2016/12/01 のログ
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」にミーシャさんが現れました。
■ミーシャ > 「………此処ならゆっくりと観察できそうネ……。」
官能小説の舞台取材と言う事で神聖都市ヤルダバオートを久しぶりに訪ねる吸血鬼の少女?が一人。
今宵は丁度良く手入れがされている割に人気が全く無い教会を選んで内部を詳しくメモしようというのだ。
で、その教会は当たり前だが出入り口が閉まっていた……なのにどうやって侵入したかと言うと、極単純。開いていた2階の屋根より蝙蝠の群に変化して入り込み、窓を閉めてから祭壇の前にヒトの姿へと戻って見せると言う聊かズルい荒業で侵入しただけのこと。
雲ひとつ無い夜空が欠けた月が放つ冷たい光がステンドグラスを通して教会の中を照らす唯一つの光源になり、それを全身に浴びながら無数の蝙蝠は差し込む月明かりの元に集い、蝙蝠は月狂いの如く教会で一斉に泣き喚くと、黒い蝙蝠の合間から白い肌を持つ人影が生まれ、人影は群れなす蝙蝠の合間から両手を空に向けて伸ばし、左手で指をパチンっと弾くと、蝙蝠は一瞬にして液体へと変わり、白い肌の人影の身体に纏わり付く……。
それは刹那の事
次に人影が呼吸をする時には既にその人影は何時もの少女?になり、何とも言えぬ悩ましき色合いを交えた溜息を大きく吐き出した。
「……意識拡散するト、束ねた時に気持ち悪くなルのが弱点だよネ……。」
と、少し魅せる事を意識した登場に誰も見ていないがきっとカワイイだろうと自己満足し、それを終えたところでそのままグーっと両腕を天井に向けて伸ばしてから、大きく大きく息を吐き出して見せる。
ふわーっと呼吸とともに立ち上る白い息は教会が寒い事を愚痴らなくても表現してくれるし、その寒さに溜息を吐き出した唇をへの字にまげて、思わず素の不機嫌そうな表情を浮かべてしまった。
今宵は無人の教会、出会いなどあるものだろうか?
まあ取材に来ている吸血鬼にはあまり関係ないこと…ではないかもしれない。
■ミーシャ > 「……ちょっとだけ登場が派手だったかしラ?」
身体に触れている蝙蝠だったモノが影の塊が素肌に馴染むのを感じながら、スカートの裾まで確りと固定できたか、裾の方が黒く染まるスカートの裾を指先で摘み、軽く持ち上げながら、その場でくるっと1回転して見せる。
ふわっと揺れるのは摘んでいない部分の裾、と特殊なウィッグで飾り立てた銀糸と見紛うばかりの輝く銀色の髪……本当に仄かに香るのは甘い香水の香り。
「よシ、完璧カワイイ………。」
最後にキュと音を立たせ、靴先で床を鳴らし回転を止めると、軽く膝を曲げて、誰にと言う訳ではないが丁寧な挨拶の仕草を一つ。
そして自らがかわいいことを再確認するのだった。
が、その可愛さも人が見ていなければ半減以下だと気がつくのはほんの数秒後、挨拶のポーズのまま軽く俯き加減で視線を人気のない教会のあちらこちらへと彷徨わせる
誰か本当にいないのかな?と……
■ミーシャ > さて、待てど暮らせど誰も来ない
当たり前だ……人気の無い教会をわざわざ選んだのだから。
暫く間、軽い足取りであちらこちらを見学し、気になったところは小まめにメモをしていく。
適度に小説のねたになりそうなアイデアをまとめ終えると、今度はちゃんっと出入り口のほうから外へと出て行くのだった。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート」からミーシャさんが去りました。