2022/05/15 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にリュシーさんが現れました。
■リュシー > (―――何やらやかましく、耳許近くでがなり立てている濁声に、
うるさいなあ眠いんだよバカヤロウ、などと考えながら目を覚ました。
覚まして、ぱちぱちと瞬きをして――――ぎょっと、目を瞠り)
なん、――――――…だ、ここ………。
(己が居る場所はどうやら、円形のステージのど真ん中らしい。
黒い質素な木綿のドレス姿で、車輪のついた肘掛け椅子に腰掛け、
両手首を肘掛けに、足首をひとまとめに足置きへ、黒光りする枷で固定され、
口には猿轡を、首には無骨な首輪を、かまされている様子。
それはいい、いや、ちっとも良くはないけれど、まあ、良しとしよう。
しかし、このステージは――――もしかして。)
『さあさあ、お買い得だよ!
いくら酷使しても壊れない、頑丈な魔族の肉玩具だ、
この魔力封じの首輪がある限り、反撃される心配もない!
今なら特別に、こちらの道具一式もお付けしよう!』
(傍らに立つ濁声の男は、してみると奴隷商人か。
異様な熱気に包まれた観衆、彼らはつまり買い手で、売り物は己。
――――――え、なに、怖いんですけど。
道具一式って、拷問道具じゃないんですか、それ。
観衆の中には一見して、兵士崩れと思われる屈強な男なども。
爛々と輝くあの目は、きっと、魔族の女ならメチャクチャにしてやろうと思っている。
はっきり言って、おとなしくしていてはマズい状況らしいが、
魔力封じとやらを施された状態で、しかも寝起きである。
飛び交い始めた金額に、安いだろ、とツッコむゆとりも無く、
――――――どちらかと言えば売られた後に、スキを見て逃げ出すのが正解か、
なんて、消極的な結論に至ろうとしていた。)
■リュシー > (――――――とりあえず、まだ、眠い。
首輪とか、あるいは薬とか、なにか仕掛けが施されているのかも知れないけれど、
とにかく、やたらと眠気がきざしてくる。
油断無く、スキを窺うべきだとは思っていても、
意識が散漫になりがちで――――――次第に、濁声さえ遠く。)
ご案内:「奴隷市場都市バフート」からリュシーさんが去りました。