2020/06/28 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にアマンダさんが現れました。
アマンダ > 『此方で御待ち下さい、御嬢様』

そんな言葉を残し、乳母が出て行ってから、もう半時は経ったように思う。
寂れ朽ちかけた礼拝堂の片隅、引っ繰り返って転がる長椅子の陰に、
膝を抱え蹲って震えながら、泣き濡れた眼差しはただ、乳母が出て行った扉の方を凝視していた。

「どうしたの、何を、しているの……何処まで、行ったの」

呟く声も掠れ、震えて、啜り泣くように息遣いも乱れる。
―――そうして、更にか細く、消え入りそうな声で。

「………戻って、くる、の よね………?」

其の危惧を口にすることが、何よりも恐ろしかった。
王都を離れたと言っても、追っ手が此処を突き止めない保証など、何処にも無いのだ。
乳母が戻って来るより早く、追っ手が現れたなら。
其れとも乳母が、何処かで捕えられてしまっていたら。
―――――其れ以上に恐ろしい想像をすることは、脆弱な精神が拒否していた。

アマンダ > 不安と恐怖に苛まれる夜は、未だ終わる気配が無い。
見つめる扉を次に開く者は乳母なのか、其れとも――――――。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からアマンダさんが去りました。