2022/12/30 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート 野外市場」にグァイ・シァさんが現れました。
■グァイ・シァ > 市場都市の名に恥じない規模のテントが立ち並ぶ野外市場。
商われるのは当然ほとんどが奴隷だが、中には来客目当ての軽食を商うものや奴隷を慣らすための道具やら服やらを商うものもおり、それをまた見物に訪れるものも居たりで、冬の寒い最中であるにもかかわらず兎に角人でごったがえしている。
その市場の片隅、外壁の壁に鎖で両腕を繋がれた女がひとり。
大体は体力の有り余ったような者が居るのが常だが、みずぼらしいシェンヤンの道着一枚の女はとてもそうは見えない。
物珍しく思ったものが近付けば、理由はすぐに分かる。
乱れた赤い髪の奥から緑の瞳で視鋭い線を向けるその女の、薄く笑う口元には血の跡。
女自身の血か―――それとも他人の血か。
何れにせよ、大人しいタマではないことは容易に想像が付くだろう。
そうやって何人かが足を止めては去っていくのを、女は無感動に見送る。
――――ここは血のにおいが少ない。
■グァイ・シァ > 見上げればまだ陽は高い。
冬とはいえ晴れた日の日差しは燦々と、この『奴隷市場』という場所にもひとしく降り注ぐ。
繋がれた女はじゃら、と鎖の音を立てて繋がれた壁に凭れると瞳を閉じた。
陽が暮れ、夜が明ける頃にはこの女の姿はこの都市から消えているだろう。
ひと悶着はあるかもしれないが、敢えて追う者などはいない筈だ―――
ご案内:「奴隷市場都市バフート 野外市場」からグァイ・シァさんが去りました。