2019/01/20 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 地下街」にアンジェラさんが現れました。
■アンジェラ > 本日も地下街の一室で、甲論乙駁が繰り広げられていた。
「最も問題なのは妊娠する修道女が多いということです。
これでは次代まで澱みは続き、この都市は堕落していくばかりです」
権力者たちの前で弁じ立てると、彼らは蔑視して無駄口をたたく。
私はアナルを好むので妊娠もなく良いなどと、聞くに堪えない声も上がった。
だが、毎回こんな感じだ。
屈辱感と挫折感を味わわされ、建物を出て行くのも毎回。
それでも次回の機会をきちんと話し合い、希望を捨てないことがアンジェラの自恃であった。
「ふぅ……、……いいえ、前を向かなくては」
陋劣な者たちの巣窟を出て、沈鬱な面差しを無理に凛と整えた。
地下街には妙な高揚を煽る空気があり、すぐに地上に戻りたくなるのだが
現状を知るためにも帰り道はさまざまな場所に寄りながら歩いている。
娼婦の様に並ぶ修道女を見ては悲しげに目を細め、唇を結ぶ。
穢れのない純白のドレスを靡かせる女は、地下街では異質だった。
修道女を買うことを目的に歩いている者も、彼女には声をかけない。
神経を尖らせているのが伝わるのかもしれない。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 地下街」にディールさんが現れました。
■ディール > ヤルダバオートの地下街と言えば娼婦なり身売りをしている修道女。
奴隷、更には非合法な薬物と言ったものまでが隠れて取引される場所。
【商品】となっている修道女達の健康や栄養管理の側面から、薬草学等をウリとして。
先ほどまで彼女が論を切り結んだ相手の貴族達とのパイプを持っていた。
「よう。今月の分だ。避妊、堕胎。栄養剤。男の興奮剤に女の興奮剤。
――中身を確認したら旦那の場所に金を渡してくれ。」
場所が場所だけに、彼女――純白のドレス。穢れない修道女、それも上層部の人間が通るのは想定外か。
通りにも聞こえる様な声で取引をしている男がいた。
大柄な肉体と。話の内容から地下街の非合法化の片棒を担いでいるとも言える内容だった。
「―――っと。いや、何でもない。邪魔したな旦那。」
視界の端、彼女の姿を目に捉えたのだろう。言葉を急にとめた男。
直前の会話内容は彼女の耳に届いていたか否か。
■アンジェラ > す、とアメジストの双眸が不自然に横に流れる。
不穏な取引の内容が耳に届いたからだ。
地上へと急いでいた足を緩めたが、声をかけるか迷う様に視線を男へ、地上へ向かう道へ、交互に遣る。
地下街に向かう日は修道院の者が心配し、いつまでも己の帰りを待っているので早く帰ってやりたい。
無用なトラブルを求めている訳でもない。
だが、次回の論議の際に提出する資料の糧にはなるだろうと、つかつかと男たちのもとへ近付く。
慈愛を持って市民に接する面輪は、今はどこか冷ややかに。
「失礼いたします。わたくし、マクレラン修道院にて代表を務めておりますアンジェラ・カラガノヴァと申します」
礼儀として名乗りを済ませ、薬剤を売ろうとした男、それを買おうとした男の顔を見た。
後々地下街を治める者たちの弱点となるのなら覚えておかなければと思った行動。
「宜しければお名前をお伺いできませんか。
……ご安心下さい。貴方たちを糾弾するつもりではありません。
ただ、先ほど仰っていた薬について成分を教えていただきたいだけです」
そこに違法性があれば、次回いけ好かない貴族たちを責める材料になるだろう。
さすがに目の前の男たちを糾弾するつもりではないと言ったのは本音である。
ここを利用し、資金を享受する者は大勢存在し、末端まで責めることは難しい。
アンジェラの目的は地下街を衰退させ、廃業に追い込み、都市を浄化させることにある。
■ディール > 急ぎ身を翻さないのは、聞こえていなければやり過ごす腹積もりだった。
だがそれが今回に限り禍となったか?足音を隠そうともしない清廉な身形に眼差しの相手。
美女と呼んでも差し障りはないだろう。
瞳に宿る輝きに僅かなりと冷えた輝きが見えれば、諦めたように肩を竦める。
客の男はと言えば、逃げるか。それともこういう時のための用心棒を呼ぼうか。
そう悩んでいる内に、相手が近付いてしまった。用心棒を呼べば後ろ暗さばかりが目立つ。
故に、大人しく。むすっとした髯面で修道女を出迎え――名前を聞いた瞬間、客は顔を蒼くしていた。
但し往診鞄を持った、売り手の男の方は顔色を変えなかった。
相手の名乗りを聴けば少し驚いた様には目を見開く。
非礼は承知で相手の頭の上から爪先までを眺め回す。
その後に優雅とは行かないまでも会釈を一つ。
「マクレラン修道院。あぁ、お話はかねがね。代表のアンジェラ殿のご活躍は耳にしておりますとも。
私はディール。――フルネームではないと憤られるかもしれませんが、これが私の本名ですとも。」
医者や貴族とは一見すれば考え難い自分の外見ではあるが。
貴族、特に腐敗貴族や後ろ暗い貴族の名前に詳しければ相手は知っている可能性もあるか。
もう1人の男。薬を受け取っていた男は沈黙を貫いている。
ただ、じりじりと後ろに後ずさりを見せていた。
「ふむ。なるほど、成分をお伺いしたいと。
条件が2つありますが宜しいでしょうか?
1つ、こちらの方、私の客ですが。
薬の成分については知らないでしょう。効能は知っていてもね。
なので、此方の客人はこのまま見無かった事にして逃がして欲しい。
2つ目は、糾弾をするつもりが無いのであれば――この様に往来のある場所では。
私の独占している薬物のレシピが漏れてしまう。
当然、私の売り上げが干上がってしまうでしょう。
ですので、貴女、失礼。アンジェラ殿が指定する場所で結構です。
他者に聞かれる心配のない場所でなら御教え致しますが。」
取引の代価を申し出る。
客人は蜥蜴の尻尾よりも更に軽い存在だろう。
見逃すメリットは自分にはあるが、相手にとって見逃すデメリットは其処まで大きくないと考えての持ち掛け。