2018/06/06 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にフローリアさんが現れました。
フローリア > 夕暮れの聖堂―――神聖都市と呼ばれるこの都市には無数に存在するひとつ。
ステンドグラスから差し込む光は、この街が信仰の拠り所であることを証明するかのように静謐な輝きを湛えていた。
その光の中に、跪き静かに祈りを捧げる黒衣の少女の姿があった。

この場に集まった民衆を前に説法と癒しの祝福を与えていたのは、ほんの半刻ほど前のこと。
癒しの力にも限りがある。長い列になった民衆の全てに祝福を与えることはできなかった。
それはいつものことではあるのだけれど、縋りつく者たちを見ると居た堪れない気持ちになってしまう。

せめて祈りだけでも捧げようと、この場に残ったのだけれど、
半ば強制的に民衆を解散させた護衛に無理を言ってまですることかと言われれば、
ただの自己満足に過ぎないかもしれない。
そんな思いを胸中に抱きつつも、組み合わせた手に力を籠め。