2020/04/06 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 地下道」にガリアさんが現れました。
ガリア > (――整備されて居るとは言え、光の入らぬ道は独特な湿気を籠らせる。
上水道が近くを通って居るのならば、猶更だろう
決して小さいとは言えぬ都市から、出る為の地下道と言うなら
直線とは言え、長い距離と為る事は間違い無い

――そうして、女が暫く歩いた頃。 きっと、違和感を覚える筈だ。
一方通行であった筈の通路の左右に、幾つもの扉が散見される様になる
否、通路自体は一本だけであるから、一方通行、と言うのは間違っていないが
扉を見ただけでは、其れが何の部屋なのかも判らぬ場所が続き
或いは、事前に噂として得て居た女の知識に、信憑性すら持たせそうな。)

「―――――………。」

(そうして――其の、途中で。
通路の向こう、明かりなぞ灯さぬ中で、何かの気配、と、共に
薄暗闇に浮かんだのは、金色の――何かの、瞳。

そして、其の一対の瞳が、女の姿を捕らえた瞬間、ぱちりと瞬きをして。)

「―――――……」

(――ゆっくりと、周囲を見回してから
女へと、静かに手招きをするのが、見える筈で)。

ジナイア > 暫く退屈なまま、かび臭い闇の中をカンテラの灯りを頼りに進む。
頭の中で駱駝の数でも数えようとし始めたころ、漸く―――といってもいい、景色に変化が訪れる。

「―――……?」

並ぶ扉に訝しげな視線を向けるが、照らしてしげしげと見たりはしない。
目下、懐かしい太陽を求めて歩調を緩めずにいる、と
闇の中、茫洋と気配が近付く、いや、歩みを自分止めないから近づいていく。
相手に殺気など感じられなければ、ただこちらの足音は消して――――そして

「――――…キミ、は」

浮かんだ金の、その見覚え有る色に歩みが止まる。
零れた言葉は、上水道の水音でかき消されるに十分なほど。
闇を見透かす彼からは、灰色のフードから覗く熟れた唇の両端が上がるのが見えただろう。

女は手にしたカンテラの灯りをごく小さく絞ると、招かれるまま足音を忍ばせ
とはいえ若干の気安さを以て、彼へと近付いていくだろう…

ガリア > (以前の様な、唯々実用性と動き易さの最適解の服装とは違い
今宵身に纏って居るのは、其れなりに確りとした作りの、服
其の胸元には騎士の紋章が刻印されて居る故に、見れば、其の立場なぞ直ぐに判る物
其れでも王都に居る一般的な騎士の其れとは違い
矢張り、随分と動き易そうな見目では有る。 外套や音を立てそうな革靴では無い辺りが、特に。

そんな姿で――音を顰め乍ら、女の姿を認めれば
相手が近くへと、距離を縮めた辺りで漸く、声を発する筈だ。)

「―――――……見つかると、メンドイ。」

(其れは、端的に己の置かれた今の状況を表す物。
此れが街中で在れば、気安い挨拶でも交わすべき所なのだが
少々うんざりしたような表情で、女へと向き直れば
其の背後、通路の先へと一度視線を投げて。)

「―――此処に来るまで、誰か見たか?」

(ひとつ、問いかけてみよう。
その質問の時点で、少なくとも今回問題になって居るのは、その、『誰か』で在ると知れる筈だ
傍でなければ、聞こえない位の声音で、其れこそ――戦場での情報交換めいて)。

ジナイア > 彼の、今まで見た中では一番上等そうな服装を薄灯りの元でちらりと眺めて
問われた言葉には少し首を傾げて、翠をゆっくりと瞬かせた。
その一瞬の間のあと、その熟れた唇が彼の耳元へと近付き、言葉を紡ぐ。

「――いや、誰にも。足音にも、行き会わなかったな……」

つまりは彼と、女が辿ってきた道のりの合間にはその『誰か』いないようだ、と

「キミが、この地下道で会った最初の人物だよ
 ―――熱を上げた女にでも、追われているのか?」

多少の緊張感はあるものの、生命の危機めいたものではない、気がしている。
くすくすと揶揄する吐息で空気を震わせて、耳元から離れる。

ガリア > 「こんなトコにまで追いかけて来る女が居るかよ…。」

(耳元への声に、見当違いも甚だしいぞ、とか、片掌をパタパタ振りつつ否定
けれど、此処までの間に誰も居なかったと聞けば、少しばかり考え込む所作を見せる。
女が此処まで歩んできた道の途中にも、幾つかの扉は存在して居た筈
故に、必ずしも無人で在ったと確信するには至らない、が。)

「――――……や、つい、『仕事』と関係無いトコで、ヤバそうなモノ見ちまってよ。
流石に顔まではバレて無ぇだろうが…こんなトコで見つかったら、状況証拠で俺って解っちまうだろ。」

(――別に、対応出来ない訳では無い――戦闘、と言う意味で在ればだが。
だが、問題は、今己がこの服を着て居ると言う事である。
騎士と言う肩書を携えている以上、問題が起これば其の儘国同士のいざこざに成りかねない
そういう訳で、こんな所でひっそりして居たのだと、そう伝えては
がさり、と、後頭部を掻きつつ、女へと再び視線向けては

――少しばかり、何と言うべきか迷った挙句に。)

「――――なもんで、かくれんぼ中な訳だ。
……つきあうか?」

(こんな所で、出くわして仕舞ったが運の付き、である。
思い切り巻き込みながら、困った様に肩を竦めては
ともあれ目的と進路は同じ、街の外へ向けて、だ)。

ジナイア > 「いや、キミのことだ、修道女とか……意外と執念…情が深そうじゃないか?」

言い返された言葉に、また多少顔を寄せて軽口を返す。
続いて語られた事情のようなものにまた、反対側へ首を傾げて見せて
熟れた唇からは、ふむ、と言う様に吐息が零れる。

「…何だったら、私の服と交換するか?上着だけでも。
 私なら、たとえ相手が王都の騎士団にに問い合わせても、見つからないはずだしな」

そういって早マントの下で上着を脱ぐ仕草をしながら
つきあうか、の言葉にはまた唇の端を上げて「面白そうだ」と呟きを返して見せる。

「只逃げるだけでは興がないな―――…何か、賭けるか?
 無事出られたら、お互いに食事を奢る、とか」

そうなれば、とばかり
女は彼をすり抜けて行くように先へと歩みを進めていくだろう。
彼が、何を見て、誰に追われているのかは、今は聞かない

ガリア > 「あのな…、……誰彼構わず手ぇ出してる訳じゃねぇんだぞ。」

(僅かに、女の軽口へと、むっとした表情向けつつ。
其の上着を脱ごうとする様子には、ゆるりと首を振って留めよう
其れよりも、女の後に着いて先へと進みながら、其の背中を見遣っては
やれやれ、と小さく溜息を零し。)

「―――……俺は、服の方を自分で改造しちまってるから、割とバレそう。
てか、俺が人に服を着せてるってのがバレたら、今度は騎士団の方からどやされるぜ…。」

(ただでさえ、今は少々立場が宜しく無いのだ
正式に軍兵として復帰したばかりで、変な事は起こせないと
げんなりしながら事情を告げては――女の隣へと、追い付こう。
かくれんぼとは言え、一本道でしか無い通路では
己が負ける時は、同時に女も負けるという事
果たして賭けになって居るのか、なぞと思いもしたが
まぁ――悪い話ではない。)

「――――其の時は、御疲れさん会だ。
俺も美味い飯と酒が飲みたい気分だしよ…。」

(――深く、事情を聞かれない事は、今は有難く。
暫くの間は、今までと同じように平穏な道が続くだろう。
だが、其の間に、扉の間隔は少しずつ狭まり、数を増やして
まるで――其れなりの広さの部屋と、小さな部屋とが、乱立して居る様な印象を与えるだろう)。

ジナイア > そうなのか?としれっと肩越しに返して

「大変だな、宮仕えも…
 相変わらず真面目なキミも、大概だけれども」

くすくすとまた空気を震わせながらも、歩調は緩めることなく、湿った空気の中を彼と二人、進んで行く。
賭けか、無事を言祝ぐ会になるか
兎も角提案が受け入れられたようなら軽く翠を細めて頷きを返して
暫くは互いの衣擦れの音と息遣いと、上水道の音だけが二人の耳を支配する。

――――やがて、扉の間隔が奇妙にまちまちになってくる。
いや、部屋の部屋たる用途を考えるのならば、一つ所に同じ大きさの方が奇妙でもあるわけだけれども。
女はフードの奥からそれを横目にしながら、不図彼へと呟きにも似た問いを投げる。

「―――まあ、地下道に設えられた部屋など碌な用途ではないとは思うのだけど
 キミ、何か知らないか?」

真実を知りたいわけではない。只、『神聖都市』などと冠された都市に設えられた、いかにもな秘密の部屋の
都市伝説的な噂話でも知らないか、と 軽口に近い口調で、問いを。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 地下道」からジナイアさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 地下道」からガリアさんが去りました。