2017/03/25 のログ
リーシャ > 「それにしても、随分と続くなぁ。好き者多すぎじゃない?」

歩いても歩いても石牢と石室。まるで終わりが見えてこない。
事実としては、招かれざる者が入り込んだ時に稼働する無間の罠にかかっているのだが、知る由もない。
やがて二十を超えた角を曲がった時の事、目の前に何やら怪しげな男が移る。
暗い色の髪に法衣を纏ったその姿は、上の修道士なのだろうかと思わせる
しかも、それが首を大きくぐるりと回しているのだから、不審さは十二分だ。

「……いやいや、ちょっと怪しすぎやしないか、なぁ……」

不意に目が合う。面倒なことになったぞ、と頭を抱えたくなる。
やがて近づいてくる男は、先ほどの奇行など何もなかったかのように声をかけてきた。
それには思わず苦笑しながら、ジト目を向けると。

「お一人だよ。ボク以外に誰かいたらお手付きじゃない。
 で、君こそ何してるのさ。ぐるっと首大きく動かして見回して。
 正直、怪しさ抜群なんだけど……あ、誤魔化されないからね、見てたし」

敵対するつもりはないが、かといって心を許すには怪しすぎる。
故に適度な距離を取るべく、少しばかり他人行儀に、問いと指摘を重ねた。

アヌラ > 「ふむ、ファーストコンタクト失敗ですねぇ
いやはや人目が無いとハッスルしすぎてしまいましたね、反省しなければ!」

最後の一言の折に目を見開く
初対面の少女に怪しさ抜群と言われてしまうとは何たる事か
幼女から熟女にまで愛を語りかける自称フェミニストとしてあるまじき事態
一先ず警戒を解くため飴を差し出してみる

「これでも食べて私への悪感情を払拭するといいでしょう
いやはや、奴隷でも色事目的でもない少女がこんな所で何をしているのかとね?いやはやいあまぁ、私!気になった次第です!」

ニッコリとした笑み
子供たちが見れば数人は泣き出しそうな素敵な笑顔
見開かれた黒目がじっと少女を見据える

「あなた…よく見ればごちゃごちゃしてますねぇ?
ですが、遊びに来たわけでもないですよねぇ?
もしかして泥棒さんか何かですかな?」

頭の先からつま先まで観察する
体中を舐め回す様な視線は良い気分はしないだろう

リーシャ > 「んー、テンション振り切れてる系?まぁ、怪しいからといって何するわけでもないけどさ。
 反省とかはまぁ別に、一人でしててくれればいいから……あ、飴は遠慮しとくよ。お薬とか怖いし」

悪いね、と苦笑しながら、観察。彼の問いには、ふむ、と少しだけ考えて。
どこか不安をあおるようなにこやか笑顔を眺めつつ、一つ咳ばらいをすると。

「ん、とりあえず犯罪をしようとかそういうのじゃないよ。ちょっと奥から表に抜けようかなって。
 で、この格好はダイラスの闘技場で押し付けられた感じ。というわけで、おーけい?」

嘗め回す様な視線も、娼婦の頃に慣れたものだ。
平然と受け止め、首を傾げて見せながら、同じく相手を観察。
武芸に秀でたようではないが、何らかの凄みは感じる。
抜け目のなさは確かで、中々隙を見せない雰囲気だ。

「で、ボクは事情を話したけど、君はなんでこんな処にいるのさ。
 女の子に逃げられでもしたの?で、探してたからきょろきょろってしてた感じ?」

こっちから答えるだけじゃフェアじゃないよね、と問いを投げ返す。

アヌラ > 「振り切れてる?何を仰います、私はいつでも平常運転でございますよ」

飴さえも断られてしまったので自分で食べておく
舐めずに嚙み砕くとスッキリ爽快

「なるほどなるほど、ではなぜ奥からなのかは聞かない方がいいですかね?」

闘技場で押し付けられたというのはおそらく嘘ではない
話をする様子が嘘を言っているそれではない
が、正直に全て話す様な相手とも思えない

「私ですか?
私はこの場所が好きなのでございます!
思考がユルユルのガバガバになり精神も高揚してしまうこの場所が!」

満面の笑みでそう語る
ここまで騒いでも誰もこちらに見向きもしないのも自分的に高評価
観察しているのなら何一つ嘘をついていないのが分かるだろう

「そして女性に逃げられたというのは誤解でございますね、探していたというのには心の底から肯定いたします。
私、あなたの様な面白そうな方を愛しているんですよ」

叩けば何かが落ちてきそうな彼女を自分は愛している
もっともっと知りたい、調べたい、覗きたい
とは言え手を伸ばせば斬られてしまいそうな彼女の雰囲気、気軽お手軽には手を出せそうにない

リーシャ > 「そっか。それじゃそういうことにしとくよ。うん」

会話のペースを握られているような気がして、やりにくいなぁと苦笑い。
飴を噛み砕く様には、杞憂だったかと思いつつ、しかし油断はしない。

「んー、別に構わないよ?奥でエッチなことしてきたーってだけのことだし。
 流石に相手が誰か、とかはプライベートだから教えられないけど、ねぇ?」

別段隠し立てをすることでもないし、あっけらかんと理由を口にする。
そもそも、彼を相手にする隠し事など、プライベートの身の上話くらいだ。
一介の冒険者が何らかの陰謀に携わるわけでもなく、機密情報などを扱うわけでもなく。
疑われて面倒を抱えるならば話してしまえ、と素直に言葉を紡ぐ。

「ふぅん。ま、好みは人それぞれだしね。良いんじゃないかな。
 ただ、君は思考ががばがばでもゆるゆるでもないみたいだけど」

こうして探り合ってるし、と片眼を瞑りながら肩を竦める。
お互いにうそをついていないのだから、話自体は早かった。

「――んー、ボクは君を愛するの無理かなぁ。そもそも初対面だしね。
 ついでに言えば、ボクはそんなに面白くないよ。ただの冒険者だし?」

それ以上でも以下でもない、と言いたげに、さらりと答えてみせた。
とりあえず、切っても面倒そうだから、刀を抜くつもりはなかった。

アヌラ > 「これはこれは、お互い理解が深まりましたねぇ」

理解は良きこと尊いこと
これでまた彼女との距離が一歩近付いたはず

「それはなんとまぁ、そこは赤面でもしてくれれば嬉しいですねぇ
いえいえ、相手様の事などお聞きはしませんよはい」

奥の部屋…自分は入れなかったがあそこは確かと記憶を漁る
一瞬硬直してしまったがいつもの癖なのでいたしかたなし
ふむ、と少し残念そうにため息をつく
素直に話してくれるのは嬉しいがちょっと物足りない

「おぉ、私が常に思考し続けていると理解してくださるのですね?
これは素晴らしい!私の事を素直に褒めてくれる方には久しぶりに出会いましたよ!」

正確に言えば24日ぶり
嘘をつかない正直な会話はとてもスムーズに進む
進んでしまう

「愛は突然に芽生えるのですよ?
そう、それはまるで天啓のように!!」

無神論者なので天啓を受けた事はないのだけれど
さて、ここで初めて彼女は噓をついた
否、嘘とは言い切れないが事実ではないことを

「ただの冒険者ではないでしょう?
加護に呪いに…これは人体改造でしょうか?
ここまでごった煮な方をただの冒険者扱いするのは失礼に当たるのでは?」

首を傾げついでに首の肉を解す
ゴキゴキと気持ちよく聞こえてはいけない音も聞こえた気がするけど気にしない

リーシャ > 「そうだねぇ。残念ながら深まっちゃったよ」

やれやれ、全くやりにくい。さながら暖簾に腕押しだ。
あまり詰められたくない距離が詰まったような気がするが、はてさて。

「んー、その程度で赤面するほど、初心じゃないってことだよ。
 まぁ、聞かない方が良いかもね。ボクでも勝てない人だから」

負けたから奥にいたのだ、と暗に示しながら苦笑を浮かべる。
彼の残念そうな溜息は、しかし今の少女には最も欲しいもの。
物足りない状態でそのまま、飽きてくれればいいのだが――。

「ぁー、だって、君、ずっとボクのこと観察してるじゃない。
 ボクに怪しい所があるかないか。あればそれを切欠にしようって」

理解はしているが、したくはないのが本音。
ついでに言えばそんなに褒めてないのだが、否定したところで無駄だろう。

「で、ボクは早く上に帰りたいなぁって感じなんだけど。
 一晩中遊んでたから、お腹も空いてるし、何よりくたびれたしね」

愛の下りはしれっと無視して、そのまま受け流そうとする。
が、ただの冒険者というところに食いつかれたようで、その観察力には舌を巻きながら。

「へぇ、そこまで分かるってことは慣れてるね。そういう、お仕事かな?
 だとしても、別にボクは誰かに危害を加えようとか、そんなことは考えてない。
 だから、どんな力を持っていてもただの冒険者だよ。それ以上は望まないから」

ごきごき、という音には、それ気持ちいいよね、と少しだけ目を細めて。
こほん、ともう一度咳払いをした後で、彼を見ながら。

「さて、通してくれるのか、それとも何かするのか、どっちだい?
 ボクの不意を打つのか、弱みを握るのか、しらないけど、さ」

通してくれるなら通るよ、とだけ告げると、あとは返答を待つ。

アヌラ > 「悲しいですねぇ。男の子はいつまでも美しい女性には初心で居てもらいたいものです
処女崇拝なんてものができる程世の男性は夢を追いかけているのに」

涙が出そうだけれど現実を受け入れないといけない
ここはぐっと堪えなければ
因みに、個人的には処女だろうがなんだろうが気にしない

「おや、予想以上に賢い様ですね。私、余計にあなたの事が好きになりましたよ」

理解しているうえで付き合ってくれる彼女に好意すら感じる
このまま食事に誘いたいきぶんである

「お仕事は外を走り回る仕事を少々
この仕事に就いたおかげで健康的にもなれましたよ」

危害は加えない…そこは割とどうでもいい
自分の狙いは彼女をもっと知り、理解すること
けれどそれよりも大事な事がある

「お疲れのあなたを無理に付き合わせてしまうのは私としても本意ではありません
どうぞ地上に上がりお食事を楽しんでくださいませ」

体を横に向け入り口の方向を手で示す
彼女は実際何もしていない
自分の欲求を満たす為に拘束するのはとても紳士的ではない
自称フェミニストとして許されざる行為

リーシャ > 「そう出来れば良かったのだけど、負けたら嬲られるのが世の常だしね。
 冒険者として長いから、生娘の心情はとうに捨てちゃったよ。うん。」

だから、慎ましくはないんだなぁ、と苦笑い。
彼が堪えているなど露知らず、あっけらかんと過去を吐露する。

「ん、馬鹿じゃないよ。経験と勘はあるんだから、油断禁物さ。
 で、怪しい所はあったかな?あ、この格好以外でね」

こんな場所で革製のビキニ風鎧、なんていうのは怪しいことこの上ない。
それだけは、言ってくれるなという気分だった。

「それはそれは。デスクワークだけだと運動不足になっちゃうし、善哉善哉。
 ってことは色々見まわるお仕事なんだね。情報収集で、外に出て走り回る……。
 ふぅん、断言はできないけど、調査を専門にしてる実働員って感じ、かな?」

とはいえ、そんな組織があるのかも知らないから、何とも言えないけれど、と付け加える。
理解したいならばすればいい。とりあえず今のところは何も後ろ暗いことはないのだ。

「ん、それじゃ、失礼。食事に睡眠に、しっかり楽しむことにするよ」

じゃ、ばいばい、と手を振って、少女はゆらりと歩いていく。
その後、少女が無事にこの地下施設を抜けられたかは神のみぞ知ることだろう。
あるいは彼が尾行してくるのであれば――彼もまた、少女の行方を知っているのかもしれない。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 地下」からアヌラさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 地下」からリーシャさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート 市街」にリーシャさんが現れました。
リーシャ > どうにかこうにか、地下の空間を抜け出した少女は、宿でまずは睡眠をたっぷりとって。
そして一夜が明ければ空腹に目覚めて、下の階の酒場にやってきていた。
皮鎧の上には一枚、外套を羽織る。煽情的な衣装は、公的にはあまりよろしくないらしい。
地下ではあんなにいろいろやっているのに、とも思うがこればかりは仕方がない。

「ま、とりあえずご飯ご飯。えーと……ぁー、もしかして、おかゆとかしかないかも?」

神聖都市という名の通り、ここは修道士達の都。料理も自然と簡素になるらしい。
肉も魚もメニューにはあまり書かれておらず、菜食主体のメニューを眺めて、少しばかりがっかりして。
とりあえず、ミルク粥を頼むと、のんびりと到着を待っていた。