2018/04/24 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」に海石榴さんが現れました。
■海石榴 > 神様 神聖 聖なる 導く おおよそ海賊からしたら似つかわしくない言葉が並ぶ都市
ヤルダバオート
最初親父に連れてこられたときは首を傾げたものだった。
今じゃ何度海賊が立ち寄ってもおかしくはない場所。
変わった女を抱ける場所としても中々なものだろう。
仲間らとバラバラに行動しながら手慣れたもので、表通りには興味はない。
真っすぐな目をした奴 信じる気持ちを失っていない目をした奴。
それらを横目で見ながら地下街への入口へ入りつつ、気まずそうに横切った神父様の目は壁のほうを向いていた。
「へっ」
そう言って笑いながら、胸元をおっぴろげた革ツナギな姿のまま、地下街へ赴き―――。
「さぁーて、どんな風に楽しむかな。」
目つきは暴力 性欲もどちらが先でもよさげな目だ。
チロリと舌なめずりしながら。
身売りするシスターなんて当たり前な世界。
中には神父見習いが尻を差し出すかもしれない。
ここは、そういう場所なのさ。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にアルディナさんが現れました。
■アルディナ > そう、地下街には人間のありとあらゆる欲望につけこむものが売られている。
金さえ出すことができれば、『愛』や『神からの許し』ですら買う事ができるというのだから、
ハテグの主戦場から流れてきたのであろう王国軍の紋章入りの鎧をつけた兵士やら得体のしれない傭兵風の者、
あるいはあなたの見知っている世界であろう海賊――それに類する札付きの男たちもここには多い。
もしかすると、見覚えのある者だっているかもしれない。
「……ん、よかったわ。ちょっとイロをつけておいたから次に私が
『愛』を買いに来るまでに、それでかわいい下着でも買っておいて頂戴。」
……とある娼館の前。
この店の『商品』であろうと思われる修道女の頬に、軽く口づけをしてから
小さな革袋をその手に握らせる、少女の姿があった。
どちらかと言えばこの地下街で売られる類のほうではなかろうか、とも思えたが、
腰のベルトには値打ちものであろうレイピアと、フリントロックがぶら下がっており、
なおかつ派手ではあるが上等な事も分かる衣服に身を包み、『なれている』風を漂わせている。
「……っと、ごめんなさいね。」
振り向きざま、歩き出そうとしたときその小さく柔らかな体があなたに当たる。
少女は一瞬、驚いたようだったがすぐに自嘲するように笑うとあなたに謝意を述べた。
■海石榴 > 表だった欲望が渦巻くこの大陸の中でも、宗教関連からか裏の世界や隠し事を未だ象るのがこの場所だった。
他の場所へ行けば、どこでだってこんな光景は見知ったものだというのに。
しかしそんな裏世界的なものは、賊という字の入った私たちには心地よいのかもしれない。
現に顔ぶれは似たようなやつらばかりだ。
しかし、そこらの娼婦よりは価値はあるのだろう修道女目当ては、客層が広いのも事実だった。
目の前でぶつかった小綺麗な女のように。
「おっと。」
振り向きざまの体で、自身の激しい凹凸へポフンッと丁度顔に埋まるようにして相手が突っ込んできた。
男なら両肩を掴んで腹に膝蹴りの後でうずくまるところに踵だろう。
しかし一度楽しんできたと思われる甘い匂いをさせた同姓。
礼儀正しく挨拶されると背中がムズムズしてしまう。
「へぇ、珍しいね、お嬢様かなんか?」
修道女目当てで足を運んだものの、娼館から出てくる辺り手慣れているのだろう。
物騒な裏世界に一人で。
腰はレイピア……火薬の匂いは同じ銃かぁ……しかも二連。
瞳を細めながら笑むと、娼館前で見送っていた修道女は目が合うとササっと引っ込んでしまった。
「いいね、遊び慣れてそうだ。 お嬢様は幾らで買えるの?」
冗談半分という言葉のように、声をかける。
―――しかし冗談半分ということは、半分は本気であり
それがどれだけ燃え上がるかで意識は傾く。
■アルディナ > 「……えぇ、そうね。いえ、元はそうだった、と言ったほうがいいかしら。
今は、気の向くまま自由に方々を旅してまわる身だから。あなたもそうでしょう?」
どことなく、気取った立ち振る舞いと雰囲気を纏わせた少女は、
そう言うとゆっくりと目を細めて、あなたを値踏みするような視線を向ける。
「その筋肉の付きかたと、微かに手についたロープの結び目の跡……。
……当ててあげる。あなた、船乗りでしょう。実は私も父親が船乗りだったの。
何度か、海に出たこともあるわ。」
少女は出会ったばかりのあなたの経歴を僅かな情報から推測して言い当ててきた。
「……あら。私を抱こうって言うのかしら?
ふふ、幾らに見える? 自分で言うのもなんだけれど、安い女だとは思っていないケド。」
海石榴が冗談めかした言葉をかけるが、その裏に隠された意図を、
少女は鋭敏に読み取り、あなたを挑発するように人差し指を唇に当てて言葉を紡いだ。