2023/07/25 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にヴァーゲストさんが現れました。
■ヴァーゲスト > 夜の奴隷市場都市バフートは退廃的で最高に人間臭くて好きだが、奴隷を買いに来る予定でもなきゃわざわざ足を運ぶほどでもない。
なのに、だ。
何故夜の奴隷市場を真っ赤な林檎を齧りながら歩いているかと言うと、仕事の一言に尽きる。
あれだボンボン貴族のお守り。
1週間ほど滞在で現地では奴隷市場都市直々の護衛が紹介されるそうで、行きと帰りだけ護衛して欲しいとの事。
それはもう奴隷市場都市のお偉いさんが直々の紹介をする程金持ちらしく、自分にも大変羽振りが良い特上客で一晩くらい奴隷を買えるゴルドをポンッとくれたので、今こうして林檎を片手に奴隷市場を歩いている。
こう見えてもボンボンのお坊ちゃんほどではないが、少しばかり貯蓄はあり、小遣いなんかもらわなくても奴隷を買い上げるくらいは出来るわけで――…まあでもゴルドに罪はないので貰う、もらってさてどうするか?ってところが現状だ。
全うな街灯はないのかよ?と心で突っ込みを入れるほどに、通りを照らす街灯は桃色に紫に怪しげな色とりどりで、道に香るのは……。
「こりゃ……まあ、そうだろうなぁ。」と思わず林檎を一齧りしながらポソっと言葉を零すくらいに、怪しげな匂いしかしない、スンッと鼻をならしてその匂いを追えば、すえた男女の匂いとそれを掻き消す為の精力剤?媚薬?な退廃的な匂いがする、ご苦労なことである。
その匂いを意識的に嗅がぬようにしながら、隻眼の右で辺りに面白いモノでも陳列していないか視線を向けて、また林檎を一齧り。
育ちのわからぬ人間の奴隷。
どこからか掻っ攫ってきたと見えるミレー族の奴隷。
エルフに……ありゃ吸血鬼か?と、悪い意味での人種の宝庫、掘り出し物があれば手をだすのも吝かではないが…。
■ヴァーゲスト > ――…特に興味を引く奴隷はいない。
と、真っ赤な林檎をまた一齧り。
数人の奴隷商人が色々とアピールをしてくるが、ピンッとくる売り言葉もなきゃ実際に見せてもらっても興味がそそられる事もなし。
――それでもしつこく今はお見せで出来ないがーと騒ぐ商人には暫く滞在予定の宿の名前と自分の名前を教えて、手紙を送るか、実際に連れてこいと伝えておく。
今夜はこんなものか?と愚痴り欠伸の代わりに林檎を齧りながら奴隷市場より抜けて、目指すは依頼主が用意してくれたボチボチランクの滞在予定の宿の方へ歩き去るのであった。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からヴァーゲストさんが去りました。