2023/04/28 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にリシェスさんが現れました。
リシェス >
 全く。
 毎日毎日、よくこんなに奴隷で溢れかえるものだと感心してしまう。
 奴隷市場で行われる奴隷商たちの奴隷売買。
 高貴な血筋からただの人間、魔族、ミレー族、エルフにドワーフにピクシー、人の形をした獣族。
 多種多様な奴隷が豊富に揃っていて、買い求めようとする客と、観光のように見世物として見ていく者がいる。

 高貴なドレスに身を包んだ、妙齢の女。
 その美貌と富を押し隠すことなく体現したような女の黄金色の瞳が、奴隷市場で売られる"男"達に注がれている。
 その脇には複数のボディーガードである奴隷たちを引き連れて、高いヒールを鳴らしながら長いプラチナブロンドの髪を払って退屈そうに眇められた。
 バフートで男娼館を経営するその女の目は、獲物を狙う強者のソレだ。

「どれもこれも貧相ねぇ……うちで扱うには、裏方の仕事も任せられそうにないわ」

 そんな風にぼやいては、手に持った煙管を吸う。
 ふぅ、と形の良い薄紅色の唇から吐かれた白煙が、風に流れていった。

リシェス >  ■
 奴隷商人たちが、我先にと男の奴隷をアピールする。
 男の奴隷を高く買い取ってくれる女はこの市場で上客のようだ。
 特に見目の良いもの。男らしい顔立ち。身体つき。
 犯罪奴隷だろうと、傷物であろうと、彼女の前では関係ない。
 そのお眼鏡にかなえば金になる。
 奴隷もまた、見目麗しい美女の奴隷ならばと各々が買い取ってくれと熱望するだろう。

 肘に手を添えて、金と黒漆の高級感のある煙管を細長い指先で弄びながら、値踏みする。
 何人もの奴隷を見ては、視線を巡らせ、流し、口元に愉し気な笑みを象る。
 楽しい買い物の時間もそろそろ終わりの頃合いだ。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からリシェスさんが去りました。