2023/02/19 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にロージィさんが現れました。
ロージィ > 月の見えない暗い夜、奴隷市場の片隅で。
黒い布をかけられた黒鉄の檻がひとつ、ひっそりと店の奥に置かれていた。
種族も性別も年頃もさまざまな、商品という名の奴隷が売られている店。
檻の中でぐったりと倒れ伏しているのも、やはり、商品。
意識を刈り取られ、両手両足を縄で縛られ、泥のように深い眠りに就いている。

黒い布に覆われて、目立たぬようにされている理由は、
既に売約済みの商品であるからか、それとも何か特段の、問題がある商品なのか。
他の商品を売りつけるのに熱心な商人たちは、まだ、何も語らない。
それを指摘する客があれば、渋々と理由を語り始めるかも知れず―――――。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」にスミデーさんが現れました。
スミデー > (屋敷で雇う使用人や、そのほかの人材を求めてバフートへ。
ここは金さえ出せば色々な目的で雇用出来て便利なので定期的に訪れていた。
そして、奴隷市場の片隅、知合いの奴隷商人の店へと顔を出して、掘り出し物などはないかと話していて、ふと店の隅に置かれている布の掛けられた檻に気が付く)

「よぉ、儲かってるか?またいいのが入ってたらと想って寄ったんだけどな。この前売って貰った奴、なかなか役に立ってて助かってるよ。ん?なぁ、あの隅っこの檻、中に入ってるの奴隷だよな?なんであんなところに置いてるんだ?わけありか?」

(商売品としておいてあるにしては目立たないようにしていて、ちらりと見える檻の中にはぐったりした様子で倒れ伏している誰かが見えて。ああやって置いてあると言うことは普通の客には売れない訳ありかと思い理由を聞いてみる。そういう商品は安く買えることもあるし、商人からすれば不良在庫の処理になってお互いに有益なこともあるからだ)

ロージィ > 檻の中で身を縮め、怯えた瞳を向けるもの。
あるいは鉄格子にかじりつかんばかりの勢いで、反抗的な眼で睨むもの。
はたまた既に躾が行き届いているのか、媚びた眼差しで客を振り仰ぐもの。

それら、反応すら千差万別な商品たちの間に立って、商人は馴染みの客へ、気やすい笑みを向けた後。

『ああ、あんたか。
 そっちこそ、上手くやってるようじゃないか、またいつでも……』

決まり切った愛想を振りかけて、小さく片眉を跳ね上げる。
客の示した檻の方を一瞥し、ひょいと肩を竦めて、

『あれかい、あれはまあ、売り物には違いないんだがね。
 俺のおススメは、こっちのミレーだよ。
 健康だし、頑丈だし、気立ても良い』

売りたくないのか、売れないのか。
いずれにしても商人は、客の目を別の商品に向けようとする。
掌で示した檻の中には、愛らしい銀色の、猫のミレーがうずくまっている。

スミデー > (檻の中から、様々な種類の視線が向けられてくるのを感じる。
それらに気付いている上でスルーをして、奴隷商人との商談を進めるべく話を聞いていって、売り物には違いない、といいつつも渋った様子に首を傾げる)

「ああ、この前も面白いものを手に入れることが出来たからな。
今日は館で使う色々な奴隷が欲しくてきたんだが……って、あからさまに話を逸らすなよ。
訳有りだとしても俺との中だろう? 別に余所で話したりしないから、理由を教えてくれよ。
そっちの猫のミレーについては買わせて貰うからさ、なんだったら他の奴隷とも合わせて買わせて貰ってもいいし」

(商人にちゃんと守秘義務は守る、と言い勧められた猫のミレーはそれはそれで購入するとして。
他にこの場にいる奴隷もいくつか見繕って購入するので、良かったら事情を話してくれと)

ロージィ > 目の前の男は上客である、が、しかし。
商人はますます渋面を作り、斜めにかかっていた黒い布を、
檻の前面を覆ってしまうように、しっかり掛け直しながら、

『いや、本当に……困るんだよ、聞き分けてくれ。
 こいつは売約済みみたいなもんなんだ、引き渡し日は未定なんだがね』

その檻の前へ立ちはだかるように立ち位置を変え、ひら、と両手を左右に広げて、
商人は声を低く落とし。

『実を言うと、こいつは王都に運ばれる事になってるのさ。
 分かるだろう、此処で買い手の名前なんか出したら、
 俺の首が飛んじまうんだ』

王都、というよりも、城。
商品の行き着く先をそう示唆して、もう一度商人は『聞き分けてくれ』と繰り返す。

聞き分けてくれるなら、きっと今日は良い買い物が出来るだろう。
尚も食い下がるなら、―――――次回の商談は、別の店ですることになる、それだけの事。
檻の中身の真実は、そうして闇に隠された儘―――――。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からロージィさんが去りました。
スミデー > (商人の言葉になるほど、と頷いて。それなら仕方ないかと諦めることにする。
話しにくいことを話させたその詫び、というわけでもないものの、怯えた奴隷、反抗的な奴隷、媚びる奴隷とミレーの奴隷を購入することにして、契約を終えれば店を出ていくことにした)

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からスミデーさんが去りました。