2020/03/16 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「……それで。態々こんな場所に呼びつけたかと思えば、また金の無心か。そんなに黄金が欲しければ、得意の神頼みでもすれば良いのではないのかね」

神を祭る神聖都市の地下。其処は清廉という言葉を逆さまにした後炭で煮詰めた様な背徳の歓楽街。
無垢な少年少女。無理矢理連れられたシスター。果てはどこぞの奴隷まで。高位の聖職者である事を示す衣服に身を包んだ男達がその躰を貪る様を眺めながら、呆れた様に溜息を吐き出した。

「まあ、それでも支援するのは吝かでは無い。というよりも、ノーシスの権威が落ちるのはホーレルヴァッハとしても得策ではない。取り敢えず、必要な分は用立ててやる。書類を回しておけ」

へりくだり、此方を伺う様な視線を向ける司祭をうっとおしそうに手で振り払いつつ、それでも彼等の望みは叶えてやると言葉を吐き出す。
それを聞いた司祭は安堵の色を隠そうともせず感謝の言葉を述べると、後はごゆるりと御自由にお過ごし下さい、とそそくさ立ち去っていった。
大方、上司への報告と此方へ回す"請求書"の準備に走り回るのだろうが――

「……態々地下に呼びつける辺り、連中も分かりやすいと言えば分かりやすいが」

狂乱の宴が繰り広げられるホールを見下ろせる貴賓席。そんな所で後はごゆっくり、と言われてもと思うところはある。
取り敢えず用意された葡萄酒で喉を潤しつつ、幾分酒精の交じった溜息を吐き出すばかり。