2023/03/24 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」に八蛟さんが現れました。
八蛟 >
 奴隷都市 バフート
 桃色の花が時折みられるようになった時期 雨も増えたものの暖かい風が撫でてくる
 冬の季節のように市場がやや寂しかった頃合いとは違い、今は賑わいを見せている。
 奴隷の数は事欠かない。

 王国に巣食っている地獄のような光景もあれば、孕まされた挙句に子をすぐに売り払う者までいるのだ。
 誘拐 拉致 監禁 調教 のような言葉だけでは凡そ市場は成り立たない。
 牧場でもあれば話は別だろう いや、此処がそのような物か、と鬼は鬼歯を見せて久しぶりの都市
 一つの海賊船からガランッとサンダルの下駄歯を鳴らして降りては、腰に壺酒
 片手には金棒を肩に担ぐ姿で、久しぶりの奴隷都市の地を踏みしめる。


        「じゃあ、また会おうや。」


 鬼は海にいる機会も多い
 山の方のいざこざに興味もあるものの、顔見知りの伝手で海で争うことが多かった。
 真面にこの陸の中心へ行くなど、以前花見紛いなことをしていたくらいだろうか。
 片手をあげて別れた鬼は、奴隷都市の市場の並びがまた替わり、新店も増えているのに顎を撫でる。
 売りつけに行く商人も多いものの、直接足を運ぶ道楽者もいるせいか
 不思議と汚物と阿鼻に塗れて居そうなここは、酒や煙草 喰いものも一緒に運ばれる
 賭けで“交換”“譲渡”などもあるから賭場も賑わうだろう。

 下げていた壺酒からグビリと、その焼き物に似合わず満ちている上質のルビー・ラムで喉を焼く
 傍ら、腕で口元を拭いながらガラン、ゴロンと歩きながら広場を目指した。


        「さぁて 酒と葉っぱと 何を手に入れようかね。」


 船の中で心許なくなった愛用している煙管に詰める葉も考えながら
 手元の懐は随分と温かい。
 趣味道楽で散財することもない 身一つの人生では、使いどころが限られているせいか
 奪うという手に至らないのは、そのせいだろう。

ご案内:「」に八蛟さんが現れました。