2019/03/17 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 教会」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > お約束待機中です
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 教会」にクレマンスさんが現れました。
クレマンス > 今夜が終われば、己はまた司祭の誰かに抱かれる夜を迎える。
悦楽に忘れていたが、彼の言葉で思い出した。
だが己の身体は教会が、ひいてはヤルダバオート自体が王族貴族から資金を賜る材料ともなる。
司祭の欲望がいかに高まろうと、接待が優先される。
だから少年が訪れれば、彼が満足するまで誰も邪魔しない、とも思うのだが。

「ギュンター様は王都にお住まいですか?もしそうであれば……此方にいらっしゃる機会は多くないのでしょうね」

名残惜しそうに、孤愁に呟く。
泡沫の夢であるならば、現実を突きつけられるまではどこまでも堕ちていきたいと思い、
素直に伝えた好意を否定され、まじろいだ。
未だ理性は普段通りとはいかないが、それでも分かるほどに彼の反応は違和感が有った。
自信に満ち溢れ、常に攻撃的に振る舞っていたそれとは違う。
己が何か失敗したのだ。そう思った聖女は、優しく撫でてくれる手を柔らかく包みながら、
もう片手を少年の白い頬へ伸ばした。
体勢から包み込むことは難しく、指先が触れるか否かといった距離だろうが、
届くのなら――子供をあやすように、なでなでとさすり。

「……悲しい顔をなさらないで。お嫌でした…?失礼なことを申したのですね…私」

彼の反応は、悲しませたように見えた。
未だ稚児と同じだけの生しか知らず、加えて教会という特殊な場所で神と語らい、
司祭の欲を密やかに受け止める存在である彼女には、気の利いた言葉が見当たらないのだが。
これ以上困らせないよう、慰めようと指先を動かして。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 住まいを問われ、次いで投げかけられた言葉に僅かに思案する。
仕事で王国各地を忙しなく移動する己は定住するという意識が低い。その為、拠点を神聖都市に置く事自体は問題ない。
しかし、彼女が言いたい事がそういう事では無い事くらいは、好意に疎い己でも理解出来た。考え込む様な素振りを見せた後、彼女のブラウンの瞳に視線を戻し――

「……私に、買われてみるか。クレマンス。今宵だけでは無く、貴様そのものを教会から買い上げても良い。無論、貴様がそう望むなら、ではあるが」

別段、彼女の身柄を教会から引き取るとか、そういう事ではない。莫大な資金と引き換えに、彼女が身体を差し出す相手を、己が買い上げようというもの。
無論、教会がそれに頷くかは分からない。まして、彼女がそれを望むとも限らない。故に、彼女の意思を確かめる様にその瞳を見つめる。

しかし、そんな問い掛けを投げかけながらも、内心の動揺や困惑を隠し切る事は出来ないだろう。
らしくない事を言った、と溜息を吐き出しかけた時、己の頬に伸ばされた聖女の柔らかな手。
まるで己をあやす様な、まさしく聖女に相応しい穏やかな手付き。その触れ合いと共に紡がれた言葉に、困った様な、それでいて穏やかな笑みを浮かべた。

「……別に嫌な訳でも、無礼な事をお前が告げた訳でもない。ただ…そうだな。私は、思慕の感情が良く分からぬ。貴様の純粋な思慕が、何故私に向けられるか理解出来ぬ。権力も地位も、財貨も伴わない想いが分からぬ。それだけの事だ」

とさり、と弱弱しくのしかかっていた彼女の身体に倒れ込んだ。
つい先程吐き出したばかりの精液が衣服を汚すのも厭わずに彼女に己の身体を預け、息が触れ合う程の距離になった顔を近付ければその耳元で独白する様に囁いた。
それは、支配者としてでも、王族としてでもない。一人の少年として見せた、弱さの様なもの――だったのかも知れない。

クレマンス > 「買い上げ……?そんなことできるものでしょうか…?」

不意に口にした言葉に対する返事に、聖女は僅かな驚きを見せた。
己が娼婦であればどこにでも在る話で、金額さえ見合えばその身はどこにでも誰にでも引き上げられる。
だが己は聖職者で、生まれたときから与えられた場所で生きているに過ぎない。
要は相手が出す金額と、己の身が吊り合うか、この都市の権力者が検討した結果になるのだろう。
――――相場が無い以上、吹っかけられるのは目に見えている。

「私は……ギュンター様と離れることが淋しいと思いました。
 それと、次にお逢いするときは何か月後なのかしらと考えてしまいました。
 そんな我が儘に払う金額としては…割に合わないことになるのではないか、と……」

具体的な話ではないので、話がまとまったとしても己の処遇がどうなるのかは想像もできないが、
いずれにしても夜伽で生まれた熱の余韻で話すには、あまりに彼に大きな負担がかかる話。
心配になる。――思えば、己は相手の家のことすら把握できていない。
訪問が事前に分かっていれば、ある程度調べたうえで接したのに。

己に倒れ込む彼の背中に腕を回し、緩やかな抱擁で受け止めながら思考を巡らせる。
素直に感情を伝えれば戸惑い、淋しがれば多額の資金を要する解決策を持ち出す彼が愛おしくて。

「私がもう少し成長していればギュンター様を導いて差し上げられたのに。
 ……こうして触れ合っていると幸福を感じませんか?
 こういう感情をどうお伝えしたら良いか分からなくて、…お伝えしたらギュンター様を困らせてしまいました」

まるで幼子のように弱々しく感じる少年の息遣いや鼓動を感じながら、穏やかな声音で囁く。
背を撫で、髪を撫で、耳の裏を指先でなぞる行為は
本当に幼子をあやしているようでもあるが、同時に甘い空気を作るようなものでもあった。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…教会の司祭共は、さぞお前の身体に高い値段をつけるだろう。この様な教会だけではなく、荘厳な大神殿の建造費くらいは吹っ掛けられるやも知れぬな」

そんなことが出来るのか、と問われれば肯定も否定もせずクスリと笑う。
金額の規模もさることながら、当主である父親が教会とひと悶着起こしそうな此の問題に資金を投ずるか、という問題もある。一族の資産を持ってすれば金を出す事は出来るだろうが、寧ろ教会とのしがらみの方が問題になるだろう。
だが、そんな計略や謀略は己の得意とする所。そんな余裕すら感じる笑みではあったが――

「……別に、貴様の寂しさを紛らわせる為に大金を投じる訳では無い。半龍の聖女たる貴様の立場には十分な利用価値がある。それだけの事だ」

割に合わないのではと告げる彼女に、あくまで己の都合だと高慢な口調で告げる。
――彼女の寂しそうな表情に思わず口をついたとは言えず、フイと視線を逸らせる事になるのだが。

そんなやり取りの中で、倒れ込んだ己の身体を抱きとめる彼女の暖かさに身を任せながら、微睡む様な思考の中で彼女の言葉を耳にする。
そして、幾分言葉を選ぶ様にもごもごと口を動かした後、小さく息を吐き出して――

「…私は誰にも導かれぬ。私は、私の力によって全てを手に入れる。そこに、他者の手助けなど必要ない。
……だが、そうだな。お前の言う通り、この触れ合いを。この時間を確かに得難いものだと感じる事は否定せぬ。
……呆れたものだな。私も、お前と同じだ。戦争も、政治も、陰謀も。同年代の者よりは上手く出来る自信はあるが、この感情をどう理解すれば良いのか、分からぬのだ」

王族として、貴族同士の醜い争いを経験し、戦場で多くの命を奪う事もある。少なくとも、子供扱いされない程度には、権勢を得る為の努力は怠らなかった。
だが、純粋な思慕に対しては、無垢な聖女と大差ない。ただ、その時間が心地良いものであることは理解し、それを穏やかな口調で告げるだろう。

慈しむ様に己を撫でる彼女に応える様に、その耳元を軽く甘噛みする。何度となく吐精して幾分硬度を失った肉棒を彼女の太腿にずり、と戯れの様に擦り付ける。
その白磁の様な肌に擦り付けられた肉棒は、徐々に硬度を増して灯った熱を彼女に伝えるだろう。