2022/12/03 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にミリヤさんが現れました。
ミリヤ > 「さて、困りましたね…」

綺麗に整えられた金髪を揺らしながら、若く美しい少女が大通りの端で立ち尽くす。
周りを見渡せば自身と大差ない、年端も行かぬ少女達があられも無い姿を晒し、商品として並べられる異様な光景が視界に映る。

唆られないと言えば嘘になるが、
今日は私用でここにきたわけではなく。
お得意様へいつものお薬を届けるためにやってきたのだが、店の場所が変わったとかで新しい店舗の場所が分からないという現状。

一応地図も貰ったのだけれど、こうも奴隷商の店が多くてはどこがその店なのかも分からない。

それはここで店を出している側も同じ様であり、道を訪ねても「ここらじゃ全員同じ顔に見えるんだよ」と突っぱねられてしまう。

「非常に困りましたね…」

先程から視線も痛い。
この場に似つかわしくないのはまあそうなのだけれども、あからさまに下衆な目を向けられるのも不快である。

家の大事なお勤めであるとは言え、やはりバフートに娘を一人お使いに行かせるのはどうなんだろう。
声には出さぬ愚痴を吐き出しながら、少女は再び視線を通りに並べられた奴隷達へ向ける。

好みの子でもいれば帰りに買って、今日の仕事の腹いせにたっぷり遊んでやろうなどと、こちらもまた下衆な思惑を脳裏に浮かせ。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」にリネアさんが現れました。
リネア > 気が付けば奴隷の並ぶ檻の中にいた。
奴隷になった覚えはないのだがまた精霊さんの悪戯だろう。
とはいえこの状況はどうしようかと思案を巡らせる。
どうやら奴隷商はまだ気づいていない様子で。

(都合よく知り合いが通りかかってくれたりしないかな)

と考えていると本当に知り合いが通りかかった。
これを狙っていたのか、と疑うがそれはそれ。
ミリヤに向かって手を振って自分の存在をアピールする。

ミリヤ > 相変わらず店は見つからない。
諦めて帰るって選択肢もあるけれど、手ぶらで帰ったらさすがに怒られそう。

だって、見つからないものは仕方ない。
どこを見ても同じような店が連なっているのだからどうしようもない。

溜息を一つ零し、元来た道を引き返そうとした時だ。
こちらに手を振る少女の姿が視界に映る。

どこかで見た顔だ。
前に夜の路地裏で精気を頂いた少女。
なにか不思議な加護を持った少女、だったと記憶している。

どうしてこんなところに。
そんな疑問が浮かぶ。
とりあえず声を掛けてみようかと歩み寄り。

「…ここで何してるの?」

今は淫魔であることを隠している装いなので、前と会った時とは少し違った口調で問い掛ける。

リネア > 「ええっと、気が付いたらここにいたの」

事情を簡単に説明する。
精霊が時々いたずらで変な所に転移させること。
大体エッチな目に合うけどそれはそれで楽しいからあまり気にしていないこと。
ちょっと口調が違うな、と思いつつも向こうは向こうで理由があるのだろう。

「……というわけで助けてほしいの、お金なら後で出すよ、体で」

実際体を売ればお金はいくらでも出る身。
ミリヤの目を見つめて頭を下げる。

「お願い、変な男に犯されるぐらいならお姉様に買ってもらった方がいいの」

ミリヤ > 「へぇ……」

気がついたらここにいた。
それはどういう状況なのか。
まあ考えても仕方ない。

「助けるのはいいけどさ…
その代わり、一晩私に付き合ってね?」

下から見上げる彼女の頬を撫でながら、楽しげに笑えば店主に視線を向けて。

「彼女を買うわ。
いくらかしら?」

店主から告げられた金額を支払えば彼女に視線を戻し。

「私がここを通って良かったね?」

妖しげな笑みを漏らせば彼女を連れて店をバフートを後にして──。

ご案内:「奴隷市場都市バフート」からミリヤさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からリネアさんが去りました。