2018/12/31 のログ
■アンジェラ > 新たな1年を迎える日が迫っている、冬の夜。
純白のドレスに、高位の聖職者である証のストラを羽織ったアンジェラは
隠しきれぬ痛憤を胸に、マクレラン修道院への帰り道を急いでいた。
コツコツとヒールの音がドレスの内側より響き、ヴェールがふわりと揺らめく。
隠しきれぬ――とは言っても、もともと感情を大袈裟に出さない性格故に、眉が吊り上がったりはしていない。
強いて言うなら、その歩調であったり、真一文字に結ばれた唇であったりが業腹の証である。
この神聖都市において、地下に繰り広げられる不道徳な組織や商売について司祭や貴族と討議した帰りは、いつもこうだった。
己の意見は全て却下されるだけならいざ知らず、卑猥な言葉を投げかけられたりと散々で。
平静を装って議場から退室するだけでも精一杯。
――――まだ未熟だと自覚しながら、赫怒の熱は冷めない。
「……あら……寒いと思ったら……」
そんな聖職者を神が諫めたのだろうか。
ふと頬に冷たいものが触れたかと思えば、ちらちらと白い雪が天上より舞い降りてきた。
神の思し召し通り、トーンダウンしたアンジェラの歩調が緩やかになる。
戻ったら、温かいミルクでも飲もう。
きっと修道女も心配して待っている。
■アンジェラ > 修道院の前で修道女3人が待っていた。
白い息を吐いて、肩を震わせながら待つ彼女たち。
それを見るとアンジェラの双眸が淑やかに緩められる。
「ただいま」
己の姿を見て安堵したような表情を浮かべる彼女たちと共に、導師は修道院の中へと消えていく。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からアンジェラさんが去りました。