2022/12/17 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にゴーシェさんが現れました。
ゴーシェ >  
夜更けのバフート、街の中心部からは大分離れた辺り。
奴隷市場周辺のような、異様な熱気とは無縁であるものの、
廃墟と見まごうような建物が並び、恐らくその何割かは本当に廃墟で、
治安の程度は街の中心部と、きっとどっこいどっこいといったところか。

この街を訪れた主たる目的、紛失したロッドの代わりを首尾よく入手し、
店―――――とは思えない廃屋同然の朽ちかけた建物から出てくると、
手に入れたばかりのロッドを両手で握り、手袋越しながら感触を確かめ、
満足げに口許を緩めて、ほう、と息をついた。

「うん、……この、いかにも古びた感じが良いのよね。
 あんまり新品じゃあ説得力に欠けるし、掌への馴染みも悪いし」

実際には、振りかぶって敵を殴打する程度の役にしか立たないものだが、
一応は冒険者としての体裁を整えるためのアイテムである。
黒樫のしっとりと滑らかな感触に、大いに満足した後は、
さて、と通りの左右を素早く見渡し、

「えっと……確か、こっち」

先に取っておいた宿は、確かこの通りを右に行って、最初の角を左。
街の治安を考えれば、ふらふらせずに宿を目指すべきだろう。
人通りの無いうら寂しい通りに、足早な靴音を響かせて歩きはじめる。

ゴーシェ >  
人通りが多い、賑やかな界隈である方が、ずっと危険な街だ。
そういう界隈へ近づかず、真っ直ぐ宿に戻ろうとしたのが幸いしたのだろう。

半時も過ぎた頃には、ひとまず、安全な宿の一室。
寝仕度を整えてベッドに潜り込み、睡魔の導きを待つ娘の姿があった―――――。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からゴーシェさんが去りました。