2020/09/29 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にフォルネさんが現れました。
■フォルネ > 「ん〜……どこで落としたのかな……」
ヤルダオバードの大通りから外れた横道をキョロキョロしながら歩く少女が一人。
視線を地面に向けつつも他者とすれ違う時にはしっかりと避けてぶつかることはしないという器用な面を見せつつも探し物を続けている。
「多分この辺りだと思うんだけど……うーん……誰かに拾われたとか……でもあれはそんなに高くないしなぁ……」
探し物が見つからず、壁にもたれかかりながら自身の記憶を独り言とともに探る。
目を瞑って唸りながら考え込んではアホ毛がぴょこんと揺れて必死さを打ち消してしまっている。
ただ、自分がヤルダオバードの中でも治安が悪い地域にいるにも関わらず、探し物に夢中になっているのかそのことに気付いている様子はない。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にエキドナさんが現れました。
■エキドナ > 治安の悪いところ、この女の姿あり。
そんな噂でも流れてそうなくらい、危険な場所が好きだったりするこの女。
と言っても今回はお仕事、ちょっとした出張サービスの帰り道。
滅多に来ることのない神聖都市の、色々な地下活動を体験していこうかとか、そんなことを考えていた。
そんな中視線に入る、一際可愛らしい女の子の姿。
「ねぇねぇ、かわい子ちゃん、こんなアブナイトコで何してるの?」
この都市の裏で行われていることよりよっぽど興味をそそられる彼女に、にまにまと微笑みながら早々に声をかける女。
コテコテのナンパみたいなセリフをかましながら、何やらぼーっとしているような、あるいは考え事をしているのだろうか。
■フォルネ > 「あら……?」
思索に耽っていたところで声をかけられればすぐに顔を上げて其方へと視線を向けるとこんな場所には似つかわしくない綺麗な女性。
少し驚きつつもかけられた言葉に軽く笑えば、
「かわい子なんて急に驚きますね。危ないところ……という点で言えば貴女にも聞きたいところですけど……ええ、私は少し探し物を。これくらいの板見ませんでしたか?」
と言って自分の人差し指と親指を開いたくらい、と大きさを示して尋ねて。
もっともこのような場所にいて、かついきなり声をかけてきたとあればいくら相手が美しかろうと警戒はさりげなくしていた。
■エキドナ > 「や~、お嬢さんだとクドいじゃない?…あ~私?私はま~こういうトコ平気なだけよ」
彼女の言う通り、二人そろってこんなところにいては危なそうな感じである。
それにしては努めて冷静そうな彼女だし、声を掛けてきた女も気にした様子なく。
「探し物?うーん…どんな感じのやつ?
大事なモンなら一緒に探すよ!」
彼女が探し物をしており、小さめの板と聞いてもピンとこないようで、具体的な品の説明を求める。
ほのかに警戒する彼女に対し、全くと言っていいほど警戒心皆無の褐色女は、人差し指をぴんと立ててウィンクしてみせた。
■フォルネ > 「少し大仰ですものね、いきなりそんなこと言われたら笑ってしまうかも。なるほど…」
言葉の通りに口元を緩めて手で隠せば見た目よりは大人びて見えるかもしれない。
彼女の格好や飄々としている様子から自分と似たようなものかな? と判断してそれ以上追求することをやめる。
「私にとっては大切……というだけで他の人からすれば価値はないんですけれどね。
白く染められた板に私の名前が彫ってあるので見た目は目立つからすぐに見つかると思ったんですけど……親から貰ったものなので探していて……」
裏表なさそうな態度にこの人になら話しても大丈夫だろうと判断する。もっともフォルネ自身が言うように価値はないものではある。
手の仕草で板の大きさや見た目を伝えて見たことありますか? と尋ねるように首を傾げてみせて。
■エキドナ > 「ちょっとちょっと、結構大事なものじゃん。
えーと白い板に名前が入ってるのね…じゃーちょっと探してみよっか!」
失せ物の説明を始める彼女、価値はないと言うもその内容は聞いてる側からしたらヘビーな感じがすごくて。
つまるところ大事なものということらしいので、冷静なツッコミを入れつつ探してみようという話になった。
結局のところものの数分で落ちていたのを見つけた女が「コレじゃない?」と言って戻ってきて万事解決したのかどうか。
そうであるならば彼女の名前を知ることになったため自身の名前も名乗ったであろう。
「エキドナ」と名乗った快活な女は、にししとした笑顔で小さな板を彼女に差し出した。
■フォルネ > 「私にとっては…ええ、大事なものですね。
まぁ……いいのですか?」
事情を説明するとすんなりと共に探してくれることになり、驚きつつも好意は素直に受け入れた。
一人から二人に増えたことで視野が広まったのか、はたまた彼女に見覚えがあったからなのかあっさりと見つかったそれをフォルネが確認するとまさしく探していたもので。「ありがとうございます」と笑顔でお礼を言うフォルネの表情は心からの笑顔と感謝を浮かべた。
その笑顔のまま差し出された板を受け取ればぺこりと頭を下げてお礼を告げる。