランハルトさんが現れました。
ビデラ・フォーランハルト > この都市にも、当然貧富の差は存在する
むしろ存在しない都市などないだろう

だからこそ人は神を求め、祈りを捧げるのだから

「―――ああ、なんと、嘆かわしい。
どうぞ、このパンを、水は必要ですか?」

今日、ゾハル聖堂騎士団の従士である彼が出向いているのは
神聖都市の奥まった路地裏だ
そこには貧富の貧の側…今日食べることも苦しく、生きることに無気力な者たちが居る

(…何て、『勿体ない』)

彼らとて、同じ人間なのだ
ならば聖女の威光を知らしめ、信心を芽生えさせれば
その弱った心は依存に蕩け、手足となってくれる
何故こんな逸材たちが放置されているのか、彼にはわからない

けれど、貧民に対して施しを、という姿勢の聖女にはどれだけ敬慕の念を抱いても足りはしない
聖女の方針に従い、こうして食料を分け与えているだけでも
平民からの聖堂騎士団に対する評価は上がり、貧民からも支持を得ることができる

(いっそ聖女が王となれば安泰…。
…いや、王政などという低俗なものに聖女が縛られるなど言語道断。
ああ、聖女の威光をもっと知っていただきたいのに、わが身の力のなさが歯がゆい…!)

優しい笑顔の裏側に、狂信を抱えながら
一人、槍を装備した状態で路地裏を歩く
こういった場所でたてついてくる者も居るが…それはそれで、聖女に、同胞に仇為す不届き者が居なくなるだけだ

歩いている間も、略式ながら祈りを捧げつつ、男は歩いて施しを与えていく

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にソラムさんが現れました。