2019/02/23 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 教会」にクレマンスさんが現れました。
クレマンス > 他の聖職者の部屋は別の建物に用意されているのだが、
聖女と崇められるクレマンスの部屋は教会内部に用意されている。
あまり広くなく、机と椅子、洋服棚、ベッドが在るだけで限界な1室。
元々在った部屋を彼女に与えただけなのだが、扉で隔てられたシャワー室だけは火急に用意されたものである。
それはクレマンスのためではなく、聖職者がクレマンスの体を貪ることがあり、必要に迫られたからという事情であったが。
今シャワーを浴び終えた聖女は、乾かした髪をポニーテールに結んで、夜着ではなく修道服に身を包んだ。
部屋には呼び鈴が有り、教会が閉まっても来訪者が在ればクレマンスが応対するからだ。

「あっ…………」

肘が棚の上の何かにぶつかり、ガチャッと音を立てて落ちる。
聖女の部屋には相応しくない、男性器を象った玩具だった。
顔を赤くし、それを拾い上げる。
昨晩訪れた余所の教会の司祭が己に使った物。

「処分して良いのでしょうか……。間違って信者のお子さんにでも見られたら、悪影響でしょうし……」

生まれて間も無くはそういったことすら分からなかったが、世の規範や理も理解できる年頃まで成長してきた。
処分するにもゴミ箱にポイというわけにはいかないそれを、布に包んでまた棚の上に置いておく。
困った。そう考える聖女の頬は、未だ赤かった。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 教会」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 神聖都市の一角。半龍の聖女を仰ぐ教会の話を耳にして、興味本位で教会を訪れた。
教会の資産を管理しているという聖女に対して、資金面での繋がりを持っておきたいという思惑もあった。
己に聖女の話を持ち掛けた大司教は、下卑た笑みで夜伽の話も披露してきたが――

「…この街の司教というのは、女を犯す事しか考えていないのか。それとも、快楽に耽られる事を神に感謝しているのかね」

僅かに溜息を吐き出し、閉ざされている教会の扉を叩く。
夜更けの来訪という事もあり、誰も出てこなければそれでも良いかと思っているのだが――

クレマンス > まだぽっぽと熱い頬に困っていると、教会の扉と繋がる呼び鈴が鳴る。
他の教会は寝床に困った民を受け入れたりしているのだが、ここは聖女を食い物にする
穢れた面があり、扉が閉まった後は基本的に一部の者しか受け入れないとは周知の話であった。
一部とは――――聖職者の他、権力を持つ王族や貴族である。

奥に在る部屋からピンクの修道服を翻し、駆け足で移動する聖女。
重い閂を抜き、ギギギ……と木製の扉が軋む音を響かせながら開ける。
薄暗く灯された教会の明かりが漏れ、やがて年の頃18~20といった面差しの修道女が顔を覗かせた。

「…………あら」

クレマンスは、来訪者の“少女”に気づくとにっこりと笑いかける。
そこには同性に対する気安さが垣間見えるだろう。

「何か有りましたか?」

まるでもっと幼い子供に接するように首を傾げ、あまり背丈の変わらない“少女”に訊ねた。
これが20代以降の男性であれば、聖女は困ったような表情になりながらも事情も聞かず迎え入れたはずだ。
この時間に訪れる異性の用件は決まっていたから。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 開かれた扉の先から姿を現したのは、ブラウンの髪と瞳を持つ女性。己よりも僅かに背丈の高い彼女を眺め、成程男受けの良さそうな事だと思考を走らせる。
しかし、夜更けに訪れた"異性"の貴族に対して随分と無警戒な事だと内心首を傾げる。彼女の思い違いには、未だ気付かぬまま――

「夜半に失礼する。私は、ホーレルヴァッハ家が嫡子。ギュンター・メルヒオール・フォン・ホーレルヴァッハ。リートベルフ教会の聖女に一度御会いしたいと思って訪れたのだが…」

宗教関係者相手では、流石に初対面で尊大な言葉遣いになる事は無い。とはいえ、それでも王族として権威と高慢さを滲ませる口調ではあるかもしれないが。

「…もし差し支えなければ、中に入れて頂いても?流石に、外で立ち話というのは体面が悪い」

大司教からは、資金と引き換えに聖女への"行為"はどうぞ御自由にとは言われていた。
後は、興が乗るかどうか。取りあえず、冬の夜風からは身を守りたいと彼女に告げて首を傾げた。

クレマンス > 「まぁ……それはそれは……」

可憐な少女だと思っていた彼女の口からは、仰々しい言葉が溢れてきたので目をまじろぐ。
そもそもこの年頃の少女と触れ合う機会は少ないのだが、触れ合うにしても素朴な信者だけなので、初めてのタイプである。
こう見えて生まれて3年という聖女は知らないことも多い。

「気づかず申し訳ございません。此方へどうぞ、ギュンター様」

御令嬢が逢いにきてくれたとあっては、その華奢な体を冷やすわけにはいかない。
中へ入るよう促し、そのままポニーテールを揺らしながら先導して向かうのは、聖堂とは別の方向にある客間。
相手が普段過ごすような屋敷に比べれば何てことのない質素な空間だが、教会の資金の範囲で上等なソファーを用意してある。
手をかざすことで魔力が伝導すると、暖炉に火が灯り、あまり広くない室内はそのうちに暖かくなるだろう。

「すぐにお飲み物を御用意いたします。
 何分ギュンター様のようなお方をお迎えするのは初めてですので……お菓子はやはり甘い物が良いのでしょうね」

異性とあれば飲み物も何も、この身を使うしかないのだが、少女をもてなすとなると何をしたら良いのか。
だがどこかしら浮かれているような雰囲気なのは、初めての同性の訪問客という点からで。