2023/04/17 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にルーシアさんが現れました。
ルーシア > この都市内で奴隷といえば、見世物のような扱いを受けていたり、檻の中に閉じ込められていたり、そうした奴隷達が大半だろう。
後は取引先によっての扱いの違い、奴隷の違いとは大体そんなものだ。

しかし、そんな扱いを受ける奴隷の中で、そうした扱いを受けない奴隷も居た。
その格好自体はそこいらの奴隷と同じだが、この都市の中を堂々と歩き回っているのだ。
もっとも、歩き回っているとはいえ買出しをさせられ、その帰路の途中ではあるが。

ただ、不思議に思えるところがあるなら、その奴隷には誰もちょっかいを掛けないところだろう。
こうした奴隷の買出しには、その買出しを妨害し、罰を与えるなんて事もざらにある。
そうされないのは、この奴隷には特別な立場があるからだ。

知っている者は知っている、貸し出し専用の様々な魔術を扱う奴隷少女。
貸し出し中は忠実に仕事をこなさねばならないが、普段はこうした雑事を任される。
その際での対応は、お互いに自己責任。
彼女自身の自衛が許されているからだ。

とはいっても雑用をさせられ気分が良い訳もなく。
不機嫌そうな表情で、買い物包みを両手に抱えて歩いているのだった。

ルーシア > 包みはそれなりに大きく、両手で抱えてやっと持ち上げられる大きさ。
時々包みから顔を右左と覗かせて前方確認しなければ、いつか誰かとぶつかりそうだ。

視界に入る、この都市で行き交う人々の姿。
奴隷を購入しに来たのか、見に来ただけなのか、それ以外の目的があるのか。
どれにしたって一般人以上としての立場を持っている事だろう。

「はっ、どいつもこいつも、お気楽なものよね。
いっぺん奴隷にでもなって苦労を知れっての。

あぁ、でもダメね、そんな温い生き方してきた連中が奴隷になったら生きていけないわ」

そんなものが視界に入り、ボソッと漏らす少女の呟きは、耳に届けば間違いなく気に触わる内容。
もっとも、さすがに堂々とそれをいわないのは無駄なイザコザを起こさないように。
少しは自重しているものの、明らかに、その性格は良いものだとは言えないだろう。

ルーシア > 「さてと、また愚痴られるのも面倒だし。
さっさと戻らないとね」

両手で抱える包みを持ち直し、続いて呟きを漏らせば。
そのままの足取りで、歩み去って行くのだった。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からルーシアさんが去りました。