2022/11/29 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にイグナスさんが現れました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 奴隷売買というものにあまり興味がわかない。
品質はいいのだろうが、必要なら自分で強盗ってくればいいのだし。
――とはいえ、この盛んな熱気は好ましいし、何より物も、情報も集まる。
…のはいいのだが。
「…………はて。」
情報屋にたどり着いて話を得たはいいが、大通りに出た瞬間に、まよう。
ガヤガヤと人が群れとして流れ歩く中、大きな大きな男が、ぽつん…あるいはデデンという感じで立ち尽くした。
「……う。宿はどっちだ。」
この時期だというのに昼間は、暑い。人の熱気のせいか。
じりと太陽が降ってきて、汗が一筋流れた。
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にティカさんが現れました。
■ティカ > 「チッ、奴隷都市か……いけすかねぇ街だぜ」
馬車が行きかい露店のひしめく大通りであろうとも、少し視線を巡らせれば首枷以外は着衣の一切を剥ぎ取られた奴隷娘たちが陳列され変態男達の"品定め"にその身を震わせる光景が目に入る。
隊商の数合わせとして護衛仕事にありつく事が出来たのは実力不足のルーキーとしては幸運以外の何物でもなかったが、こんな場所に長居したいとは思えなかった。
とは言え、今から一人で王都に帰るというのは危険極まりない。
昼も過ぎたこの時間に街を出たなら野営場所にもつかぬまま夜を迎える事になるだろうし。
そんなわけで、少なくとも今夜一晩くらいはこの街で過ごすしかなく、適当な安宿を見つけるべく大通りを進んでいたティカだったのだが
「――――――でけぇ」
思わずぽかんと口を開け、少し間の抜けた声音と共に数m離れた場所に立つ巨漢に足を止めてしまった。
女冒険者の中でも小柄な部類に入るティカなので、群衆から頭1つどころか頭3つ程も突き出した巨躯はそれはもう途轍もない大きさに見えた。
■イグナス > 「あン?」
途方に暮れて立ちすくむ…といってもかなりの存在感がある、が。
聞こえた声にじろりと、目線を下におろした。
見えたのはちいさい、この街には似つかわしくない少女だ。
ぱちくりと瞬きして、でもその素直な感想にすぐ、笑ってしまう。く、く。
「おう、でけぇだろ。……お前はちっちぇーな?」
かくりと首をかしげて、その小さな姿に笑いかけた。
笑顔ではあるが、だいぶ、大きな体躯のせいで圧は強めかも。
「でけぇついでになんなんだが――あー、悪いが、道案内頼めねェかな。
まよった。普段来ねえ場所で。」
礼はするからと添えて。
少なうとも己よりは土地勘があるんじゃないかと、そういう心積もり
■ティカ > 「うぉ……っ」
思わず漏らした呻きと共に半歩後退ってしまったのは、実際の数値以上の威容を感じさせる筋骨の塊がギロリと見下ろす灼眼で真っすぐこちらを捉えて来たから。
しかし、気圧されたのはその一瞬のみ。
男の口から零れた小さな笑いと続いて発せられた言葉にカチンと来て
「―――あ”? あたしは別に小さかねぇ! 単にお前がデカすぎるだけだ!」
だんと男に踏み込むと、大型犬に吠え掛かるスピッツめいた剣幕できゃんきゃんと憎まれ口を返す。
自称"別に小さくない"ティカは、女冒険者としてどころかそこらを歩く街娘の中でも小柄と分類される程度のチビだった。
格子状の編み跡だけが模様めく簡素なキルトアーマーをチュニックめいて着込む小躯は、背丈にそぐわぬ肉付きの良さを厚手の布鎧越しにも覗かせているため子供扱いされる事は余り無いのだけれども。
「はァ? どこにもついで要素なんざねぇじゃねぇか。なんなんだお前は。人の言葉を覚えたオーガかなんかじゃねぇだろな」
ますます冴える新米冒険者の憎まれ口。
しかし、睨みつけるかの視線で見上げた大男の顔は、巌めいた剛相に言葉通りの困窮を覗かせていて
「今夜の宿代と飯代。それで手ぇ打ってやる」
彼同様に土地勘のない新米冒険者が『宿なんざぁ大通りうろついてりゃあすぐ見つかんだろ』という希望的観測の元に吹っ掛けた。
そこらの浮浪児に頼めば銅貨数枚で十分足りるだろう道案内で数枚の銀貨を要求するチビ。
■イグナス > 「なんだなんだ、ちっこいって言われンのダメかおまえ。」
かかか、と少しからかうように笑って手を伸ばす。頭をぼふぼふと撫でてもやろうかと思うが、さて避けられるかもしれないが。
男にとっちゃみんなちっさいから、あんまり関係ないワケだが。
憎まれ口は、まあまあと適当に回しながら、その様子に目線を向ける。
簡素なキルトアーマー、はて、冒険者か。――いや、それよりもいい体をしている。
ほう、これはなかなかって具合に、じろ、とついつい視線を這わせつつ。
「まァ細けぇことはいいじゃねえか、な。おいおい、失礼な奴だな、オーガじゃねえ、巨人だ巨人、半巨人。
イグナスってンだ。……よし、話ァまとまったな。そンなら、『銀の八竜亭』ってとこだ。案内してくれ。」
さて、ちゃんと見つかればいいのだが。
金額的にはあんま気にしていない様子で、行くぞー、って。彼女の先導を待って歩き始める。
■ティカ > 「べ、別にダメじゃねぇ! 単に事実を言ってるだけだ!」
朱色の頭部にぼふっと乗せられたグローブの様に巨大な手をぺちんっと払いのけながらきょろきょろと周囲を見回し、「ほ、ほら、あいつとかあたしよりも小せぇし!」と見るからにロリロリっとした少女奴隷を指差し示す。
そうしてチッと忌々し気に舌打ちを漏らしつつ
「――――――!?」
ビクッと小躯を固まらせた。
『銀の八竜亭』
よもやそんな具体的に店名を出されるとは思っていなかった。
てっきりティカと同じく適当な宿を探してぶらぶらしているだけの、お上りオーガだと思っていたからだ。
相場の10倍を超えるだろう案内料をあっさりと受け入れてもらえたのはラッキーだったが、正直『銀の八竜亭』なんて宿に心当たりなどあるはずもない。
「………………………お、おぅ。あ、あたしはティカだ。ついてこい」
一応宿屋が固まっている通りがこの先にある事は既に聞いているので、とりあえずはそこを歩き回って運よく見つけられたらいいなぁ……というなんとも頼りない道案内が始まった。
強張った頬に数筋の冷や汗が伝う。
■イグナス > 「わぁったわァった。っくっく、そうだな、それが事実だよな。」
どうやらいろいろといっても火に油。気にしてるみたいだし。
くくと笑いがこぼれるのはしょうがないが、確かにあのロリ奴隷よりゃ大きいな、と。
――していたら、ビクと固まるからだ。ちょっとの無言時間。
じぃ、と視線を向ける。……ふむ、と唸る声。
ここまで露骨なら、逆にわかりやすい。
とはいえそれでもまだ貫き通そうとする意志があるようだから。
「…おう、ついてくから、ちゃァんと、案内すンだぞ。OK?」
念入りに言い聞かせて、歩き始める。
と言ってもちろん、簡単に見つかるわけもない、運がよく…という可能性がゼロではないが。
しばらく、歩きながら。
「なァ、こんなに歩くンだっけか。聞いてた話とだいぶ違うが。」
半目でじーってしながら、問うてみる
■ティカ > 「お、おう! ま、任せとけ!」
若干ひっくり返る声と大男から逸らしたままの紅瞳。
到底任せておこうと思えない不審な態度を見咎められる前にさっさと歩き始める。
「う、うっせぇな! 黙ってついてきやがれデカブツ!」
視線を合わせずとも分かる疑わし気な気配。
ティカはその視線から顔を逸らしたまま足を速める。
速めた所でそもそもの歩幅が違うので、男からすればかなりスローペースな道行となろうか。
そうして歩く事しばし。
「――――あー……大体のアタリはついてんだけど、い、一応聞いとく。そのええと、なんだ、銀のぉ……八竜亭、だっけか? その宿って、どんなだ?」
だくだくと冷や汗を伝わせながらも、目的地に着くまでのちょっとした暇つぶしみたいな態で問いかける。
とりあえず大男から情報を引き出して、少しでもその宿を見つけやすくしようという算段だ。
万年金欠のティカにとってたかが一宿一飯でも金が浮くというのはかなりありがたい事なのだ。
大仰な名前からして彼が探しているのは結構いい宿の様だし、もしかしたら王都のなんたらいう老舗宿の様にタダで風呂に入れる類の店かも知れない。
案内料としてそこの部屋の宿泊代を分捕れたなら最高だ。
そんな下心をたわわな胸内に秘めながら、紅色の猫眼は一流の斥候の様にぎょろぎょろと周囲に走る。
幸運に恵まれれば、偶然その名を記した看板などが目に入るかも知れない。【6が出たら運よくその店を発見できる。】 [1d6→4=4]