2022/11/30 のログ
■イグナス > いろいろと、こう、いろいろと。しっちゃかめっちゃかだ。
不審な要素に半眼を向けて、罵倒を向けられるままについていく。
むしろ思考はその次、見つけられなかったらこの態度のでかい小娘をどうしてやろうかって、感じ。
足を進める。しばし、…大分、歩く。
「―――――あン?」
目当ての場所を案内できるんなら、当然知ってるハズなんだが。
ややドスの効いた聞き返しになってしまったのは仕方ないってモンだろう。
…あんまり幸運には恵まれなかったみたいで、その間にも彼女は、運よく店を見つけることはできなかったようだが。
「…そりゃァ、あれだ。こういう店………だな。」
それなりの高級宿だから、かどうかはわからないが。どうやら看板は見落とすくらい小さかったみたい。
なかなか立派な構えの宿をちょうど通り過ぎた所、扉の方に小さく、銀の八竜亭、と。
「……ティカ?なんか、言うことあるか、ン?」
割かし剣呑な声音で後ろから、ぼそと声をかけて。
■ティカ > 低音の声音による返しにびくりと小躯の肩が跳ねる。
ヤバイ、いくら何でもバレたか……。
強張った童顔を垂れ伝う汗を倍しながら、どこか突破口でも見当たらぬかとますます激しく紅眼を動かせば
「――――そ、そうそう! こんな店! こんな店だよな! ってかここじゃねえか! あははははは久しぶり過ぎてちょっと見逃しちまったぜ、あははは、はは……」
ちら。
乾いた笑いに合わせて横目に大男の様子を伺えば、ただでさえ伸し掛かってくるかの巨躯のプレッシャーが聳え立つ入道雲の様になっていた。
「な、なんだよ、結果的に見つかったんだから別にいいだろ!」
イグナスが見つけなければこの場を通り過ぎた二人はしばらくの間無駄な道行を続けた後、適当な宿をティカのオススメとして無理矢理勧めるなんて事になっていただろうが、素直に謝る事も出来ぬチビは開き直って声を荒げた。
まぁ、荒げた所で大男の10分の1程にも迫力はないのだけど。
■イグナス > いくらなんでも、バレている。
じぃと半眼を向けたまま、なんとも実に、苦し言い訳を連ねる少女。
結果として、あきらめたわけだが。
はァ、……ァ。ってだいぶ深いため息と、呆れたように片手を額に当てた。
そしてこの言いようである。ぜんぜん反省してない。
「お前。………、やれ、やれ、仕様のないヤツだなあ、お前は。」
ひとしきりあきれた後に空を仰いで息を吐く。
……まあ、言う通りだ。見つかったから、別によいか。
「ったく、…おい、ほら、行くぞ。飯くらいは食わせてやる。」
まあ、悪気があったわけではなかろう。調子よく小気味よい娘でもある。
あとはこう、お仕置きもせねばなるまいということで、食事に誘う。
彼女の性格からして、バツを悪くしてついてこないということもないだろうから、足を宿の中へと踏み入れていき
■ティカ > 「な……なんだよ……やるってのか……!」
小柄な体躯を小さく震わせながら、それでもなお紅色の瞳は反抗の色を失わない。
その様はふしゃーっと毛を逆立てて精一杯己を大きく見せようとする仔猫めいて見えるだろう。
「―――――う?」
なればこそ、諦めた様な声音が発した次の言葉は予想外で、ティカは紅色の眼を丸くした。
そうして数度、その眼を瞬かせた後
「ま、まあ、そういう約束だったしな! 飯だけじゃなくてちゃんと宿代も払えよな。そういう約束だったんだし!」
今にも路地裏に逃げ出さんとしていた小躯が心底の安堵に力を抜いて、ここぞとばかりに調子に乗ったセリフを吐く。
後退りで離していた距離を詰め小さな手の平で男の背をぺむぺむと叩きつつ、普段のティカでは決して泊まる事など出来ないだろう、どころか、飯だけを食いに入っても追い出されそうな高級宿にどぎまぎしつつ男の後を追う。
桜色の唇を半開きにしたままきょろきょろと宿の内装を見上げる様子は田舎者丸出しである。
■イグナス > 今にも食ってかかってきそうな少女はもう、虚勢が先立って子猫みたく。
半分無視するように、さっさと宿のほうへと歩いていく。
「わァった、わァった、ぎゃーぎゃー喚くな。ったく。」
あきれ様な声だけど、くくと楽しげなのどの笑いも響く。
元気なの相手は、楽しいみたいだ。
田舎者丸出しな少女を連れ立って宿へ、この都市でそれなりに値が張るだけはある。
安酒場とは少々違う空気で宿の飯やら、部屋のほうへ。
ひとまず約束はもちろん守るけれど、そのあとはさて、どうなったのやら。
■ティカ > 大柄な体躯に見合う気前の良さを見せた大男の厚意に甘え、ティカは高そうな食事を大いに食らい、風呂を楽しみ、柔らかな寝台で眠りに付く。
元々は宿への案内の報酬としてそれらを受け取るつもりだったティカなれど、道案内として全く役立っていなかったという自覚もあるので、同室同衾という条件を受け入れて、健康的な男女が一つのベッドで一夜を共にした結果としてのあれこれも受け入れる事となったのだがそれはまた別のお話。
ただし、オーガめいた見た目に反して意外にも紳士的な所のある大男が相手の事。
その夜の交合はレイプめいて無理矢理な物ではなく、多少の憎まれ口こそ叩いても互いに同意しての物となったのだろう。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からティカさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にアストラさんが現れました。