2016/09/27 のログ
ご案内:「ヤルダバオート内神殿」にツァリエルさんが現れました。
■ツァリエル > 粛々とした荘厳な祭事の場、神殿内にステンドグラスから注ぐ光が色とりどりに床を染める。
そこの長椅子の一つに、質素な服装と首から聖具(ホーリーシンボル)を下げ熱心に祈るツァリエルの姿があった。
目を閉じ両手を組み合わせて、姿形見えぬ自らの神ヤルダバオートへと無心のまま祈っている。
祈りの中身は近頃自分の身に起きている異変についてだった。
■ツァリエル > 眠れば淫靡な悪夢に取り憑かれ、男の身で有りながら異形の怪物に延々はらまされ続ける様を味わう。
起きれば、その余韻が冷めぬせいか嫌に体が火照って敏感になり、日常生活に差し障りがあるばかり。
それどころか一度たががはずれてしまえば
場所もひと目も気にすること無く理性などない獣のように他人との交合をまぐわい貪ってしまうのだ。
そうしてそれが終わるとひとしきりこみ上げてくる充実感。
以前の自分では考えられないような変化についに自分がおかしくなってしまったのかと思ったが
どうももしかしたら何か悪魔か淫魔にでも取り憑かれたという可能性もあるという。
■ツァリエル > 故にこうして神聖な場で熱心に祈りを捧げ、
あるいは顔見知りの司祭に自分を清めて払ってもらおうかとこうしてひっそりと
ここを訪れたのだが、頼むはずの司祭は今いささか手が塞がっているらしい。
急ぎの用件でもないため、待たせてもらっているが心ばかりは落ち着かず気がはやる。
■ツァリエル > だが心の深い部分ではわかっているのだ。最早汚れたこの体に神は宿らないし
いくら祈りを捧げた所で本当の救いの主は自分の目の前に現れることなどないのだと。
以前も一度窮地を救ってくれた相手が居たがその人は神でも何でもないと自分で自分のことをそう言った。
信心深いツァリエルでさえ、本当の神を見たことはなくただ自分の心の中よりその形を見出すだけだった。
この祈りが時々無駄ではないかと訝しんでしまう時がある。
それこそが自分の信仰心を試すものであると信じてもいるが。
遠くから件の司祭の呼ぶ声がする。どうやら先の用事が終わったらしい。
顔をあげ、祈りを解くと今参りますと返事をして、長椅子から席を立った。
向かう先はかの司祭の部屋だった――。
ご案内:「ヤルダバオート内神殿」からツァリエルさんが去りました。