2020/01/01 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にジョージアさんが現れました。
ジョージア > 朝の光がステンドグラス越しに差し込み、色とりどりの光の帯が躍る大聖堂。
冬の朝特有の冴えた空気に包まれた屋外に比べ、聖堂の中には生温く湿った、
そしてやけに甘ったるく澱んだ空気が満ちていた。
正面扉から真っ直ぐに続く通路、その果てに設えられた祭壇。

黒色の天鵞絨に覆われた、その祭壇の上で、己は目を覚ました。
憶えの無い上質な絹のローブ一枚を纏い、目許を黒い布で覆われて。
両手は頭上でひとまとめにされ、黒鉄の枷を填められて祭壇に縫い留められている。
ローブの裾から覗く足首にも同様の枷が填まり、こちらは大きく開脚を強いる形で固定されていた。
傍らに置かれた香炉から立ち上るのは、ねっとりと絡みつくように甘い媚毒の香り。

意識を摘み取られた贄たる娘が、たとえ目覚めたところで抗えぬように、
そして、難無く務めを果たせるように。
念入りに整えられた『舞台』の上で、己の意識は未だ、闇の中。

この聖堂が今日、この教会へ寄進を施した男たちに『解放』されていることも知らず。
薬によって奪われた意識は、深い眠りの底にある。
普段身に着けている武器も守護も無く――――運命は、見知らぬ誰かの手の中だった。

ジョージア > 一日は未だ始まったばかり、聖堂にはますます淫靡な香りが満ち溢れる。
その顛末は、果たして――――。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からジョージアさんが去りました。