2016/10/03 のログ
■アニエス > ざわ、と己を取り巻く空気が慄き、呼吸すら圧するように密度が増す。
この次に来るものが何なのか、己にはもう、良く解っていた。
逃れたい、と足掻く指先が闇に溶けて、意識が急速に失われてゆく。
――――嗚呼、また。
今宵はどんな夢を見るのだろう、
どんな風に、この身は汚されてしまうのだろう。
堕ちる、堕ちてしまう。
逃れる術も見出せず、また、一歩深淵に近く。
昏倒した修道女の姿は、翌朝、若い修道女に発見されるまで、
礼拝堂の床の上、ぐったりと動かず――――。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート とある修道院」からアニエスさんが去りました。