2022/08/13 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート 野外市場」にグァイ・シァさんが現れました。
グァイ・シァ > 炎天下にも拘らず人が多く行き交う野外市場。陽が高い内から賑わって居たが、それが傾いて来ると人の流れは一層多くなったようだった。
商われる『商品』は食材などではないからあまり天候は関りないし、そしてこの国では常に豊富な需要と相対して供給もある。露店の数は市場にいつもあふれんばかりだ。

その陽が翳ってきた市場の人波を、割いていくかに足早に進む女がひとりいる。露店には目もくれず、やや翳ったとはいえ熱気の残る空気の中、甲冑を纏って汗一つかいていない。
女が探しているのは当面の『雇い主』だ。血の匂いがすれば尚いい。戦場へと繋がって居そうな相手が居れば最上だ。

女の視線は市場の『客』のほうを浚って行くが、殆ど一瞥するだけで歩みが緩むことも無かった。

(…どいつもこいつも)

怨嗟を纏っているものは多いが、血の匂いには乏しいものばかり。
軽く鼻を鳴らすと、長くなりつつある露店の影に眉を顰めた。
日暮れまで留まって目ぼしい相手が居ないなら、自らの脚で戦場へ向かう必要が出て来るだろう。

(――――それとも)

この賑わう市場の片隅で、血の海を作っても良いかもしれない。
実行すれば流石に暫くヒトの世をうろつけなくなるだろうから、凡そ実現することではないが
その想像だけで、無表情だった女の唇の端が僅かに上がる。
――――さぞ、胸がすくことだろう。

グァイ・シァ > 日が傾くにつれヒトの流れは多くなってくる。その分女の歩みも阻まれる。
忌々しげに眉を顰めた女がふと目を向けた、その先で視線が止まり、同時に歩みも止まった。

間違いない、あれは常日頃『そういう』場所に関わりがあるものだ。

女の唇の端が再び上がる。少なくとも『あれら』について行けば糧にはありつけるだろう、そう予感したからだ。
ヒトの流れを横につき切り、真っ直ぐに彼等に近づいていく。
それは互いに僥倖となるか、災厄となるか

ご案内:「奴隷市場都市バフート 野外市場」からグァイ・シァさんが去りました。