2022/03/25 のログ
ご案内:「奴隷市場都市バフート」に八蛟さんが現れました。
八蛟 > その日の市場近くのバフートは荒れていた

市場という売り買いの世界
様々なブツを様々な者が売り払い そこには境界線はない
誰かが手に入れれば 誰かが買う それだけである

けれどもそれを成立させるには、手に入れたという結果が必要で
それまでの過程を省けるのは、その過程を顧みずに済める者だけ。

だからこそ、見世物か貴族の奴隷にでもしようと企まれたか
久しぶりの敵意ではなく、害悪を向ける意

いつだって鬼は舐められたら終わりだと 八蛟は考える。
貫かんばかりの敵意殺意は心地よいのに これが侮りと害悪の意なら
まるでガマ脂で覆ったイボ舌で顔を舐められたくらいに心地が悪い。

「鬼に何をしたっていいさ なんでもかんでもして“殺る”
 それは、鬼や魔王の特権さね。」

八角の形状 八角の鋲 その鉄塊棒を片手で握り、体格に見合った武器を携える金髪と筋肉の体格
左手で首根っこを掴むそれは、鬼に体をもがれてツマミにされる地獄絵図の亡者の顔をそっくりだ。

「でもそれ以外で、鬼に向かって何ができるってんだい えぇ?」

そう言って、毛皮大羽織りを肩にかけた姿
白の腹掛けと袴スカート姿の金髪大躯の鬼の姿は、何の未練もなく
右手に持つ金砕棒のそれによって、軽くお手玉をしたコレが右腕の一振りで壁へと叩きつけられた。

「まったく、鬼退治どころか鬼を攫うなんざ、親の顔が見てみたいよ。」

それはアタシらの役目じゃないか

そう言って、八蛟は腰にぶら下げている壺徳利の酒
コルクが線で繋がったそれをはずしながら、ごぼ ごぼ ごびゅり と
その琥珀焼酒ををあおり、ぶふぅ、と息を吐いた。