2016/12/20 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にミーシャさんが現れました。
ミーシャ > ――不死者にとって都市自体が宿す神聖な輝き満ちる町並みは煉獄に等しく、影を生きる者には決して混じる事ができない神聖なる香気満ちる大通りを今宵は不死者が彷徨い歩く。

上質のルビーと見紛う透き通る深い赤い瞳を爛々と輝かせ、薄く小さな唇に不敵な笑みを浮かべ、足取りは静かに交互に彩る影と光を浴びながら、当て所なく大通りを彷徨う……。
鋭く整えられた爪が煌くその左手にはネタをメモする為の赤い手帳、右手にはお気に入りのとある永続魔法が掛かった羽ペン、つまりのところ……新作の小説のネタが尽きて、そのネタを探しに夜の神聖都市を散歩しているのである。

「……ダ、ダメだ……今回こそだめダ……アイデアがネ?」
光が強いと影もまた強いとは良く言ったもので、何度か神聖都市ヤルダバオートにお邪魔している所為で、その光の中に濃い闇が沈み澱んでいる事を感じ取っ手からは始めてきた時は身体に薄い魔力の膜を張り、澱んだ都市に満ちる影を纏うことで比較的自由に歩く事ができている。

で、それを利用して新作の小説のネタを探しているわけで、何か面白そうなものがあれば思うがままに手帳にペンを走らせ、美人のシスターがいれば容姿を衣服の特徴を書き連ね、私服を肥やしてそうな司祭にいたっては確りと絵心皆無で似顔絵まで描いている。
さて、今宵も一人、神聖都市を歩く吸血鬼、無事小説のネタに有り付けれるかどうかは日ごろの行いと言う奴だろう。
眉間に皺を寄せ、必死にメモを取る姿は吸血鬼と言う点を除いても異様な姿で光景で……。

ミーシャ > 「……いや、私は善良な信者で、ただの小説家ですヨ?」
30分から1時間くらい歩いた時だろうか?
急に周囲の視線が微妙に険しくなり、それどころか神殿や教会の守護騎士っぽい重装備の人間が集まってき始めた。

――これは、流石に怪しすぎた?
何て反省する間も与えられず、行き成り問答無用で尋問でも始まりそうな気配を感じ取っては急いで走り出す、それはもう前代未聞の全速力で……。
ココから先もココを取材の場所として使いたいのだ…、無用なトラブルを避けるため涙を呑んで敗走するのだった。

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からミーシャさんが去りました。