2018/09/20 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にジェドさんが現れました。
■ジェド > ふぅむ……お久しぶりですな。しかし、何とみっともないお姿か。此処は神聖なる教会。そのように騒がしくされる場所ではないのですよ。……いやはや、嘆かわしい。何と口汚い言葉か。信仰を見失い、心無き獣と成り果てたならば神の愛も届かぬのだと貴方の娘は身も心も理解してくれたというのに、父親たる貴方がそのようでは娘も悲しみましょう。……はて、娘が何処か?と。嗚呼、惜しかった。愛らしい娘でしたが、あんまりにも可愛らしかったものだから少々興が乗って躾過ぎてしまいまして。反応も返さぬ生ける屍も同然となったので、仕方なしにと奴隷達の無聊を慰める役割を与える事に致しました。きっと今頃、皆様の愛を全身に恵んで貰って悦んでおることでしょう。――全く、異教徒にも使い道を与えてやるだけ感謝して貰いたいものだというのに。連れて行きなさい、労働力として無駄に余った体力の使い道を与えてあげるのです。
(神聖都市の教会にて定期的に開催される集会を終え、参加者が散り散りになり残った司祭は壇上の上で一息吐いてから目を付けていた参加者から相談を聞き出す名目で後から来るようにと約束していた時刻を待ち。しかし約束より早い時刻に騒々しく開かれる扉と、全身から怒気を漲らせた屈強なミレー族の特徴たる獣の要素を継いだ者と止めようとするも怒りのあまり抑えの利かぬ男に振り解かれ慌てて後を追う僧兵が二人目に入り。その男には見覚えがあり、恰幅の良い体躯を揺らして柔和な笑みで迎えるもそんな表面上の偽善の皮にもう騙されないと声を荒げて詰め寄ってこられて。だが、慌てる素振りもなく大げさに溜息を吐いてから首を横に振り、聞き分けのない子供に言い聞かせるようにやんわりと彼が此処に来た意図を察している為に彼の心を乱し精神を逆なですべく語り掛け。即ち、先日浮浪者であった彼とその娘にミレー族であろうと神を信じるならばと救いの手を差し伸べ、仕事にも家にも困っているとのことであった為父親には肉体労働だが住み込みで収入の良い仕事を紹介し、娘には無償で己が資金を充当し経営している孤児院に住まわせ教養も衣食住も保障するとして住み込みで働く間安心して預けてほしいと引き取って。だが、どうやら父親は何処かで噂を聞きつけたらしく、予定より早く此方に帰って孤児院に娘を引き取りに来るも不在であり、厭な予感と焦燥に駆られて問い質しに来たらしい。尤も、もう遅かった。にっこりと、暗に奴隷にも劣る立場へ追いやった後だと、信じた結果裏切られて壊れた玩具の顛末を説明してやれば、とうとう激昂した父親が本気で殺す気で首を絞めようとして。――次の瞬間には、体格で勝り若さでも勝り身体能力では圧倒的に上回るミレー族の父親は言葉も発せられずここではない何処かを見据え焦点の合わぬ瞳で何事か呻きながら床に崩れ落ちていて。路頭に転がる屑を見下ろすように冷たく、侮蔑に満ちたおよそ聖職者らしかぬ本性を露わにした瞳を眼鏡の奥に覗かせながらふ、と鼻で嗤い僧兵達に倒れた父親を連行させて。)
■ジェド > どうせなら、もっと早く訪れれば良かったものを。そうすれば、目の前で私の手で娘が神の愛に目覚めた姿を見られたというのに……愚図な獣はこれだから困る。
(次の働き先は、最初に紹介した真っ当な労働環境とは違い劣悪を極める真実に気づいてしまった者や使い物にならなくなった者を送る表沙汰にはできない場所。歯向かった代償は大きく、大切な娘も救えはしない。民衆が求める分かりやすい勧善懲悪など、この世には存在しないのだ。あるのは権力に物を言わせて正義を振り翳す権利を得た者と、媚びて従いお零れの蜜を欲する蟻か、逆らって野垂れ死ぬ悪の烙印を押された脱落者しかいないのだ。末路を知り、そのように仕向けた元凶ではあるが全く悪びれる事もなく誰もいなくなった講堂にて勿体ないと思える程可愛がり過ぎた娘との教育や洗礼の名目で耽った淫行の数々を思い出し陰惨な笑みを浮かべ。やがて予定通りの時間、何も知らずに訪れた信徒へ何もなかったかの如く普段通りに振る舞って接し――半刻もせぬうちに、人払いを済ませた神の教えを説くその場には、醜悪な欲望が無垢を穢す場と化して。)
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からジェドさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にティリアさんが現れました。
■ティリア > (件の地下――――)
そぅ、だね。此処だけで、終わらない。 …解っているけど。
(既に粗方の接収が終わり、聖堂の下に秘められたその部屋は、もぬけの殻に等しかった。
だが、最も手にするべき、異国の民達の身柄は――その多くが。何らかの形で売り払われた後だった。
証言に曰く、奴隷都市へ。或いは船荷として別の国へ。既に売れてしまっていれば、さて、何処迄辿れるのやら。
尤も…踏み込んだあの日。此処に在った情景はそれだけで。頭上の聖職者面をした獣達を、罰するには充分だったが。
思い返すだに忌まわしい。忌々しい。
修道女など名ばかりだ、あの扱いは奴隷のそれでしかなかった。
異端審問など口実だけだ、強姦、陵辱、輪姦、蹂躙…それ等の言葉しか当て嵌まらなかった。
女体を縛める器具。嬲り狂わす責め具。血を染ませた拷問具。
今でもありありと思い浮かべてしまうのは――我が身に刻まれているからか。
振り払うように。幾度も、幾度も首を振りつつ。)
■ティリア > (もう接収が終わり。撤収が始まっている。
神聖都市と商業都市、そして王都。それぞれの行き来を繰り返すのだから、誰もがあくせくと急いている。
多くの官兵が地上での作業や、都市関係者との折衝に従事している間。娘一人が、この地下室で。疎ましい記憶に苛立っていた。
…実感したかった、再確認したかった、のかもしれない。
己自身の、今の根幹。こういった所で、こういった輩によって行われる、こういった行いへの怨嗟。
黒く醜い憎悪…と。呼ばれても仕方のない感情を。)
―――― ――――……?
(ふと。地上へと繋がる階段に向く意識。
気配か、音か。誰かを其処に感じた気がして。)
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にルヴィエラさんが現れました。
■ルヴィエラ > (其の場所が何であったかを、知る者は随分と増えて来た。
神を祀る聖堂にて、行われて来た裏の顔が表舞台に露わと為ったのを
如何感じたかは、きっと人其々だろう。
かつりと、音を響かせて階段を下りる。
其の姿は少なくとも、彼女が所属する軍の関係者では、ない。)
―――――……此処も、随分と静かになった物だね。
(響かせる声音と共に、最早伽藍堂となった部屋の中を見回し
そして部屋の中、先んじて訪れていた、軍人たる娘へと
軽く会釈を向けては、歩み寄って行く、か。)
御機嫌よう、お嬢さん。 こんな所に忘れ物でも?
■ティリア > (そう。とっくの昔に周知の事実。そして公然の秘密だった。
それが、魔道機械云々の余波によって、表に出されてしまっただけの事。
捜査、摘発。今後の仕事がやりにくくなると、疎ましく考えた者もさぞ多かろう。
…だから。同僚ではない、その人物が姿を見せた際にも。
或いはこの都市の関係者、もしくは…奴隷業種にでも携わる者と。
どうしても考えざるを得なかった。
…きちり。抜き様に撃てる様。腰の一丁が掛け金を外される。)
――――良い事だよ。宗教に携わる場から、夜毎啜り泣きが聞こえてくるなんて。
それこそ外つ国に於ける、真夏の風物詩みたいじゃないか。
(その人物に。じろりと半目、片目を向ける。
薄暗い地下室の中、仄かな輝きを宿した右目を。
先ずは視線。それから、射界を確保する為に。片足を引き、半身から振り返りきってみせ。)
…こんばんは。
忘れ物……いや。失せ物、なら。もうずっと前から。
■ルヴィエラ > (”突然現れた”己に対する警戒は当然だろう
隙を作らぬ様に、何時でも抜き放てる様に構える姿は
良く訓練されている物だと素直に感心する。
けれど掛け金を外す音、其れに驚くでも、怯えるでも無く
寧ろ彼女へと距離を詰めすらしては。)
外つ国の風物詩、が何を指すのかは、思い当たる節が多くて判らないがね。
無為な虐待や暴力によって、自分が高みに居ると勘違いしている連中が減るのは良い事だ。
(――視線を向ける、紅い瞳。
果たして彼女に魔法や魔術の素養が、或いは其れを感知できる才が在るだろうか
もし、其れを知る術が在るのならば。 ――底知れぬ闇と、人ならざる気配を、感じる事は出来るのだろうが。)
そう、其れは難儀な事だ。
失って、取り戻せない物であれば、余計にね。
(きっと、彼女とは初対面だろう。
けれど――意味深に、そんな台詞を紡ぐ。
輝きの異なる其の片方の瞳を、示す様に)。