2017/09/17 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 地下聖堂」にルシルさんが現れました。
ルシル > (ふだん、王城の外はおろか、部屋からも出されない立場だけれど。
それでも月に二度ほど、ひと目を避けて夜更けに、小さな旅に出されることがある。

その夜だけ、一般にひろく開放されているらしい、地下の聖堂。
天井も壁も床も、何もかもが純白の、そのただ中に、ひとり。

白い簡素なローブだけを纏い、頭には白いヴェールをかぶって、
己の両手は、胸の前で組み合わされている。
祭壇を背にして用意された肘掛け椅子に座り、うつむいて祈りを捧げるような姿勢は、
けれど、己の意志でほどけるものではない。
両手首は白絹で括られ、細い首にはやはり白い首輪。
項部分から伸びたしろがねの鎖が、祭壇の傍らにある、頑丈な柱へ結ばれて―――

つまり己には逃げることも、隠れることも、祈りを止めることも許されていない。
頭がぼんやりして、からだが熱くなる、不思議な香を焚かれた聖堂の中で、
ただ、ひと晩を過ごす。
訪れる何者をも拒まず、受け容れ、許すことが責務、と。
幸いにして今まで、純潔を奪おうとする者までは現れていないけれど、
きっとそれさえ、受け容れなければならないのだろう、と)

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 地下聖堂」にムメイさんが現れました。
ムメイ > (傭兵と言うより割と何でも屋に近く、色々と人と親しくなったりする事もある

きっかけは何だったか、多分護衛依頼を受けたとかそんなものだったはずだ
その中である司祭と昵懇になり、酒を飲む程度ではあったのだが――

王城に向かった司祭から報酬として教えられた場所
そこにいる女を好きにしていい、と言う話であり
ここのところ、割と欲求不満ではあった事と、馴染みの相手からの言葉に報酬として受け取った

のは、良いのだが)

――聖なる供物、かねぇ

(隠しているとはいえ魔族である自分がこんな所に入る、と言うのも皮肉を通り越して笑えて来る
少し聖堂の扉を開いたまま、その場所に入れば……既に供物はそこにいた
ゆっくりとした足音が、聖堂の中に響いて彼女へ近づいていくことになる)

ルシル > (供物、とも、贄、とも、ひとは呼ぶけれど、己には呼び名など無関係である。
扉を開くだれかが顔見知りであろうと、まったく知らないひとだろうと、
そのひとが本当は、ひと、ではない存在であっても、
―――逆らってはいけない、抗ってもいけない。
もっとも、堂内に焚きしめられた香はとっくに充満しきって、
己の意識はすでに朦朧と、ローブに包まれたからだはとっくに、
あわい朱の色に染まりはじめており。

組み合わせた両手の指先も、うつむいて祈りのような何かをつぶやく唇も、
からだの芯をあまく蕩けさせる熱感に、かたかたと震えつづけている。

だれかの足音を聞いて、ゆっくりと顔をあげたものの、
ヴェールの下からのぞく瞳は潤みとろけて、ただ、うつろに男の姿を映すのみで)

――――救済を、望まれますか?

(あらかじめ定められた問いかけを、そっと投げかける。)

ムメイ > (近づくにつれて、それが誰なのか分かる
それは――いつぞや、祭りの日に出会った少女だった
様子がおかしいのはこの部屋に充満する香の効果だろう

拘束された彼女が向けるのは、問いかけ
虚ろに自分を見つめる彼女に対して、ゆっくりと間近に立った

そうして、魔族がこんな事を言うのもおかしな話だな
思考の片隅でそう思いつつ)

ああ――俺を、救ってくれないか?

(虚ろな瞳が自分を見つめるのに対し、少しだけ目を細めてから
屈みこんで、彼女に視線を合わせ

問いに対して救いを望む、そう答えてみせた)

ルシル > (そっと首をもたげれば、首輪から伸びる鎖がしゃらりと音を立てた。
間近に見れば恐らくは、頬にも不自然な薔薇色が浮かんでいただろう。

男性で、しかも人間ではない彼には、なんの効果もないものかもしれないけれど、
堂内に満ちる香りは確実に、己の、普段からあるかなしかという希薄な自我を、
根こそぎ摘み取っていきつつあった。

救済を、と望む相手が現れた、ならば、己のすべきことはただ、ひとつ。
祈るかたちに拘束された手はそのままに、ふらつく身体を椅子から滑らせ、
男の足許へ崩れるようにひざまずいて、深くこうべを垂れ)

……わたくしは、貴方に赦しをあたえるものです。
どうぞ、わたくしに、貴方の罪のありかを、お教えくださいませ。

(髪に、肌に、唇に、あるいは望まれるならば、からだのもっと深いところだって、
今宵の己は、目の前の男のために存在している。
赦されていないのは、この聖堂から連れ出すことだけ。
それ以外であればどんな真似をしても赦されるのだ、と、何よりも態度で示し)

ムメイ > (首輪に繋がれ、不自然に頬を染める――そういった香なのだろう
自分には効果が無いが、割と強いのではないかという感覚はある

そうして、赦しを与えると言う彼女の髪に触れる
何処に連れ出す気も無いが、耳元に唇を寄せるとゆっくりと笑って)

ああ、よく知ってくれ。 そして、赦して欲しい

(思うところがある、と言うには彼女の事を知らないし
何より、一度味わい損ねた精気の持ち主だ

どの様にするか、と考えた所で後ろに気づく
半開きの扉、それを思い出せば一度彼女の前から立ち上がると

他の誰かが入れぬ様
その扉を、ゆっくりと閉めて……彼女に赦しを講う事となる)

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 地下聖堂」からムメイさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 地下聖堂」からルシルさんが去りました。