2020/07/21 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にビデラ・フォーランハルトさんが現れました。
ビデラ・フォーランハルト > 「任務も順調に終了…。これも全て、主と聖女の力の賜物です」

日もとっぷりと暮れる時間。
近くの農村へ運ぶ荷物の護衛依頼を終え、聖堂に帰ってきた騎士が…旅の無事と任務の終了を神像に報告している。
任務の難易度としては取るに足らない、下級の魔物が時折出てくる程度の護衛だったが。
どんな任務でも、それを達成することで喜ぶ教徒や、教徒未満の者が居るのだ。

そうであれば聖女とこの教会の名を広める為に、手を抜くなどあり得ない。
何事もなく無事だったのも…実力ではあるが、彼は主と聖女の加護のおかげだと信じていて。

そして、一番下級の従士である彼に休みはほとんどない。
今日もまた迷える民を導き、『塩粒』を渡し、神の教えと聖女の偉大さを説くのだ。
流石に、任務を終えたばかりだからか外回りではないが。

この時間でも、聖堂は迷えるものを善悪問わず受け入れる
もしかするとそれ以外の闖入者もあるかもしれないが。


「…さて、今日も主の教えを説きましょうか」

そう言ったはいいが、今の仕事は『待機し、誰かが来ればその人物に合った対応をする』だ。
しっかりと身なりを整え、優しい笑顔を浮かべながら。
聖堂の門を叩くものを待とう。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にフィリさんが現れました。
フィリ > とん、と。
その背中へ触れて来る物が有る。
より正確に言えば、彼の背中下半分辺りへ、抱き付いてくる者が居る。

随分と前に、同じこの聖堂で、少しだけ相談事を受けたであろう少女。
何処から入って来たのかと言われると。きっと当人にも答えられない。
「来たい」と願った、それが、勝手に形になってしまったような物…例えば。
聖堂の入口から、この部屋まで、空間を跳び越えてしまっただとか。そういう現象の果てなのだから。

「――判り、ます、こぅして触れれば――ぁの時の、騎士様、だと。
…ご無沙汰して、ぉります――――」

(そうして。背中越しの声。声質は、きっと変わらないだろう。
だが、少しだけ。あの時の曖昧模糊な物言いが。ほんの少しだけ…大人びて。

ビデラ・フォーランハルト > 彼とて一端の騎士である。
ある程度の戦闘経験はあるし、気配を感じると言ったような技能はある。
が、しかし、それらを潜り抜けて…少女は騎士の背中を取ることができる。

「―――――――!、……?、…貴女は…」

一瞬、警戒を見せる騎士。
背を刺されたか、いや痛みはない。
何か薬を注入されたか。そんな様子もない。

状況を把握するため、視線を後ろに少し回せば。
そこには見知った姿がある。
どうやって自分の後ろに回ったのかはわからないが…以前に話した…人ならざる少女だ。
すぐに警戒を解き、一つ、息を吐いてから…優しげな声と表情を見せる。

「いいえ。我らゾハル聖堂騎士団は生きとし生けるもの全てを愛すもの。
時間が経ったからと言って、それが消えることはありません。ただ…」

優しく少女の手を取って。
くるりと自分の身体を反転させ、向き合おうと。

「またお会いできて喜ばしく思います。少し肝が冷えましたが…存外、悪戯好きなのですね。
それにしても…何か、良いことでもありましたか?」

向き合えればまた…以前、奥の部屋に案内した時と同じように膝をついて視線を合わせて笑顔で話しかけ。
少し変化した…はっきりとした物言いに僅か、首を傾げる。

フィリ > 如何なる手段を以てであろうと、それが移動であったのなら。
きっと、騎士であるかの人物は、気取れたのだろうと思う。
ただ今回ばかりは特殊も特殊。人ならざるモノが、人には有り得ない形で、位置を書き換えてしまったような物。
それでは誰にも、彼を責める事は出来無いだろう。

直ぐに。肩越しにこちらへ振り返ったのだろう。頭上から届くかの人の声。
以前と同じく優しげな。心地良い声音である事に。
一瞬びくりと竦んだ少女の身体が。また落ち着いたように弛緩する。
そうして、手を取られたのならば。向き合う形となってから、始めの暫くは。顔を上げる事もなく。

「――申し訳、御座ぃません。思ぃは、如何なる障害をも、跳び越ぇる――と。物の本にぁった…と、思われますが。
実践してしまぅつもりは、なかったの――です。はい。
…そぅですね。もぅ一度、この街に来る機会が、御座ぃましたので。…ぉ約束、果たせましたら、と………」

そこで。言葉を区切る。取られた手に。ぎゅ、と。力を籠めるのは。微かな身震いを隠す為。
――何故なら。

「――…本当は。きちんと順番、守るべきと。存じて…ぉります。けど。
その、ぉ約束、しました通り……ちゃんと。事前にぃただぃたのです――お薬を。
…そうしたら…そし、たら、――ぁ…の、私は…」

やっと顔を上げてみせた。そうすれば直ぐに判る筈…彼なら、特に。
少女の瞳が艶に濡れている。緊張とはまた違う、呼吸の乱れと。握られた手の体温の高さ。
どれもが、彼等の配る「塩粒」の、効果を現している事が。

ビデラ・フォーランハルト > どのような事情があろうと、背後を取られたのは事実。
これが聖女であるなら感知していただろうが。

「ふむ………。ああ、怒っているわけではないのです。
少し驚いただけですから…大丈夫ですよ。貴女はとても良い力を持っているのですね」

まずは穏やかに補足を。
声音からも、態度からも怒りは全く滲み出ておらず。
顔を上げることもないのなら、その髪を優しく撫でよう

「………ああ、その表情。主からの寵愛を受けられたのですね。
…恥じることはありません、抑えることもありません。全ては導きなのですから…
新たに導きを得た、貴女の名前を伺っても?」

ようやく上げられた顔。見知ったその表情に騎士も頬を緩める。
髪を撫でていた手はゆっくりと少女の頬へと滑り、今度は首筋を撫ぜていく。
指を伸ばせば、少女のワンピースから覗く鎖骨を優しくなぞって。

「約束は勿論、違えることはありません。
丁度、少し戦いを終えたところです。…私の助けとなっていただけますか?」

くすりと、柔らかに笑う騎士。
以前にした説明では自我を保つため、と少女に告げていた。
敢えて、助けを請うことで。
少女の欲求を再び肯定する。
『塩粒』を摂取したその状態は、何も間違っていない…人のためになる状態なのだと。

フィリ > 「――その様にぉっしゃって、くださるのは。…肉親と、ぁなた様だけ――です。騎士、様。」

また、ほぅ、と。吐息の中に緩やかな安堵が混じる。
制御不能のその力を、肯定してくれる存在は。実際に数少なく――それこそが。
前回少女が身の在り方に思い悩み、聖堂の門を叩いた原因の筈。
身近すぎない所に。明確な第三者の中に。それでも認めてくれる存在が居る…と、思えばこそ。
不相応な女を浮かべた瞳の中には、同時に、幼子が縋り付くような気配もまた。残されており。

「――――あ、い。…神様に。…私が愛して、ぃただける――とは。想定してぉりません、でした…
っ、っん。…ん、は――ですが、そ…ぅ、だとしましたら、っ、ん…これは、もしかして…」

戸惑うのも当然。しかし彼は言う。目に見えない神様の、けれど、それが愛されている証なのだと。
…情に餓え、愛に酔う、ついでに色に惚ける少女にとっては。それもまた、我が身を肯定されたような物。
そもそも。愛情とは気持ちの良い物なのだと思うから。
例え相手が神様なのだとしても。頬から首筋、更に下へと降りていく指先に、心地良さを覚えるのは。
紛れもなく「愛」故なのだ、そう思えてしまうなら。

「――…勿論、です、私も…きちんと。ぉ勤めしなければと、ぉ…もって…
――フィリ、です。私の名前は。……ぁの。さしでがましぃとは思われます、が――」

彼の。…以前助けてくれた人への、助けを返す事となる。それもまた少女を肯定してくれる事実。
少しだけ、今度は困惑でも安堵でもなく。明確な深呼吸として、深く息を吐き、吸って…また吐いて。
ふつ、ふつと。自らの手で、衿から順繰りに釦を外し始めつつ。

「――大丈夫なら。…騎士様にも、教ぇてぃただきたぃの…です。
ぉ赦しぃただけますか?――そのぉ名前を、呼ばせてぃただく…のを……」

ビデラ・フォーランハルト > 良い力、というのは。
もちろん…聖堂騎士団にとってという枕詞が付く。
相手の先程の言葉から制御は完全ではないようだが。
彼女を自分に心酔させるのは、より騎士団の助けとなる。

そのためなら彼は、いくらでも笑い、彼女の望む言葉を吐き出そう。

「貴女…フィリは、今までよく『生きる』という試練を耐えました。
今、フィリが抱いている感情はその祝福ですよ。…貴女が、一時でも痛みを忘れられるようにと」

劣情に蕩ける少女の身体を…しかし、力強く奪ったりはしない。
少女にとってこの出来事を夢以上に心地よい経験とし、虜とする。
そうすることで次なる段階へと進めるだろうと。

「ああ、その前に。暖かくなったとはいえ、ここでは身体が冷えてしまいます。
奥に…私たちが使う『そういった』部屋がありますから、務めはそこでゆっくりと。
それに、今回の務めは…フィリが言ってくださったように、二人きりで。そういう約束でしたね?」

そう言えば、釦を外し始めている少女の膝裏と背中を自身の腕で支え。
物語の騎士と姫のような格好で抱きかかえれば。
甘い言葉を囁きながら…今回は秘密の、二人だけの務めである、という特別感を強めていこう。

「それと…ビデラ・フォーランハルト。私の洗礼名です。ビデラ、で構いませんよ。フィリ」

部屋に向かう途中、抱いたまま自分の名前を告げ…呼んでも構わないことも告げていく。

向かうのは、以前とは違う部屋。
広さは…王都の平民地区にある宿屋程度か。
高級とまではいかないが上質な寝台と鏡、小さな棚がいくつか並べられた部屋だ。
そこに、少女を優しく下ろし。

「こうなると…鎧は少し無粋ですね。……。……、…フィリも、脱がせてあげましょう」

少女が望むのは…騎士が見るところ、まずは甘い恋人のような交わりなのだろう。
それを察すれば、軽鎧の留め具を外し。
股間を覆う下着と、軽鎧の下に着ていた肌着のみとなっていこう。
そうなれば、次は少女の釦に手をかけ。
静止されなければそれこそ、恋人同士のようにゆっくりとそれを外し…少女の身体を露にしていこう