2023/04/20 のログ
ルーシア > 奴隷の売買を基本とするも、奴隷の貸し出しも行っている、とある奴隷商。
今日は貸し出しの客が来るとの事で、少女は店内にある個室に呼び出されていた。
今、その個室の中には店主である熟年の男性と少女の二人きり、客の来室を待っているところだ。

いつもの事だが、依頼内容は少女へと直接は教えられない。
ただ分かっているのは、自分の魔術の腕を買われ、良いように使われるぐらいだろう、というのが自分の予想。
今までもそうだったし、これからもそうなんだ。
そんな生活が、いつまで続くのか…いや、自分は奴隷何だから、ずっと続くんだろうと。
そう考えると気が滅入ってきそうだ。

それにしても、今日の客はいつ現れるのか。
来るならさっさと来てくれないと、このクソジジィとずっと面合わせてないといけないんだけど?
ま、来たら来たで、また面倒で無茶な仕事でも押し付けてくるんだろうからやってらんないったら。

そう心の中で毒づきながらも、待つしかないのだからしょうがない。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」にクロスさんが現れました。
クロス > (奴隷市場都市バフート、噂の通りにどこもかしこも奴隷を扱っているのが見てわかる不気味な場所であった。
本来、奴隷を買ったりするなど全くなく、この場所に足を踏み入れることはまずなかった。
だが、今回は特別な用事が出来てしまったためここにやってきたのだった。)

「…臭う場所だな…さっさと交渉を済ませて離れるか…。」

(ミレー族、動物の嗅覚のせいで普通の人間の倍の臭いを感知しているためか、鼻腔の奥がひどく痛む。
やがて待ち合わせの場所個室にやってくれば、そのドアを叩く。)

「…よぉ、ちと遅れたな…。」

(熟年の男性と少女の目の前に現れる男、クロス。
背中まで伸びている長く毛先が痛んでいるような長髪に耳と尻尾、何よりその恰好。
甲冑の出来や武器からわかる通り、地位の低い下級兵士の姿をしてやってきたのだった。)

ルーシア > そんな空間にドアをノックする音が響き渡る。
互いに無言だったのもあって、その音はよりはっきりと聞こえてくるだろう。
無言のまま、顎でドアを指す店主。
言葉にせずとも、ここからもうお前の仕事だといわんばかりのもので。

それに対し、少女もまた無言でドアを開く。
そこから現れたのがどんな相手であろうと、店主にとっても、少女にとっても客は客だ。
例えミレー族であっても、それに例外は無い。

ただ、その格好は兵士にようなそれであるのを見れば、少女は明らかに嫌そうな顔をする。
取り引きに来たのはどこかの軍隊か何かの下っ端だと思ったからだ。
そうした場所で使われる事に、碌な事はない。
だが勝手に断る事は許されない、表情を戻してから。

「別に構わないわ。
それで、私に話が来たって事は、魔術師が必要なのかしら?
それとも、夜のご奉仕?そっちだったら、良い趣味よねっていってあげ…っ…いや、何でもないから」

少女の口から、彼へと向けて内容の確認を問われる。
その際、何か余計な事をいい掛けたらしく何かされて言葉を途切らせられたようだが。

クロス > (一応、書類上での情報を読み連絡を入れていたのであった。
なんでも、奴隷でありながらもかなりの魔術能力を持ってるとのことらしく、有名処の軍や護衛として貴族が雇に来るらしい。
だが、彼にとってその情報は不必要であった。)

(対面した少女、明らかに嫌そうな顔をしていたのははっきりとわかったが一度か数回にわたる仕事の相方、されるのは我慢できるものである。)

「…なるほど、いい魔力を持っているな…。」

(様々な依頼や仕事に関わり、自身にも少量ながら魔力を持っていた。
今までの勘のおかげか、依頼に同行してもらう少女がかなりの腕を持っていることを察した。)

「まぁ、そんなところだ。
ギルドの募集で高額な依頼程、人数や経験、挑戦者の実力等がかかわってくる。
当然、貧民地区育ちのミレーなんかが、ソロでまともな依頼に参加できるわけもなく、同行するもの好きも居ない…そういうわけでここに来た。」

(ここにやってきた経緯を説明しながら一枚の依頼書を見せる。
内容は森の奥に生息するゴブリンの群れ。
情報によると数匹の子分と群れのボスをしているボスゴブリンが生息しており、馬車で移動する行商人などを襲っているとのことだ。
危険性が高い分報酬も高額だが、内容と挑戦する男、外見からするにふさわしくないのは見てわかる。
依頼書と挑戦者、二つを合わせれば『死にに行くもの』っというようなことが読み取れるだろう。)

ルーシア > 高い魔術の力を持ち、主を最優先で絶対服従。
奴隷である為に、相応の戦力を雇うよりも安価で自由が利く。
相手にとって、これ程使い勝手の良いものはないだろう。
口や態度が悪い事を除けば。

自分の魔力を感じ取ったのだろう、相手の呟きが耳に入るも、それは分かっていて来ている筈なのだから、再確認でもしているのか、との認識で。
続く依頼内容の説明と共に提示された依頼書。
それで、今回の依頼は自分が思っていたのとは違っていた事を知る。
そうはいっても、結局は危険な事には変わらないし、自分に断れるような権利もない。
むしろ、受けるようにしないと自分の立場が危ぶまれるだけなのだ。

「なんだ、私が思ってた内容と違ったみたい。
ま、それくらいなら、なんとかなるだろうし…
良いわよ、アンタが良いなら受ける」

どちらにせよ、自分には相手に自分を受け入れさせるように話をするしか選択肢はないのだ。
どんな内容であろうと、客が求めるもの、それを自分は行うしかない。
深い深い溜息を吐いてから、そう答えてみせた。
受けるのは良いとして、せめてこの男に変態趣味なんてものがありませんように、と願うばかり。

クロス > 「悪いな?俺はどっかの強くて、賢くて、気高い騎士様じゃねぇからよ…。」

(への字に口を歪めながら嫌みのように言う。
当然、貧民地区出身でミレー族となれば立場も下になり、扱いもかなりひどくなるのは見てわかるほどだ。
そうなれば、自分の上に立つ存在に嫌気がさす。)

「ま、一先ず交渉成立ってところだな。
少し歩いたところに馬車を用意した、それに乗って目的地へ向かうぞ。」

(後ろを指さしながら淡々と話しを進める。
ため息に先ほどの夜の相手に関する話、明らかに好印象なんてものは持たれていないのはわかっている。
だが、そのほうがやりやすい、変に目を輝かせたり素直すぎる奴と
行動すれば気が狂うこともあるからだ。
だが、歩く速度は違うのもわかっているため、少女と一緒に馬車に向かうよう配慮はする。)

ルーシア > 「私に相手は選べない、そんだけの話よ。
悪いと思ったら、こんな場所に来たりしないんじゃない?って思うのは私の気のせい?」

ああいえばこういう、みたいに切り返しながらも。
交渉は成立し、出掛ける事となれば店主へとアイコンタクト。

『それじゃ、これを持っていきな。
それの効果はソイツがここに戻って来るまでだ。
オマエは終わらせたらさっさと戻れよ、いいな』

それを受けた店主がそう伝えれば、ポイッと手にしていた指輪を投げて渡す。
事前説明を受けているのだから、それが何かは理解している筈だ。
そして少女へと手短にそれだけいえば、早々に個室を後にするのだった。

「だ、そうだから。
それで?私はこのまま行けば良いのね?」

店主が出て行ったのを確かめてから、改めてそう聞いておく。
今の自分の格好は、いつもの奴隷としての格好だ。
雇い主によっては衣装を変えたりさせられるので、その確認である。
その答えによっては着替えをしなければならないが、そうでなければそのまま向かうのだろう。

クロス > 「…かなり上出来な口だな。
その性格の方が、こっちも仕事がしやすいって話だ…。」

(当たり前のこと、仕方なくやっているという雰囲気を露わにしながら喋る少女に褒めているとは思える言葉を添える。
そのあと、店主から投げ渡された指輪を受け取る。)

「ああ、そうだ。
お前の役目は一つ…俺についてくればいいだけだ。」

(依頼に参加するための条件を満たすための数合わせ、それがこの少女を雇った理由だ。
ただの人なら危険度に合わせて受理されず、ギルドでも同行する者も居なかった。
だからこそ、実力があり、その上に無駄な関わり合いをしなくて済む相手を探して、彼女を見つけたのだった。)

「どうしても着替えたいなら好きにしろ。そういったおめかしは必要だろうしな?」

(変わらずの表情、目つきの悪い顔をしながらも先に部屋を出る。
自分の意見がなくとも着替えるなら待つし、ついてくるならそのまま馬車まで移動するだけだ。)

ルーシア > 「面倒な言い回しって嫌いなの、私。
それはそれは、良かったわね」

ふんっ、と鼻を鳴らし答えてみせる。
やる事はやるけど、自分を譲るつもりはない、その姿勢だけはしっかりと。
指輪を受け取るのを横目で一瞥するも、すぐに視線は戻し。

「そう出来ればどんだけありがたい事かしら。
ソレがある限り、私はいつも通りになるだけよ」

呆れたように肩竦め、そう伝える相手へと返す。
自分もだが、当然そんな関わりを持つ気はない。
そうではあるものの、首輪の力だけはどうしようもないのだ。

「私に好きに着替えれるものがあると思うの?
何もない私に何を求めてるのか知らないけど、ほらほら、何もないならちゃっちゃと行くわ」

彼はそういうが、奴隷の自分に与えられているのは今着ているものだけ。
必要かどうか以前に出来る環境もないのに求められてもどうしようもない。
それだけいえば、さっさと馬車への移動をするだけである。

クロス > 「…奇遇だな?俺もそういったものは嫌いな性格でな…。」

(噂には聞いた口の悪さで皮肉屋、だが、心の奥底で何かを隠しているよりマシなのは確かだった。)

「…そうだったな。じゃあ、さっさと依頼をこなしに行くか…。」

(着替える服がないのならそのまま同行してもらうだけである。
しばらくすれば頼んでいた馬車に乗り込み、目的の森へと向かう。
時間帯は夜、かなり薄暗くなっており動物の声が気味悪く感じるような空気だ。)

「…参考程度に聞きたいんだが、お前はどういった魔術を使えるんだ…?」

(契約書や初対面で見た時の勘では詳しい内容までは知ることができなかった。
世話になることは少ないと思うが、それでもある程度相方の能力値ぐらいは把握しておこうと思い、馬車の中で会話をする。)

「ちなみに、こっちはただの長剣とダガー、後は安物の甲冑を着ている。
特に魔術も使えるわけじゃねぇが、まぁ、簡単な変身魔術ぐらいだったら使えるな。」

(こちらも自身のステータスを話す。
内容だけ聞いていれば、かなりひ弱というべきか、言ってしまえば頼りがいのないようなものであった。
魔術も変身系、それがどのようなものかは詳しくは話さなかった。)

ルーシア > 「そ、面倒がなくて良かったわ」

考えようによっては決して良い組み合わせともいえないものなのだろうが。
互いにとって良いか悪いか、先の事は誰にも分からない。

その後は、用意された馬車によって目的の場所へと向かう。
その場所がどれくらい掛かるかは聞いてないが。
自分は今雇っている相手にすべてを任せるだけなのだ。

その道すがら、馬車の中、男からの質問が掛かる。
先立てて自分の事を語る相手だが、それには興味なさげに、一応は耳を傾けてから。

「攻撃と補助、後は精霊との関わりを持ってるくらいね。
あ、でも回復は期待しないで、使えないから。
だから、アンタは下手に襲われないで欲しいわ。
下手打つと、これのせいで私が危なくなるから」

返すのは大雑把な説明、属性等の詳細を省いたのは、その系統なら属性は関係なく使えるからだ。
後は、これから赴く依頼の内容から、不必要な情報と判断したものも省いている。

後の説明は、彼の持つ指輪による自分の首輪の能力。
彼に危険が及ぶ状態となってしまうと、否応なく庇わされるからである。
それを示すように、自分に嵌められた首輪に触れてみせた

クロス > 「…要するにサポート全般ってことか。
しかし、回復はなし、か…。俺が死にそうな時は、確実に死ぬってことだな…。」

(大まかな説明を聞くがそれに頼ることは考えていないため、ある程度のことが聞ければそれでよかった。
しかし、一番気になるのは首輪と指輪の説明である。
契約書にも書いてあったが、どうやら二つのアイテムが繋がりがあるようだ。)

「なるほど…こいつを持っていれば、俺へのダメージは全てお前に行くってことか…。
それじゃ、特攻すれば俺は死なずに済むってことでいいんだな?」

(物騒なことを言いながら少女の方を見る。
つけられている首輪、異様に魔力が収縮されているのを見ればそれがリミッターのような役割をしているのは見てわかっていた。)

(しばらく揺れ続ける馬車。
しかし、その移動はしばらくして止まる。
悲鳴に似た声を上げて急に暴れて止まる馬、御者が慌ててそれを止める。
森のど真ん中でそんな騒ぎを起こしている最中、小さく草木の方から音がするのに反応して耳がピクリと動く。)

「…血の匂い…。
どうらや、来たらしいな…。」

(犬らしく鼻をスンスンと動かすと顔つきがきつくなる。
腰につけていたダガーを引き抜けば、窓越しから外の様子を伺う。
そして、目を凝らして森の中を睨みつければ、その存在を見つける。
黄緑色の肌に黄色いぎょろっとした目玉。
討伐対象のゴブリンの群れ、しかも、囲まれている状況に陥ったのだった。)

クロス > 【中断】
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からクロスさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からルーシアさんが去りました。