2020/02/17 のログ
■プリシラ > ――――――祈りの時間は、未だ続く。
ロッドの穢れは祓われるだろうが、別の穢れを孕みそうな。
そんなひと時が果てるのは、今暫く後になるものと――――――。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からプリシラさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にソーニャさんが現れました。
■ソーニャ > 人間の信仰心というものは、どうにも不可解である。
名だたる王侯貴族の寄進によって建立されたという、豪奢な大聖堂。
高い円天井を彩るフレスコ画、ステンドグラスを通して降り注ぐ柔らかな陽光。
けれどこの場所には、暗く澱んだ空気が幾重にも蟠っているように感じるのだ。
「聖堂、っていうからには、キヨラカな場所だとばかり思ってたけど。
……結局、人間の言うキヨラカさ、なんてこんなものかしらね」
独り言ちる声は小さく、己の立ち位置は入口扉に程近い最後列右端。
祭壇に程近い前方の席に陣取る数人の人々に、その声は届かないだろう。
もしも届いたところで、知ったことでは無いけれども。
「そもそも、あたしみたいなのが入れるってだけで、タカが知れてるわよね」
多少、呼吸のし難さを感じはするが、それだけである。
神聖都市などといったところで、結局はこの程度か、と肩を竦めた。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にルヴィエラさんが現れました。
■ルヴィエラ > 「何を以て神聖と崇めるか…
其れこそ「人それぞれ」と言う物では無いかな?」
(ふと――小さく声が響くだろう
聖堂の扉が開いた気配は無く、元から中に居た様にも
けれど其の声は、新しく入って来たばかりの少女の
其の背後から、彼女にだけ届く様に、響くのだ。)
「だが、其れでも信仰の象徴としての役割は果たしている
例え本来の、其の形が歪められたとしても、今も尚、ね。」
(もし、この場に信仰厚き人間がいたら、激高しそうな台詞
まるで、可笑しむように、僅か笑む気配を乗せながら
彼女の隣へと、現れるのは――まるで信仰とは程遠そうな、男)。
■ソーニャ > ―――その【声】が聞こえた瞬間。
悪寒が走った、と感じたのは、首筋が、背中が、それらしくざわめいた所為か。
振り返って、濁りの無い金色が、その男の姿を捉える。
瞬きを一度、二度、――――三度目に、またしても身体が大きく震えた。
「……歪められて、汚れ果てて、醜悪な怪物になってしまっても?
それでも、信じる価値はあるかしら。
………それは、信じている、と呼べるかしら?」
特に声を張り上げはしない、己の声もきっと、この男にしか聞こえない筈だ。
その男がいつ、どのように姿を現したのか、敢えて問うことはしない。
何故なら、――――瞬時に、それだけは理解したからだ。
この男が、人間では無い、ということ。
それ以外は未だ、首輪が守る【忘却】の彼方に在る。
■ルヴィエラ > 「―――其処に信じる価値を見出すのなら
例え其れが怪物でも、或いは鰯の頭でも、神となり得る物だよ。
信仰とはそういう物、例え其の教えが、一般的に道義に反する物でもね。」
(美しいから信じるのではなく、信じるから美しい
自らが心を寄せるモノこそが、其の者にとって最上の美と為り得るのだと
まるで舞台役者の如き言い回しで、戯言の如く言葉にしては
彼女の座る隣へと、断る事も無く、ゆっくりと腰を降ろそう
その視線の先には、煌びやかな祭壇が映る
まるで貴族の威光や権力を示すかのごとく
金銀の装飾で飾られた其れに向かって祈りを捧げる者達を見れば
信仰しているモノが神なのか、其れとも金なのか、良く分かりそうな物だ。)
「ごきげんよう。 ――此処には、祈りに?」
(そうして――漸く、少女へと顔を向けて、問う。
彼女も又、決して信心深そうには見えぬ。
気まぐれか、其れとも何かしらの目的が在るのか
微笑みかける、紅の瞳が。 まるで慈しむ様に彼女を見た)。
■ソーニャ > 「……そんな風に、信じる【心】は、やっぱり美しいかしら?」
素朴な疑問が、また、ひとつ。
己が信ずるものを、美しいのだと信じ込んでいるとすれば、
その人物の【心】は、美しいと言えるだろうか。
醜く汚れた怪物に、幻を見せられ、誑かされているのだとしても。
――――何故、この男にそんな問いをぶつけようと思ったのか、
根本的なところに思考が辿り着かぬまま。
盲いた眼で穢れた神を崇め奉る人間たちと、どこか、同じことをしているような、
奇妙な苛立ちのような、焦燥のようなものを抱えながら、
隣へ座した男の、近くなった白い顔を見つめ返して。
「――――――あたし?」
初めて視線が交わった、その瞬間にもまた、身体の奥がぞくりと粟立つ。
無意識に膝上から右手を浮かせ、己の首に巻きつく【封印】に触れながら、
「あたしは、お祈りなんかしないわ。
……ここには、……ここには、」
ちらり、祭壇に目を向けて。
「………わから、ないわ。
あたし、……愚かなものも、醜いものも、大嫌いなのに」
盲目的に、既に堕ちているかも知れぬ神を崇める者か。
堕ちた神と知りながら、その名に集まる富と連力とに群がる者か。
どちらも唾棄すべき存在だと思いながら――――何故か。
「……貴方こそ、ここで何をしてるの」
答えを見つけられないなら、問いを投げ返すのみ。
そんな、稚拙極まり無い手法を選んだ。
■ルヴィエラ > 「其れもまた、人それぞれだろうね
美徳か、其れとも暗愚かは、見る者の価値観次第で変わって仕舞う
――故に私はこう思うのだよ。 信じる事は純粋で美しい。
だが、盲目となり果て真実から目を背ける事は、時に暗愚である、とね。」
(必ずしも、全ての場合において、とは限らないが。
美徳と暗愚の境界は、時に紙一重なのだと呟けば
――娘が、其の首筋に巻かれた輪へと触れた刹那
ほんの僅かにだけ、笑みは崩さぬ儘に、双眸が細められた。)
「……或いは、何かに惹かれたのやも知れぬね。
勿論、其れが何かまでは、私に知る由も無いが…。」
(此処へ訪れた理由を、言葉に出来ぬ様子に
そんな事も在るだろうと、気に病まぬよう伝えるか
何処か可笑しそうに笑み、そして、彼女が祭壇へと視線を向けた其の刹那に
まるで悪戯めいて、彼女の眼前に、其の瞳を覗き込んで。)
「私? ……では、君を待っていた、と言うのは如何かな。」
(己も又――祈る事は無い。
もしあるとすれば、きっと其れは壮大な皮肉だろう。
彼女の問いに対して、そんな、真意など諮れぬ台詞を返せば
――叶うなら、其の額を、人差し指で、こんと優しくつついて。
――そして、また、立ち上がるのだ。
聖堂の扉に向かい、かつかつと靴音を響かせながら歩めば
扉を開き、外へと向かい
其の刹那に、ふと、彼女の方を一度振り返れば
きっと、彼女には見えるだろう、其の唇が確かに
『おいで』と、揺れ動いたのを)。
■ソーニャ > 「――――――目を、そむけ、る」
ちり、と蟀谷の辺りが痛む。
男の言葉の、どの部分に引っ掛かりを覚えたのかははっきりしていたが、
何故、それが引っ掛かったのかは不明。
理解出来ないから、不安が募るから、己の右手は縋るように、
喉元に巻き付く漆黒を掴み締める。
「人間の営みに、惹かれるところなん、か、――――……」
無い、と言い切ろうとしたところへ、紅玉の色が視界を占める。
嫌味なぐらい整った白皙、あかい瞳、甘い声音。
びくりと肩を揺らし、目を見開き、――――突つく指先に、ゆらり、頭を傾がせて。
「何を、馬鹿なこと………、」
人間の小娘ならば、美しい男に微笑まれ、そう囁かれれば騙されもしよう。
しかし己は、――――馬鹿にしている、ふざけるにも程がある。
そう言ってやりたくて男の姿を目で追った筈なのに、
かた、ん――――――
気が付けば、席を立っていた。
瞬きを忘れた金色が、男の姿を、その瞳に宿る紅の色を揺らがず映しながら。
まるで悪魔に魅入られた小娘のように、ふらふらと漂うような足取りで、
男の後について聖堂を出て行こうと――――。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からルヴィエラさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からソーニャさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にルインさんが現れました。
■ルイン > 「ここが神聖都市……ね」
ふらりと気まぐれにやってきては教会が多い街並みを眺めての一言。
遥か過去に来た頃にはここまで大きな都市でなかった気もするがその辺りの記憶は曖昧。
ただ来てしまったからには少しは見ておこうと特に目的もなく歩き。
「神聖な教会なんだよね……本当に」
ある教会の前を通ったときに微かに聞こえた喘ぎ声。
それに教会なのにと思えば笑みをこぼしてしまい。
「この街って思っていたよりも面白そうかもね」
もしかして他でもと思うと確かめたくなるのが人情。
どうだろうという興味で出来るだけ教会のそばを通っては耳を澄ませて。
■ルイン > そのままふらふらと夜の闇に消えていった
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からルインさんが去りました。