2018/07/20 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > はっきりと言えば、依頼であってもできればこんなところに来たくはなかった。
寺院の香油や蝋燭の匂いも、地下の猥雑な媚薬混じりの香や性臭も気に食わない。
神聖都市と名乗るこの街自体が気に食わない。
自分たちを追いやる神の名を冠するこの街が大嫌いだ。
だが、冒険者であり、いろいろと事情がある少年は、高額かつ簡単な依頼である
『ヤルダバオートの地下街にいる修道女に文を渡してほしい』
という、貴族の依頼を受けてしまった。
その修道女というのももちろん地下街にいる以上、体を鬻いでいるし
その貴族もその修道女の抱き心地が忘れられないというクソみたいな依頼だ。
だが、報酬も高く危険も少ない。
やらない理由がない依頼だった。だが気分が悪いのは変わりはしない。
「けっ…なにが…」
何が神聖都市だ。くだらない。依頼を終えてしまえば正直さっさとこんなところはおさらばしたいのだが…。
■ブレイド > そこら中に立ち並ぶ売春宿には見た目清楚そうな女性や明らかに淫蕩そうな女性
幼い子供のような身なりをした修道女…様々な女性が見て取れる。
王都の歓楽街にも負けない充実ぶりだ。
背徳を背負った性交は興奮を掻き立てるということもあるだろうし
地下という特殊な薄暗い環境でそれを行うというのだから
まぁ、その手の趣味があるものは足繁く通っているのだろう。
特に、宗教に熱心な者たちは。
自分のような冒険者や旅人も、少なくはなさそうだが。
つまるところ、神聖なものを汚すという行為は一定以上の需要があるということだ。
「糞溜めは糞溜めだな…」
この国全体の腐敗はもはやとどまることを知らない。
まぁ、神聖なもの…無垢なものを汚す行為に興奮を覚えるのは男として少しばかり共感できるところもあるが。
すこしばかり未発達な少女の体に興奮を覚える身としては、人のことはあまり言えない。
■ブレイド > 聖職者に道を聞くと余計な祈りもついてきそうだったので
自分で文を届けるべき修道女を探した結果、周囲が結構賑わってきた。
この状況からして、日もだいぶ傾いたのだろう。
日帰りでイケると思ったが、思ったよりも時間を食ってしまったようで
このまま街を出れば、一晩野宿するはめになりそうだ。
「チッ…」
舌打ち一つ。
売春宿に泊まる気はないが、教会の世話になる気もない。
上に普通の宿とかあっただろうか?
そもそも、地理的にあまり詳しくない都市だ。どうしたものか。
■ブレイド > 探せば宿くらいは見つかるだろう。
どちらにも長居したくはない。
さっさと宿を見つけてさっさと休んでさっさと帰ってさっさと報酬をもらう。
それに限る。
ならば地下街などにようはない。
香に酔った様子もなく雑踏の流れとは逆の方向へ。
「やりづれー国だな…つくづく…」
ため息混じりに地下から地上へと。
すべてが全て汚れているわけではないのは知っているのに
綺麗なものにすら臭いが染み付いている。
妙な気分だ。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からブレイドさんが去りました。