2019/04/13 のログ
クレマンス > 「……まぁ。大変。ギュンター様にも贔屓目が入っていらっしゃるようです。
それに……なんてスムーズに仰るのですか。嬉しいのに、嬉しさを一瞬忘れてしまうくらい驚いてしまいました」

いくら軽い口調から出た言葉だといっても、易々と可愛らしいだなんて口にするタイプには見えなかったため、聖女も本気で驚いている。
好きという言葉すら無理矢理言わさねば言わないし、照れていた彼を思えば、驚くのも無理はない。

「――ご冗談ではなかったのですか。信用できる側近が欲しいからと仰るなら嫌です。
 お仕事の際にも私に側にいてほしいからと仰るなら……少しずつ勉強してまいります。
 もちろん……各地でノーシス主教に関わる教会にてお手伝いするお時間も…戴きたいとは思っておりますが」

てっきり精通した側近が幾人もいるものかと――実際いるのだろうが、そういった存在とスケジュールを管理する者は違うのだろうか。
施政に疎い己に仕事を持ちかけたことは意外で、その真意を確かめる様な言い方をする。
見るからに聖職者で、若い女で、政理とは縁遠そうな己を
仕事上で連れ歩くというのは憶測も生むだろうし、彼にとって良いことなのか否かは判断しづらい。
ただ、安らぎを求められての話だというのなら、周囲にどう思われても断る理由にはならない。

「世の恋人は、皆様きっとそうして過ごしているのでしょうね。すべては想像でしかありませんが。
 ……皆様、ギュンター様ほど性豪ではいらっしゃらないと思いますが、
 私が好きになった方がそうだったのですから、慣れるしかありませんね。
 寝不足で……お腹にギュンター様の子種を残したままで翌日のお仕事になりますから……悟られないようにしませんと」

撫でられる頬を緩めて微笑み、穏やかな少年の顔を見つめる。
一晩でさまざまな表情を見たが、安らいでくれているこの表情が最も落ち着く。
何度か感じた幸福――というものが、最も暖かくなる瞬間だった。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「………その、こういう事は、きちんと言葉にせねばならないだろう。俺はそういう事が余り得意では無いから、慣れねばと思ったのだ。……だから、そう大仰に反応されては、その……むぅ…」

どうやら、己の発言は思った以上の効果があったらしい。
それ自体は喜ばしい事だと思うが、随分と驚いた様子の彼女を見れば、今更ながら気恥ずかしさが湧き上がる。慣れない事をするからか、と小さな苦笑いと照れの交じった様な笑みを浮かべる。

「…側近が欲しいという訳では無い。ただ、その…………いや、何でもない。そうだな。俺も些か気が急いた様だ。
教会に携わる事柄は、特段遠慮する事も無い。お前の助けを必要としている者も、数多くいる事だろう」

家令や側近に近いイメージを抱き、彼女にそれを求めた事。
それは結局、己の事を知って欲しいのだという子供じみた欲求であった事に、彼女に言葉を返しながら気付いてしまった。そして、それを仕事に絡める言葉でしか伝えられなかった己の不器用さに内心で深い溜息を吐き出す。
それを素直に口には出来ず、暫く言い淀んだ後小さく肩を竦めて苦笑いと共に首を振った。

「……世の恋人、か。俺もお前も、市井を知らぬまま共に過ごす事になる。だから、して欲しい事や望む事があれば言葉にせよ。我儘を言え。…俺は、そういう事の機微も知識も、聡いとは言えぬからな。
……それと、交わった後に限らず、疲労したのならばきちんと休む事。疲労した身体で付き従う事は許さぬ。お前に倒れられては、俺も仕事が手につか………いや、兎に角、休養はしっかりと取る事だ」

微笑む彼女の頬を撫でながら、浮かべる表情は子供を諭す大人の様なもの。
彼女の純粋で献身的な性格では、無理をさせてしまうのではないかと心配になってしまったのだ。
より彼女に密着してその体温を感じながら、今更ながら荒々しく抱いた彼女を慮る様な色を湛えた瞳で彼女の瞳を見つめる。

クレマンス > 「ギュンター様が慣れるまではつい反応してしまいます。
早く慣れて、それが当然だと思える様にならなくては自然に対応することは難しいと思います。
……ですから、慣れる為にもう1度仰ってくださいませんか?」

たしかに己がこんなに驚いては言いにくくなるだろう。
だがそれがまた可愛らしく見えてしまうから困ったものだ。そしてそれを強いてしまいたくなる己にも。
照れて困っているのをわかっていながら、もう1度とねだってしまう。

「その……?気が急いた理由は教えて頂けないのですか?」

教会のことは快く受け入れてくれることはわかっていた。
ゆえに、それについて心配してはいなかったのだが、やはり気になるのは口ごもった後の沈黙である。
大抵彼がいろいろと考えた結果、考え過ぎて言えないというパターンが多いことはこの一晩でもわかっており、突っついた。

「…………それでは、疲れましたけれどもっとギュンター様と一緒にいたい、触れたいという我が儘はどう聞いて頂けますか?
 これは冗談でも何でもなく…私はきっとそう思う日が多いだろうと今から想像つきます。
 足りないという意味ではなく、満たされ過ぎていて……離れることでそれが終わると思うと、惜しくて堪らなくなるのです」

己を心から案じ、慈しんでくれていることが伝わって、嬉しくて仕方ない。
そして同時に、やはりどんなに疲れていても離れたくないと感じてしまうことに繋がる。
だから今から我が儘を言った。やはり困る彼を見たいという欲求もあったのかもしれない。
見つめ合う視線がやや下に落ち、指先が少年の下唇をなぞる。
こうした触れ合いも含めて、己を満たすものであったから。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「……それは些か詭弁じみている様にも思えるが。そもそも、強請られて言う様な言葉でも……だが……むう…分かった。もう一度だけだぞ。
………その、何だ。お前は愛らしいし、とても、その、可愛らし、い。その様を、他の誰にも見せたくないと、思、う。
――……ええい!此れで満足か、クレマンス!」

冗談の中に交えて言うのと、強請られて、見つめられて口にするのとは全く別物。とはいえ、彼女の求めとあれば、暫し悩んだ末に頷いて、たどたどしく言葉を紡ぐだろう。
結果、頬を林檎どころか炎龍の如く真っ赤に染めて、羞恥を隠す様に言葉を締めくくる。


「……単なる俺の我儘だ。俺は、そう長くはない人生の経験の殆どを王城や都市での政務や策謀で積み重ねてきた。だから、それをお前に知って欲しいと思って、しまった。だが、それではお前に人間の薄汚い様を見せつける事にもなる。まして、俺の重荷を押し付けるだけの我儘だ。だから、本当にもう良いのだ。気にする事は無い」

答えを求める彼女に困った様に眉尻を下げて言い淀んだ後、ぽつぽつと拙い己の我儘を零した。
そもそも、気高く傲慢な支配者として育った己が他者にこんな――まして、好いた女である彼女に――我儘を言う事そのものが弱さだったのだと、気にするなと告げる表情は迷いと弱さを振り払う様な笑み。

「それは……お前が望むなら、無理のない範囲で共にいる事は構わぬが…。……いや、そうだな。それでは、仕事が長丁場になる前夜は、優しく抱いてやろう。或いは、お前が言った様に寝所を共にするだけでも良いだろう。だが、明らかにお前に疲労の色を見れば、有無を言わさず休ませる。其処はたとえお前の我儘でも、聞いてやる訳にはいかぬからな」

暫し考え込んだ後、彼女に疲労が出ない様な方向の妥協案。
己とて、肉欲だけではない繋がりを彼女に求めているのだ。彼女に無理をさせない様に抱いてやらねばな、と内心で決意していたり。
己の下唇をなぞる聖女の指先に擽ったそうに頬を緩めながら、戯れの様に彼女の胸元に手を這わせる。
肉欲や獣欲ではなく、彼女の肢体の柔らかさを求める様な、そんな手付きで。

クレマンス > おー…。とは、流石に口には出さなかったが。
断られると予想していたのか、最後に爆発したとはいえ、ねだった以上の言葉を紡がれて聖女はまじろいだ後、笑顔を見せ。

「ふ……ふふ、はい。大満足しました。2、3か月は今のお言葉を思い出して生きていけそうです。
 ギュンター様は本当に可愛らしい。こうしているとお体が熱いのも、すごく良く伝わります」

まるで揶揄している様に聞こえてしまうかもしれないが、すべて本音である。
もちろん凛々しく見えるときも多々あるが、今はとにかく可愛い。
そして己の為にここまで照れながら言ってくれたのだと思うと、他の誰に言われるよりも価値のある言葉。

「……私はよほど頼りなく見えるのでしょうか。
 共にと決めた2人が、いつまでも別々の世界にいることのほうが無理があると思いませんか。
 仰ってくださったではないですか。何もすべて任せるつもりではないと。それで……宜しいのでは?
 私はギュンター様のお側に立つこともあり、お手伝いすることもあり、私が必要でないときは聖職者として働くといった生活があっても」

また線引きしようとする相手を諭す様に。
どうやら彼は何かを大切だと思うと、それを守ろうとする傾向が強いようだ。
嬉しくも感じるが、我慢しているだけで本音が別のところにあっては意味がない。
そして守ることについては頭が固くなってしまうのも感じられるために、柔軟な答えも用意する。

「もう。ギュンター様は私を壊れ物の様に扱われるのですから。
 私に休めと仰るのですから、どうかあなたもご無理はなさらないでくださいね。
 私の最も大事なものを壊しませんように――これは私の我が儘ですから、聞いてください」

相手が話すと指先に吐息が触れ、甘やかな心地になりながらも我が儘追加。
まだじゃれ合う空気の中、少年の指が乳房を捉えればふわりと沈み、柔らかく戻り始めていた乳頭が少しだけ反応した。
とはいえ、愛撫とは違うからそこまでいやらしい反応ではなかったはずだ。

「胸もまだ濡れてますでしょう?体中にたくさんかけて頂きましたから。湯浴みに参りますか?」

せっかく体中に残してもらった痕跡を洗い流すのはやはり惜しいのだが。
そも、かなり肉体を酷使した後だが、湯浴みに行けばまた甘く彼を求めてしまう可能性が強いと――こっそり、思ってしまってもいる。
疲労が見えれば休ませると言われた手前、相手がどう対応するのかは気になるものの。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「……俺は2、3か月は羞恥の記憶で身悶えしそうだがな。全く…王都の官僚達相手でも、こうも焦った事は無い……」

今宵彼女に見せた表情の中で、一番疲労感が強いかもしれない。慣れない事を、そして、己の本心を素直に伝えるということがこんなにも覚悟を決めなければならない事なのかとしみじみ思っていた。
とはいえ、笑顔を見せる彼女を見れば、言った甲斐があったかとやんわり微笑んだ。

「……別に、頼りなく見えるという訳ではない、のだが。ただ、俺の我儘に付き合わせるのが、その、お前に悪いというか…。
――…だが、そうだな。お前がそれで良いのなら、そういった生活を共にするのも、悪くはないだろう。無理をする必要は無い。ただ、俺の側に居てくれれば、それで良い」

聖女に諭され、それでも少し悩んでいたものの結局は彼女の言葉に小さく頷くことになる。
己の我儘に付き合わせたくない、というのもまた己の我儘であったのかも知れない。彼女が己の側に立つ事を苦に思わないのなら、それに甘えても良いのだろうかと僅かに思案する。
誰かに甘える、という思考自体が既に彼女に絆されている様なものなのだが、それを自覚するには暫し時間が必要だろう。

「当然だ。お前は俺のモノなのだから、俺の手元から零れ落ちる事を俺が是とするものか。まして、俺が好いた女だ。壊れ物どころか、王位を与えると言われてもくれてやるものか。
……む、俺は別に多少の事なら平気だが…まあ、お前が言うなら、余り無理はしない様にしよう」

彼女のに応える言葉には、照れも伏せる心も無い。
一人の男として、好いた女を大事に想うのは当然だろうと真面目な表情で言い切った。尤も、無理をするなと言われれば、些かワーカーホリック気味な己の生活を思い返して若干口調は弱くなるのだが。

「…そうだな。出立の準備もあるだろう。一度、身を清めておくとするか。随分と、お前の事を汚してしまった事だしな」

己の手の中で沈む乳房の柔らかさを堪能しながら、彼女の言葉に小さく頷いた。
吐き出した精液と互いの汗で濡れた彼女の乳房を軽く弄んだ後、身を起こして彼女を引き起こそうと手を伸ばす。
――今はまだ自制しているが、散々に精を吐き出しながら己の熱が完全に消え去った訳では無い。偉そうに彼女を労わる様な言葉を吐き出しながら、彼女に求められれば結局は――先程よりは労わりながらも、彼女を求めてしまうのだろう。

クレマンス > あぁ……と、息を漏らす。
なぜ1度は側近の仕事を請け負わせようとしたのに、自ら打ち消したのか。
己に悪いという言葉がすべてを物語り、相手の価値観を表している様に思えた。
そこで遠慮すれば、彼はどこで我が儘を言う場面が、相手が、あるのだろう。

「始めは本当にお側にいるだけになってしまうと思いますが、少しずつ勉強してまいります。
 恋人というのは対等ですもの。私の我が儘を聞いて頂けるのなら、私もあなたの願いを聞いてみたい」

己を側に置き、知ってほしいと思ってくれたことは嬉しかった。
愛しい人からそんな願い受け、聞きたくないと思う女はきっといない。
だがそういった感覚すら、相手には身についていないのだろう。
だが己が渋々ではなく、緩やかな微笑みと共に受け入れた様子を見て、感じ取ってもらえれば1番良い。

「…………今のお言葉で10年は生き長らえそうな気がいたします」

先ほどあれだけ照れたのに、なぜその言葉は照れないのか不思議。
むしろこちらが照れてしまう様な言葉だったが、やはり照れより幸福感が強くて嬉しそうに呟いた。

「ん……。ギュンター様のものにして頂いて嬉しくとも…このままでは出られませんものね。
 ―――――それでは、お屋敷につくまでは今夜ギュンター様と奥まで触れ合えるのは、湯浴みの最中だけですね」

愛撫ではない――が、やはり触れると少しばかり感じるものがあり、唇からこぼれた吐息が熱っぽかった。
その状態で引き起こしてもらうと、膨らんだ下乳が揺れる様に元の形を取り戻す。
今だって2人共ほぼ裸の様なもので、際どい所にお互いの性器が触れているのだから危うい状況ではあるのだが。
意味深に囁いた聖女の顔が、すでに言っているようなものだ。

湯浴みの最中、もう少し繋がりませんか、と。

とっくに果てすぎて、腰を酷使しすぎているというのに、恋人を求める欲というのは底がない。
立ち上がった2人が向かうのは湯殿。狭いが、2人で入る分にはちょうど密着するに良い。
そんな場所に向かった2人の今宵最後のやり取りが語られるときは、あるやもしれず――。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からクレマンスさんが去りました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…俺の願いなど、気にすることはない。強いて言えば、お前に側に居て欲しいと、それだけは…思うのだが」

対等にと、願いを聞くと。そう告げる彼女を眩しいものを見る様に僅かに瞳を細めた。
彼女の思う通り、我儘を言う事も、誰かに甘える事も身についていない。家柄と資産に集い、纏わる者達を支配する事で生きていた己には、未だ根付いていない感情。
だがそれも、彼女と過ごすうちに少しずつ、確実に育まれていくのだろう。

「……ふむ?何か特別な事を言ったつもりは無いが……まあ、お前が喜んでいるのなら、別に良いのだが」

恋人としての甘い一時には不慣れでも、一人の男として彼女に向き合う時は本心がすらすらと出てしまう。
それが無自覚なので、彼女の様子に不思議そうに首を傾げる事になるのだが。

「………言っておくが、身を清めるのだからな。大体、お前はもう今夜、散々に犯されて疲れているだろうに――」

引き起こした彼女から告げられる言葉に、最初は呆れた様な口調で諫める様に言葉を返す。
だが、視界に捉えた聖女の顔が。未だ己との情交を求めている事に気が付けば。

「……だが、どうせ身を清めるのなら、もう少しお前を汚してしまっても構わんな」

穏やかな時間の中で身を潜めていた己の獣性が。嗜虐心と支配欲と、そして何より彼女を求める雄としての本能が。
クツリと淫靡な笑みを浮かべる事になるのだろう。
そうして二人が向かった湯殿の中。未だ明けぬ夜は長く、湯煙の中で夜は更けていく事になるのだろう――

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からギュンター・ホーレルヴァッハさんが去りました。