2017/11/25 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にアザレアさんが現れました。
■アザレア > いつもながらのはした金で貸し出された先は、どこかの教会らしかった。
身ぎれいにされ、修道衣を着せられて目隠しを施され―――どこか、
とても甘ったるい香りの漂う場所へ連れ込まれて。
じっとしていろ、と耳許で命じられたけれど、誰とも知れぬ男の手が、
四方八方からあらぬところへ這い回り始めれば、大人しくしていられる筈も無く。
思わずけたたましい悲鳴を上げて目隠しを剥ぎ取れば、そこは乱交パーティのような有り様。
否―――修道衣姿の娘たちが、身形だけは良い男たちに寄ってたかって犯されている、
控えめに言っても犯罪現場だった。
目の前に居た、下卑た笑みを浮かべる男を咄嗟に突き飛ばし、
慣れぬ格好に縺れる足を懸命に動かして部屋を逃げ出したけれど、
たったひとつ、見つけられた昇り階段を上がった先は礼拝堂で―――
そこでも、地下同様の狂った宴が繰り広げられていたものだから。
甘く色濃く漂う香に毒されているらしき男たちの眼が、新たな獲物に気づく前。
祭壇の陰に身を縮め、膝を抱えて蹲り―――響き渡る少女たちの悲鳴や嗚咽から逃れるよう、
両手で耳を押さえてきつく目を瞑る。
声を出してはいけない、音を立ててもいけない。
見つからないように―――宴の終わりまで、やり過ごせれば良い。
地下からの追っ手にも、ここで楽しんでいる男たちにも、気づかれないことを祈り続けて。