2022/05/04 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」にタマモさんが現れました。
タマモ > 港湾都市ダイラス、その北部に位置する、奴隷市場都市バフート。
どんな都市か、なんてもの、その名前を知れば、深く考えずとも分かるものだろう。

そんな都市の中に、少女の姿はあった。
この都市において、その姿は、それなりに目立つもと言えようか。
異国風の着物姿、狐を模した耳と、複数の尻尾。
それは、服装を除けば、この都市のところどころで売られている、奴隷達の中でも多い、ミレー族に近い外見だから。
そして、浮かべる表情は、どことなく、不機嫌そうなもので。
そんな少女の前に、もう一人、また違う少女が歩いていた。
こちらの少女は、どこからどう見ても人間。
薄紫を主体とした、可愛らしいドレス姿をしている。
ぱっと見は…まぁ、その関係性は、すぐ浮かぶものだが。
実際には、その立場は逆なものである。
と、その歩みを止めれば。

『それでは、私は私の用事を済ませて来ますね~?
戻って来るまで、適当に、時間でも潰してて下さいませ~』
「あー…分かった分かった、さっさと戻って来るのじゃぞ?
妾は、この場所は、ちと好かんからな、シノ?」

前を歩む少女、シノと呼ばれた少女は。
そんな言葉のやり取りの後、先に待っていたと思われる、商人達と共に、側に見えていた建物の中に消えて行った。

タマモ > 時折、この都市には、その少女と共にやって来る。
理由なんて問われても、大して答えは多くないだろう。
まぁ…自由気侭な己と違い、あの式神の少女は、ここでは商いを行う立場。
何かしら、ここの連中と商売をしているのだ。
何をしているのかって?それは…うん、知らない。
とりあえず、衣服関係の商いをしているのだ、その関係…だと思う。
己が同行している理由は、その護衛、との名目だ。

「さて…とは言ってもなぁ…」

はふん、一人のなった少女は、軽く溜息を吐く。
一人となれば、否応無く目立つものだ。
ただ、そこらで商売をしている奴隷商達に関しては、その限りではない。
ちょくちょくと来ているし、気紛れに、色んな買い物をしていたりしている。
金に糸目を付けない金の使いようは、上等な客として見られているのだ。
…まぁ、それ以外の、ここでの客達は、と言う事で。

しばらくは、商談等で、戻って来ないだろう。
ならば、突っ立っていても仕方無い。
適当に、何かあるか、見て回れば良いと、今回は通りをちゃんと、歩いて行くのだ。
さすがに、この場所を屋根伝いは…色々とまずいし、後で怒られる。

タマモ > 暮らしてきた、その環境もあるのだろう。
この奴隷市場、と言うのは、どうしても好きになれない。
ならば、いっそ暴れてしまえば良い、とも思うのだが…
そうした行為は、己の式の一人が、一切認めないのだ。
それを無視し、好きに暴れようものなら…考えただけで、怖いものである。

「む…むむむ…」

腕を組み、ゆっくりとした足取りで、唸りながら歩んで行く。
郷に入りては郷に従え、こうした場に居るならば、相応の考えで行動しなければならない。
複雑な思いを頭に巡らせながら、店の一つ一つに視線を向ける。

まぁ、こうした都市の、こうした市場ではあるが。
それだからこそ、売り物は一つとは限らない。
メインの奴隷達から、他は、その手の玩具や道具も並んでいる。
何か目を引くようなもの、一応、それを探してみよう。
そんな考えを浮かべながら、あっちこっちと歩き続けていた。

「あー…いっそ、連中を弄んでやりたいのぅ…」

その際、そんな呟きが、洩れたとか、洩れなかったとか。