2018/07/25 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート エマヌエル教会」にリータさんが現れました。
リータ > 明け方から夜まで開いている教会の扉。
いつ何時困っている人が駆け込んでもいいようにとの配慮だが、
関係者全員が寝静まる深夜にはさすがに閉まる。
今宵、少女が重々しい扉を閉めようとした時―――猫にも似た弱々しい泣き声に外へ出た。

「………最近多いですね。」

教会の前で籠に入れられ、生まれたばかりの赤ん坊がふにゃふにゃと泣いている。
何らかの事情で育てることが出来ず、教会ならばと捨てられるケースがある。
悲しげな表情で、少女は赤子を抱き上げた。
誰が捨てたのか、教会を遠巻きに警護してくれている兵士に聞けば分かるかもしれないが、
誰か判明したところで追い詰めるだけで更なる悲劇もあり得る。

ここ、神聖都市すら売春施設が存在していると聞く。
神に捧げた身体が欲まみれの男の餌食となり、妊娠してしまう修道女も多いのだと。
生神女は世を憂い、瞼を伏せたが、己の指を握る赤子の感触に目を開け、にこりと笑う。

「……よく、生まれてくれましたね。貴方にも神のご加護がありますよ。」

リータ > 「さあ、こちらへ。」

扉を閉め、赤ん坊を抱いた少女は教会の奥へと消えていく。
タイミングにもよるが、これだけ幼い子だと実際には教会で世話することは難しい。
教会と繋がる孤児院に頼むことになろうが、どこも資金難だ。
こちらからいくらかの援助をすることも必要となる。

こうして壁のひびを直すことも出来ないのだが、信ずるものがある聖職者に迷いはない。
今夜は赤子の泣き声響く、賑やかな夜となる。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート エマヌエル教会」からリータさんが去りました。