2016/06/28 のログ
ナイジェル > (喧騒はだんだんと大きくなっているが、近づいてくるよりも逆の方に向かっているのを感じ、火を灯してないのが幸いしたか、あの管理体制では良くある事なのだろうかといまだ眠ったままの女の顔を見てほっと息を吐く。
もう少し連れ出すのが遅ければ、鉢合わせだったのを思うと女の普段の行いが良いのだろうと結論付ける。
商品になる事がなくなっただけで、どちらが良かったと思う事になるのか分らないがとハニーブロンドの髪を手にとり、にやっと笑って)

騒ぐな。

(腕の中で健やかだった寝息が僅かに乱れ、微かに身じろいだと思えば眉間による皺、瞼が小さく震えてゆっくりと開き、焦点の曖昧な青い瞳が見開かれる。
周りが見えない闇の中だとは分ったのか、僅かに上げた声、薬が抜け切ってないのだろうか、殆ど掠れて吐息になって消えていくと低く冷たく告げる。
周りには探す者の気配は感じられず、喧騒もいつしか収まっているのは分っているが、状況を知らぬ女は捕らえた者と考えるのは普通だと。
手枷は付けたまま、取った態度次第で先を考えるかと空間から灯りを取り出し、互いの顔ぐらいは見えるようにして)

サフィール > (目覚めたばかりの己が現状を把握するには、まずこの暗がりに目が慣れなければならない。
何処かで騒ぎ立てる男たちの声、乱れた足音が聞こえる気もするが、
それらと己自身とを関連付けるほどの思考を、咄嗟に巡らせることも出来ず。
―――それでも、至近距離に見知らぬ誰ぞの顔を認め、もう一拍間があれば、鋭い声を張り上げてもいた、だろうが)

っ、―――……!
(胸元へ、鋭い刃を突き立てるように。響いた声音に喉を詰まらせ、更に瞠目しつ、半開きの唇を震わせる。
己が声の主の腕の中に在ること、肩から腕に引き攣れたような痛みを感じて身動げば、
両手が後ろ手に拘束されていること、―――そして、意識を失う直前のこと。
思い出して、認識して、―――あるいは、誤解して。
ぽう、と浮かんだ仄明かりにも、眩しげに目を細めながら)

………これは、いったい何の、真似ですの。

(己の身分、素性、それらを知っての狼藉か、と。
睨み据える双眸の色は明らかに、目の前の男が己を拉致した、あるいはさせたものと、誤解している様子。
抱きかかえられた身体を硬く強張らせ、返答次第では自由の利く足を振り上げて、
はしたなく暴れることも辞さない、と)

ナイジェル > (目は覚めたが薬を使われていたのか、いまだ曖昧な様子で僅かに動くのは瞳だけ、思考もはっきりとしてない様子で、声を上げられなかったのは幸いかとほっと息を吐いて。
僅かに顰める顔、感覚が戻ってきたかととりあえずは言葉に従い騒がぬ女をじっと見つめる。
腕の中で僅かに身動ぎして確認しているのは分るが、何も言わずにただ灯りを取り出す)

何、美味そうだと思った、ただそれだけだ。
我は汝の事は何も知らぬ。
ただ、その言葉からすれば、少なくとも貴族ではあるようだが。

(それまで闇の中にいたからだろうか、明かりに目を細めた後、睨みつけて告げられた言葉、やはり誤解しているかと小さく溜息を吐く。
それでも言葉にはh従ったまま、腕の中で落ち着いたまま騒ぐ様子も見せず、周りにも響かない声だったのを思えば、また静かに告げる。
その気になれば何時でもいただける状態であった、言わずとも分るだろうと自ら誤解を解こうとせず、不自由ながらに今までこうして待っていただろうと目を細めて。
その上で暴れたなら拘束したまま、大人しくしているなら、拘束を解いてからいただくかと見つめて)

サフィール > (意識を奪う薬だったか、あるいは何某かの魔力を用いられたか。
背後から羽交い絞めにする誰ぞの腕から逃れようと暴れた結果、首筋へチクリと痛みが走り―――
そうして気がつけば、この有り様である。
相手の人相を吟味する間など無く、それではあれもこの男だったのか、
それとも誰か、ならず者の類でも雇ったのか、頭の片隅で巡る思考はあれど。
少なくとも、―――語られた「理由」を聞けば、心は決まった。)

…ふ、ざけた、ことを、…仰らないで、頂き、たいわ…っ…!

(青い瞳の奥に、勝ち気な光が宿る。
声は未だ掠れていたものの、拘束されているのは腕のみ。
ドレスの裾が派手に翻るのも厭わず、勢い良く振り上げた足で、男の肩口辺りを蹴りつけてやりたい。
勿論、所詮は荒事に慣れていない小娘の攻撃。
加えて、強制的な眠りから目覚めたばかりの状態では、きっと普段以上に動きは鈍い。
高く振りかぶった踵が男の肩口を捉えるより早く、この足を掴まれてしまうか、
あっさり往なされてしまうか、それとも。)

ナイジェル > (心が決まったのか、青い瞳の奥に宿る勝気な光、腕は枷られているからと振り上げられた足に判断はなっていないなと苦笑いを浮かべる。
壁に背を預けての姫抱きな状態、下手に攻撃を狙うよりも抱え辛くするため、暴れてバランスを崩したほうが良いのにとドレスが翻る事も厭わず、肩口に勢い良く落ちてくる足をあえて受ける。
強制的な眠りから目覚めたばかり、不安定な状態、何よりも体重差、揺るぎもせず、痛みを与えられず、逆に蹴った足の方が痛くなるだろうか)

ふざけてなどおらぬ。
牢に入れられた汝を見て、そう感じたからこそ、こうして連れ出してきた。
信じるかは知らぬが。

(告げるだけ告げ、姫抱きの体勢から地面に立たせ、よろつくようなら身体を支え、竿と縄を作って見せ付け、右足を掴む。
自ら翻すくらいだから構わないだろうとにやっと笑い、右足をゆっくりと上げさせると竿に縄で固定する。
逃げれると思うなら抵抗しても良いと右足を下ろし、左足を掴んで足を軽く開いた状態で竿に拘束する。
これはせめてもの情けだと大きめのベッドを出現させ、その上に押し倒して)

サフィール > (結局のところ、ひとを攻撃する必要になど、これまで一度として迫られたことの無い世間知らずだった。
己の判断が誤っていたことを思い知らされるのは頭に、では無く、
男の強靭な骨格と筋肉とで形づくられた肩口へ、振り降ろした踵、そして足首が、鋭く走る痛みというかたちで。
靴を履いていたらもう少し違っていたのかも知れないが、痛みを覚えたのは如何やら、己だけのよう。
反射的に顔を歪ませたものの、悲鳴だけは辛うじて飲み込んだ。
心なし、涙の滲む目で、なお、男を睨み上げて)

…わ、たくし、は…そんな、…容易く、組み敷い…て、良いような、女、では、
――― いや、離し…ッ…!

(姫抱きの体勢から支えつきとは言え自らの脚で立たされれば、
直ぐに見っとも無くふらついてしまい、やはり己の身体が未だ、まるで
本調子では無いことに気づかされる。
口惜しくも男の腕に支えられて辛うじて立っている状態、逃れようと身を捩るものの、
肝心の足が言うことを聞いてくれない。
己に出来る抵抗など、ぎこちなく身をくねらせ、危うげに踏鞴を踏む程度のこと、
何処からともなく現れた竿に両足を括りつけられ、四肢の自由を奪われた身体を
大きな寝台の上へ投げ出されて、―――それでも。
圧し掛かってくる男の下から、何とかして逃げ出そうと、懸命に頭を振って身動ぎながら)

やめ、…恥知らず、無礼者、ッ…!
は、…なれて、離れ、なさい、この、……
わたくし、…わたくしを、誰だと、思って、―――

(己の、名を。口にしてしまえば、男は身を引くだろうか。
それとも、逆効果になってしまうだろうか。
判断がつかない、けれど、男がもし、己の肌を暴こうとするなら。
その時にはきっと、蒼褪めたこの唇が、己の名を、声高に叫んでしまう筈。)

ご案内:「神聖都市ヤルダバオート とある聖堂地下」からサフィールさんが去りました。
ご案内:「神聖都市ヤルダバオート とある聖堂地下」からナイジェルさんが去りました。