2017/09/21 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 聖堂」にローズマリーさんが現れました。
ローズマリー > 嘗て、幼い己が預けられていた修道院に附設された聖堂。
瀟洒な、白亜の、という形容がしっくりくる其の場へ連れて来られたのは、
数刻前、日暮れ時のことだったろうか。

家に置いておいてもふらふら出て行ってしまう娘に業を煮やした父が、
祈りを捧げつつ一夜を過ごすように、と、此処の聖堂をひと晩借り切ったらしい。

其れは良い、其れは別に良いのだけれど―――

「……お父様も、相変わらずね……。
こんな所で祈りなんか捧げて、私が改心する、とでも思ってらっしゃるのかしら」

こんな所、と呟きながら、視線を向けるのは眼前の、やたらと立派な祭壇。
其の裏が隠し階段になっていて、地下には修道女を食い物にする施設があることを、
未だ、父は知らないのだろうか。
其れとも知っていて、敢えて此処に娘を―――

「……其処までの度胸は、あの方には無いわね」

溜め息交じりに、そっと頭を振って打ち消す。
きっとあの人は未だに、何も知らないのだろう。
娘を堕落させる第一歩が、正に、此処から始まったこと、など。

ローズマリー > ―――何処からとも無く、声が聞こえる。
悲鳴のようだった、嗚咽も混じっているかも知れない。
けれど『己』は其れが、程無く嬌声に変わると知っている。

ならば暫し、其の声を愉しみながら眠りに就こうか。
ひと晩、起きて祈りを捧げるなど、到底出来よう筈も無かった―――。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 聖堂」からローズマリーさんが去りました。