2020/11/09 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 御約束待ちです。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にヨミさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
「ほう?まあ、身体を売る事の善し悪しは此処で議論する事でも無し。
……私が王になったら?そうさな。私は別に、そういった事柄を無くなるようにはせぬ。
そういう仕事に生きがいを求める者もいるだろう。何をして対価の金を得るかは、皆自由だ。
唯…そうだな。したくもないのに、身体を売る様な者がいなくなるようには、していきたいがね。
いや、可笑しくは無いが…中々に肌を見せる装備だなと、思っただけだ」

頬を赤く染める少女の姿に、案外初心なところがあるのかなと思いつつ。
立ち上がり、自らの姿を見回す姿に可笑しそうにクスクスと笑うのだろう。

「冒険者や傭兵の世話をするのも、王侯貴族の務めというもの故な。
其処まで感謝する事も無い。高貴なる者の義務、というやつさ。
大体、屋敷に女中も執事もいるのだから別に雑事をしようと思わなくても良い。
艶事の類も……初心な貴様に、務まるかどうか不安であるしな」

少女を抱きとめて、よしよしと子犬をあやす様に頭を撫でる。
笑顔を浮かべる少女には、ちょっとだけ意地悪そうな表情と声色で揶揄いの言葉を投げかける。

さて、そんなじゃれ合いの様なやり取りの後。
静かに語られる少女の過去と、思い。
真直ぐな瞳と、儚げな笑みが、ただ静かに向けられて――投げかけられた問い掛け。

「……ヨミ。私は、貴様の過去を決して哀れまぬし、貴様の国に向ける憐憫の情も、無い。
侵略され、踏み躙られ、今は亡き貴様の国は、亡くなるべくして亡国へと至った。
貧弱な国力。荒れ果てる治安。それらを変革する事も無かった指導者達。
貴様の国が何処かは知らぬが――滅ぶべくして滅ぶ国に、かける情けなど持たぬ」

訥々と、少女に言葉を告げる。
尊大さも、傲慢さも無い。かといって、少年らしくある訳でも無い。
正しく『支配者』の地位に立つ者として、彼女に言葉を投げかけ続ける。

「奪われる事も、亡国への道を突き進む事も。全ては弱さ。唯それだけが原因であり、脆弱な国家は罪ですらある。
だからな、ヨミ。私が王になれば、此の国を新しく、強い国家に変えてやる、とだけは伝えよう。
ただそれは同時に、第二、第三の貴様の祖国を生み出す事でもある」

「弱さは罪であるが故に、私は軟弱な国家を踏み潰す。
奪われる者では無く、奪う者であり続ける。
そして、私を王と崇める者に言うのさ。
『他国の王であるよりも、此の国の農夫である方が、誇り高い事であるのだ』とな」

そして、小さく吐息を吐き出して一息つくと。
此方を見つめる少女に、少しだけ苦笑い。

「……なんて、かっこつけた事を言っても。
先ずは王様にならなきゃ、意味が無いんだけどな」

ヨミ > 「したくもないのに……か。ふふ、そっか。……ふふふっ。
 うん?……あぁっ!あはは、確かに言われて見ればそうかも~……っと」

少年の返答を聴くや、表情が緩々と綻んでいく。
緩んだ笑顔を見せたかと思えば、装束の露出に関して話を受ければ
「よっ」っと小さく声を漏らしながら、隣で柔らかなI時バランスをとってみせながら

「私ね?ギルド登録は闘士……所謂武闘家ってヤツなんだケド……。
 こういう装束って動き易くて、下手に防具で固めるより良かったりするの。
 特に股関節は大事!攻めでも受けでも要だから、この服結構機能的なんだ。凄いでしょっ」


少年へと抱きついた際、よしよしと頭を撫でられる少女はまさに尻尾を振る大きな子犬。
が、揶揄い言葉に対しては顔全体で不満を示しながら抗議の声を上げ

「……ちょっと? こらーっ! 聞き捨てならないぞー今の言葉はーっ!
 お姉さんの、この……っ、溢れんばかりの色気がわからないとはーっ!!
 それとその……最初は誰だって初心って言うでしょ!こういうのってやってみたら結構務まるものなの!多分っ!
 ま、まぁ……半分冗談なんだけどねっ? 只、ほら、お礼は何某かの形でしたいと言うか……なんかムズムズするし……」

どう見ても外見的には少年より年上である筈なのだが、
内面的には少年の方が幾分も成熟している様で、端から見れば
大きな妹と小さな兄といった様子にすら見えるかもしれない一幕だった。


「――――………………」

――哀れも、情けも、憐憫も無いと。只々"現実"として受け容れ、認める言葉を聴いた。
弱さは罪であり、弱さこそが禍の根であり、覆す為、奪う為、必要なものの提示を聴いた。

「ふ……ふふっ、ふふふっ。あはははは……っ!
 ――他国の王であるよりも、此の国の納付である方が誇り高い……かぁ!」

一通りの少年の言葉を復唱する様に小さく唱えた後、
少女はその笑顔を高らかなものに変えて、明るく、微かに抱腹しながら

「それ、すっごく良い国かも!そっかそっか、キミはそんな事考える子なんだ。うん、うんうん……それなら……うん!
 ――……前言撤回!やっぱり私、キミに雇って貰うのは止めておくっ」

楽しげに笑いながら両手を腰に当て、上体をぐっと少年に寄せてその目を見つめると、首を傾げ――

「キミとは……主従になるより、もっと違う目線で一緒に居た方が楽しそう!
 だから、私はキミと……お友達になりたいなっ。ねぇ、良いかな――?」

ギュンター・ホーレルヴァッハ >  
「…何かおかしなことを言ったかね。別に、貴様を喜ばせる様な事は言っていないつもりだが…」

表情を綻ばせる少女に、小さく首を傾げた後。
見事なI字バランスを披露する姿には、思わず感嘆の表情。

「ほう、見事なものだな。それに…成程、武闘家か。
であれば、確かに重騎士の様な防具は逆に動きを阻害するしな。効率的、ということか。
……とはいえ、やはりもう少し露出度を下げられないのかとは思わなくも無いが」

綺麗に掲げられた足。
座ってそれを眺めていれば、視線の先に映るのは…まあ、少女のあられもない部分である。
少しだけ苦笑した後、肩を竦めてみせようか。



そんな一幕の後。大人しく頭を撫でられている少女から零れる抗議の声。
しかしそれに応えるのは、何処吹く風か、と言わんばかりの余裕めいた笑み。

「溢れんばかりの…色気…?溢れすぎて空になってしまったのではないかね。
まあ、誰しも最初は初心である事は認めよう。しかし、それを貴様が言えば、先程の色気云々は貴様が初心であるという証左によって否定される事になるとは思うが。
……別に、気にする事は無い。それに、それで本当に私に褥の中で一夜抱かれる事になったらどうするのだね。
緊張で身を強張らせる貴様が目に浮かぶが」

なんて。揶揄う様な声色の儘楽しそうに笑う。
言葉こそ偉ぶった、大仰なものであっても、その表情は年相応に解れていたり。本人は全く気付いていないのだが。



「……良い国になるかどうかは、実際に私が治めてみなければ分からぬさ。
しかし、私は必ず臣民に誇りを抱かせてみせる。その為に、強力で強大な指導者となってみせる。
畏れられ、平伏され、敬われる。世の為ではなく、私の為でもなく。誇りある国家の指導者として、君臨してみせよう」

そして、主従の関係を否定した彼女に、ほう?と言わんばかりの視線を向けて。
上体を寄せる少女の瞳を、静かに見つめ返す。
彼女の望みは、希望とは。一体何処にあるのかと見定める様に――

「……く、ハハハハハ!友達、友達か!
笑わせるものだ。このギュンター・メルヒオール・フォン・ホーレルヴァッハと!ホーレルヴァッハ家の次期当主である此の私と!友達になりたい、とはな」

笑う。ただ、笑う。
それは、別に彼女の言葉を馬鹿にしている訳でもなければ、否定の意を込めたものでもない。
本当に、唯面白い事を聞いたと言う様に、笑う。
先程は告げなかった己の家名すら告げた上で、笑う。

「……構わない。構わないとも。
精々見定めると良い。私が、ヨミの友人足り得る男かどうか。
損得も何も無い"友達"としての目線で、私を見定め、共に過ごし、私が目指す世界を、眺めていると良いさ」

ひとしきり、可笑しそうに笑った後。
ふわり、と。己のコンプレックスである少女めいた顔立ちで、嫋やかに笑う。
それは、友人を歓迎する様な笑みでもあり、ヒトを惑わす悪魔の様でもあり――穏やかな、少年と少女の狭間めいた笑みでもあった。

ヨミ > 「えぇっ!? そうだったの? それ……凄い事だと思うなぁっ。
 その気が無いのに喜ばせられちゃうなんて、かなりの才能だよ!ふふふっ」

首を傾げる所作を見れば、こちらもこちらで感嘆の声を吐息を漏らす。
そちらの感嘆の表情を見下ろすと、「むふー」と得意気な笑みを浮かべて

「うんうんっ。柔能く剛を制す……ってね。故郷の言葉なんだけどっ。
 …………っ、…………そ、そう?ゃ、今のはなんて言うか、私が悪かった、って言うか……ぅ、うぅ……」

得意気だったのも束の間。少年が眺める視線の先と、肩を竦める様が視界に入ると
風よりも早く居住まいを正して再び椅子に掛け、非常~に気まずそうな赤面を見せた。



余裕めいた笑みから少年が紡ぎ出す言葉は、
悲しいかな。ぐうの音も出ない程に至極真っ当で――

「なるほ……、……んなっ!だっ、ぁっ、ばっ、う、ぅぐ……っっッ!
 なんでキミはそう、次々と口から痛い言葉がもう次々次々とぉぉ~っっ!!
 ふ、ふんっ。どうしてキミがそんなに私の色気の所在を疑うのか全然まったくわからないけど、
 いざその、ぃ、いざ、だ、抱かっ、えぇと……そういう事になったら!
 絶対私の魅力に夢中になっちゃう事間違いなしだからっ。絶対そうなるからっ!
 キミはまだ知らないと思うけど、私、凄いから! 色々ともう、すっごいんだからね!」

思わず「なるほど」と納得しかけてしまう所を
風前の灯程度のプライドで踏み止まりながらも抗議の言葉すら浮かばず。
売り言葉に買い言葉で子供の様に否定の言葉を返すので精一杯な少女は
怒髪天を突く勢いを醸し出しつつも尚、少年に抱きついたまま。
漸く年相応な顔を見せてくれた少年の顔を、穏やかな瞳で見つめていた。



「――……あはははっ。ね、絶対その方が楽しそうだと思わない?
 老若男女色んな家臣を持つ王様でも、平民以下の暗部崩れと友達って中々無いと思うんだぁ。
 キミにとってもきっと楽しいこと、新しいこと、沢山増えるんじゃないかなって、オススメの提案っ」

声を上げて笑うその様を、こちらもまるで子供の様な笑みで以て見つめると、
先程差し出したのとは逆の手で、少年へと握手を求めながら――

「――はいっ!じゃあ、今から私とキミは友達っ。
 私にとってのキミも友達、キミにとっての私も友達、良い?
 …………あと、キミはいっつもそういう顔してた方が良いと思う!
 その顔なんだか、こう……すっごく、ドキドキする!なんて言うか、こう……こう、……凄い……
 ぞわぞわーって言うか、無性にこう、ぎゅーっとしたくなると言うか……っ」

もう片手をワキワキと開閉させる動きを繰り返しながら、
胸に灯った言葉に出来ない想いをジェスチャーで伝えようとする直情娘。
――本当は。可愛い、愛らしい、蠱惑的、なんかちょっとエッチ、だとか。
そんな言葉も脳裏に浮かんでこそ居たのだが。拗ねた顔に戻ってしまうのがとても惜しくて、言えなかった。